オリーブオイルの魅力である、フルーティーな香りや風味を楽しむための、適切な保管方法を紹介します。間違った保管方法は酸化を早め、品質劣化の原因になります。この記事では、劣化してしまった場合の対処法と、白濁や黒い沈殿物ができる理由も解説しました。

オリーブオイルは常温保存でもいいの?冷蔵保存すべき?

オリーブオイルのなかでも特に保存に注意すべきなのが、エキストラバージンオリーブオイルです。果実味あふれる香りと、オリーブの風味豊かなエキストラバージンオリーブオイルは、とても繊細であるがゆえに保管方法には注意しましょう。

誤った方法で保管すると、酸化が進み品質の劣化につながります。味と品質を長く保つ保管方法を紹介します。

オリーブオイルの保存・保管方法の注意点

レンガの壁の背景に災害緊急事態のために準備されたパントリー棚に調理されていない食品のセット

iStock.com/OlenaMykhaylova

オリーブオイルは光や熱に弱いため、12~15℃くらいの冷暗所が保管場所に適しています。温度が高くなりやすいコンロやレンジ周辺は避けて、棚の中や床下収納などに保管しましょう。

直射日光が当たる場所に置くのも厳禁です。オリーブオイルの保存容器として適しているのは、光を通さない黒く着色された瓶や缶など。光を通す透明のびんやペットボトルは酸化の原因になり、風味を損なってしまうため避けたほうがよいでしょう。

オリーブオイルは開封した時点で酸化が始まります。空気に触れることで酸化が進むため、開封後は蓋をしっかり閉めて保管し、保存期間は2ヶ月以内を目安にして早めに使い切ることが大切です。

保管するときは、ボトルを寝かせずに立てておくと空気に触れる面積が小さくなり、酸化の進みが遅くなります。

オリーブオイルが劣化してしまった場合の対処法

オリーブオイルの劣化は、においや味など状態の変化で見分けられます。万が一、オリーブオイルが劣化してしまった場合の対処法を紹介します。オリーブオイルが白濁してしまう原因や、黒い沈殿物が発生する理由についてもまとめました。

オリーブオイルが酸化したらどうなる?対処法は?

オリーブオイルが酸化したときの見分け方は、においや色の変化。オイルから嫌なにおいがしたり、変色や粘り気などが出たりしていたら、酸化して風味が劣化している証拠です。不快なにおいがするオリーブオイルは、胸やけや体調不良の恐れがあるため、食用として使うのはやめましょう。

開封して少し経過し、風味が落ちたオリーブオイルは、ガーリックやハーブを漬け込んでガーリックハーブオイルとして使うのも一つの手。多少酸化した程度のオリーブオイルであれば、炒め物や揚げ物などの加熱調理用として使えます。

食用として適さなくなったオリーブオイルは、手作り石鹸の材料や木工品・カラトリーなどのメンテナンスとして使うのもよいでしょう。

冷蔵庫に入れたオリーブオイルが白く固まってしまったときはどうする?

オリーブオイルは、基本的には常温保存がおすすめです。すでに冷蔵庫に入れて保存している場合や、白く固まってしまった場合の対処法を紹介します。

オリーブオイルにできた白い粒のような沈殿物や、白濁して固まったものは、温度が低くなりオイル成分の一部が固まって起きる現象です。カビや異物ではないので食べるのに問題はありません。

すでにオリーブオイルを冷蔵庫に保管しており白く固まってしまった場合、室温に置いて溶かせば、ゆっくりと透明なオイルに戻ります。ただし、急いで溶かそうとして湯煎をするのは、熱による劣化の原因になります。冷蔵保存と室温で溶かす行為を何度も繰り返すのも、オイルの質が悪くなるため注意が必要です。

夏場に長期間家を空ける場合は、室温が高くなってしまうため、例外として冷蔵庫の野菜室に保管しましょう。

オリーブオイルに黒い沈殿物があるけど使っても良いの?

オリーブオイルに見られる黒い沈殿物は、澱(おり)と呼ばれるオリーブの実の搾りかすです。オリーブオイルの成分であるため、使っても問題ありません。

オリーブを絞ったものをそのまま置き、上澄みとなって分離したオイルを取り分ける「ノンフィルター製法」のオリーブオイルによく見られます。フィルターを使って濾過したオリーブオイルと比べて、栄養も豊富でオリーブ本来の豊かな風味を楽しめます。

澱の含まれるノンフィルター製法のオリーブオイルは、より酸化しやすいため賞味期限がかなり短め。おいしくいただくために、開封したら半月程度を目安に使い切りましょう。

オリーブオイルの正しい保存方法を知り、香りと風味を楽しもう

オリーブオイルの正しい保存方法を紹介しました。繊細なオリーブオイルは、保存する上での注意点が多くあります。適切に保存することで、オリーブオイル本来のフルーティーな香りと風味を味わえます。

開封してしばらく経ってしまったときは、加熱調理やフレーバーオイルにして楽しむのもひとつの方法です。この記事を参考にオリーブオイルの知識をより深めてくださいね。

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