ラ・フランスは洋梨(西洋梨)の代表的な品種のひとつで、その名の通りフランスが原産です。芳醇な香りとジューシーな甘さ、とろけるような舌触りが人気で、果物の女王とも呼ばれています。

おいしく食べるコツは、完熟度合いに応じて保存の仕方を変えること。この記事では保存期間のほか、食べるタイミングに合わせて、ラ・フランスの完熟を早めたり遅らせたりする保存方法についてもご紹介しますよ。

「どれだけ熟しているか」によってラ・フランスの保存方法は異なる

皮付きのラフランスと半分にカットされたラフランス

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ラ・フランスは、木で完熟する前の状態で収穫され、そのあとに熟させるのが一般的です。追熟(ついじゅく)が必要な果物だということをぜひ覚えておきましょう。追熟されたのち、秋から冬にかけて店に出回ります。

ラ・フランスは、完熟する前と完熟したあとで保存方法が異なります。購入した時点の完熟度合いを見極め、適切な保存方法を選択することにより、最適なタイミングでおいしくいただくことができますよ。

そもそもラ・フランスの食べ頃とは?どんな見た目になったらおいしいの?

白いテーブルに置かれたラフランスを俯瞰で眺めている様子

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ラ・フランスは完熟したタイミングがまさに食べ頃です。香りも上品な甘味も際立ち、とろけるような食感でみずみずしい果汁もたっぷり。

完熟しているかどうかを見極めるには、見た目や香りの変化に注目しましょう。完熟して食べ頃になったラ・フランスには以下の4つのサインがあらわれるので、見逃さないようにしてくださいね。

<完熟したラ・フランスに表れる4つのサイン>

1.軸まわりの皮にしわが寄る
2.軸まわりの皮を指で軽く押すと少しへこむ
3.甘くフルーティーな香りがする
4.お尻の部分が茶褐色になっている

ラ・フランスをおいしく食べるために正しい保存方法を確認しよう

4個のラフランスが木製のテーブルに置かれている様子

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ラ・フランスをもっともおいしく食べるには、完熟して食べ頃になるまで待つのが基本。ただ待つのではなく、正しく保存することが大切です。完熟しているかどうかは、先ほど紹介したとおり「ラ・フランスの軸」や「まわりの皮・お尻の状態」「香り」で確認することができます。

「まだ完熟していないラ・フランス」の見た目・保存方法

ラ・フランスの軸の色が緑色で、まわりの皮に張りがある状態であれば、まだ完熟していません。

完熟前のラ・フランスは常温保存が基本です。乾燥を避けるため、新聞紙やペーパータオルで包んでからポリ袋に入れ、直射日光が当たらない室内に置いて追熟させます。室温は15~20℃前後が理想的です。

完熟までの期間は1~3日、長くても1週間程度が目安。ただしラ・フランスは個体差があるため、まめに状態をチェックするのがおすすめです。

「完熟状態のラ・フランス」の見た目・保存方法

ラ・フランスの軸の色が茶色で、まわりの皮にしわが寄り、甘い香りがする状態であれば、完熟して食べ頃です。

完熟したラ・フランスをすぐに食べない場合は、冷蔵保存をおこないます。水分が抜けないよう、新聞紙やペーパータオルで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室(3~5℃前後)へ入れて保存しましょう。冷蔵の保存期間は3~4日が目安です。

ラ・フランスの完熟状態を早めたり遅らせたりする保存方法とコツ

ラタンテーブルに置かれたラフランスとりんご

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ラ・フランスを食べたいタイミングに合わせて、完熟を早めたり、遅らせたりする保存方法があります。保存する環境を変えることで、追熟のスピードを調整できるのです。ラ・フランスがたくさんあるときに、食べ頃の時期を変えて楽しむことも可能。知っておくと重宝しますよ。

追熟を早めたい場合

ラ・フランスの追熟を早めたい場合は、新聞紙やペーパータオルで包んでからポリ袋に入れ、適温よりやや高めの20℃前後の室内で保存します。温度が高くなると追熟が早まるのです。

また、より早く追熟させたい場合に役立つのが、りんご。ラ・フランスと一緒にりんごをポリ袋に入れて保存すると、りんごが発するエチレンガスの影響により、ラ・フランスの追熟がより早く進みます。

いずれの場合も、ラ・フランスごとに差があるため、こまめな状態確認をおこなってください。

追熟を遅らせたい場合

完熟していないラ・フランスの追熟を遅らせたい場合は、常温保存ではなく冷蔵保存にします。新聞紙やペーパータオルで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れて保存しましょう。

ラ・フランスの個体差や完熟度合いもよりますが、完熟状態になるまで3~4週間程度はもちますよ。

完熟したラ・フランスを食べきれないときは冷凍保存がおすすめ

冷蔵庫のドアを手で開ける様子

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順調に追熟したのはよいものの、食べ頃になったラ・フランスを一度には食べきれない......といったケースもあり得ます。

完熟してから3日以内に食べる場合は、冷蔵保存でOK。ただし、長期で保存したい場合は冷凍するのがおすすめです。

カットしてから冷凍する場合

ラ・フランスの切り方は、縦に4等分にカットしてから軸と芯を取り除き、皮をむきます。切ったあとは、変色を防ぐため、表面にレモン汁をすり込みましょう。ひと切れずつラップで包んでから保存袋に入れ、しっかりと袋内の空気を抜き、冷凍保存します。

皮付きのまま冷凍する場合

ラ・フランスを縦半分にカットして、切り口にレモン汁をすり込んでからラップで包みます。保存袋に入れ、袋内の空気を抜いてから冷凍保存してください。

どちらの方法でも、冷凍の保存期間は約1カ月が目安です。とはいえ、なるべく早めに食べ切るようにしましょう。食べるときは冷蔵庫に入れ、自然解凍させます。解凍状態により、冷たいデザート感覚でラ・フランスを楽しむこともできますよ。

ラ・フランスは保存方法でおいしさが違う!

ラ・フランスを買ってきてすぐに食べようと思ったら、硬くて甘さもいまいち......といった経験をおもちの方は多いはず。ラ・フランスは追熟させて完熟状態にすることが、おいしく食べるポイントです。ご紹介した保存方法を参考に、ぜひ最良のタイミングで味わってくださいね。

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※商品情報や販売状況は2023年01月16日時点でのものです。
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