日本人の主食としてお欠かせないお米。お米には、消費期限や賞味期限の表示がないことをご存じでしょうか?この記事では、お米をおいしく味わえる期間の目安や正しい保存方法を解説します。古いお米をおいしく食べるコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

お米に「消費期限」や「賞味期限」は存在するの?

ザルに入ったお米の上に枡に入ったお米が乗っている

iStock.com/key05

「半年前に購入した未開封のお米、まだ食べられるのかな......?」

このように、お米の賞味期限が気になったことのある方は多いはず。実はお米には賞味期限、消費期限どちらも設定されていないのです。

スーパーなどで販売される加工食品には、おいしく食べるための期限「賞味期限」や、安全に食べられる期限「消費期限」が設定されています。しかし、一部を除く生鮮食品には、これらの表示義務がありません。

お米も生鮮食品に分類されるため、消費期限や賞味期限は設けられていないのです。

消費期限はないが「おいしく食べられるのは精米日から1〜2ヶ月程度」

お米が生鮮食品であることを考えれば、なるべく早めに食べたほうがよいのは納得がいきますね。

お米の鮮度は「精米」から日に日に落ちていきます。精米とは、収穫されたお米から「籾殻(もみがら)」と「ぬか層」を除去すること。籾殻を取り除き、ぬか層を残した状態のお米が「玄米」です。

劣化の進み具合は気温や湿度に左右されるため季節によっても異なりますがおいしく味わえる期間の目安は精米後1~2ヶ月程度」といわれています。

お米には消費期限は表示されていませんが「精米年月日」が記載されているため、この表示を"お米がおいしく味わえる期間の目安"とするのがよいでしょう。

なお、未開封か開封後かによってもおいしく味わえる期間に違いがありそうですが、その差はほとんどありません。お米のパッケージには破裂や荷崩れ防止のため、ごく小さな穴が開けられています。つまり密封されているわけではないため、開封でも未開封でもおいしく味わえる期間に差はないのです。

ちなみに、玄米は精白後のお米よりも劣化速度がゆっくりです。適切に保存された玄米は、半年~1年程度日持ちするといわれています。

古いお米は食べられる?日数別に解説

ページがめくられる卓上カレンダー

iStock.com/BrianAJackson

お米には消費期限や賞味期限がありませんが、精米年月日から1~2ヶ月程度で食べきるのがおすすめです。しかしこの目安を過ぎてしまった場合、食べても大丈夫なのでしょうか。

精米から日にちが経ってしまったお米が食べられるのかどうかを、日数別に見ていきましょう。

精米日から半年経過している場合

おいしく食べられる目安の期間から3倍ほどの日数が経っているため、食べられたとしてもお米本来の風味や食感は失われている可能性があります。保存状態が悪い場合は、目に見えないカビなどが発生していることも考えられます。

精米日から1年経過している場合

精米日から1年経っている場合、適切に保存していたとしても見た目や臭いの変化、カビや虫の発生が見られることも。もちろん、食べられたとしてもおいしさを感じられない可能性があります。食べるのは避けたほうがよいでしょう。

精米日から2年経過している場合

保存状態や保管場所の環境が非常に良好だった場合、精米日から2年経過したお米でも「絶対食べられない」とは言い切れません。ただし、カビが生えていたり虫が発生したりしている場合は、絶対に食べないでくださいね。またお米は臭いが移りやすいため、保存場所の状況によってはおいしさの観点からみて食べない方がよい可能性も高いでしょう。

食べられないお米の見分け方は?

手に持ったスコップで米をすくっている

iStock.com/ma li

傷んだお米の特徴は以下のとおりです。

・カビが生えている
・虫が湧いている
・酸っぱい臭いがする

高温多湿の環境でお米を保存すると、カビが生えやすくなります。カビが生えたお米は、黒やグレー・茶・緑などに変色します。手触りが通常よりもしっとりとしている場合やカビ臭くなっている場合も、お米が傷んでいると思ってください。

またお米には虫がつくこともあります。お米につく虫は「コクゾウムシ」や蛾(ガ)の一種である「メイガ」「コナダニ」など。いずれも小さい虫で、お米の袋に開けられた小さな穴から入ったり袋を食い破って入ったりします。まれに、もともと稲についていた虫の卵が取り除かれずにお米に入り、孵化することもあります。

酸っぱい臭いは、精米から日が経ったお米が空気に触れ酸化することで生じる臭いです。このような臭いがするお米は、風味や食感が落ちている可能性があります。

お米を正しく保存することでカビや虫の発生、酸化を防げます。お米のおいしさを保つための保存方法は、事項で詳しく解説しますね。

お米の正しい保存方法

キッチンで米の入った瓶を手に取る

iStock.com/Valeriy_G

生米の保存方法

お米は臭いを吸着しやすいためガラス容器やプラスチック容器、ペットボトル、ジップつきの保存袋など、密閉できる容器での保存がおすすめです。お米の袋には小さな穴が開いています。臭い移りのほか、虫の混入やカビの発生を防ぐためにはこのような容器が適しています。

またお米は乾燥や高温多湿の環境、直射日光に弱いため、冷蔵庫での保存が安心です。ただし出し入れすることによる温度差で生じる結露には注意が必要。結露が発生するとカビが生えてしまうことがあるため、十分気を付けてくださいね。

炊いたお米の保存方法

ご飯、つまり炊いたお米の保存には冷凍保存がおすすめです。おにぎりにするなど小分けにして保存しておけば、ご飯が少しだけ足りないときや忙しいときにも電子レンジで加熱してすぐ食べられます。

小分けにしたご飯をラップで包み、さらにジップつきの冷凍用保存袋に空気を抜くようにして入れ、冷凍庫に保存しましょう。

ポイントは炊きたてアツアツのお米を包むこと。湯気ごとラップで包むことで、解凍後のご飯がふっくらと仕上がります。ただし冷凍庫に入っているほかの食材の劣化防止のため、ある程度粗熱が取れてから冷凍庫に入れるようにしましょう。

目安の期間を過ぎたお米をおいしく炊くコツ

釜で炊いたご飯の手前にお盆に乗せられたご飯とふせた茶碗と箸と布巾

iStock.com/kuppa_rock

古いお米も、傷んでいないのであればなるべく無駄にせず食べたいものです。ここでは古いお米をおいしく炊く方法をご紹介します。

あまり力を入れて研がない

お米を研ぐ際には、力加減に注意が必要です。

古いお米は水分が減少し、粒が割れやすくなっています。なるべく軽めの力で研いで、割れを防ぎましょう。軽めに繰り返し研ぐことで、気になる古米臭も軽減できます。

浸水時間を長めにする

古いお米の特徴は、水分が少なめであることです。そのため水に漬けておく時間を長めに取ることがポイントとなります。夏場は30分程度、冬場は1~2時間程度みておくとよいでしょう。

また、炊飯のときの水加減も少しだけ多めにするとおいしく炊けますよ。

氷を入れて炊く

古いお米に限らず、お米をおいしく炊くポイントのひとつが「沸騰までの時間をできるだけ長くする」こと。この方法を実践するためには、氷を入れて水の温度を下げるのがよいというわけです。

氷を入れて炊くことで、古いお米でもふっくらとおいしいご飯に仕上がります。

お酒を入れて炊く

古いお米特有の臭いや、パサパサの食感はお酒を加えて炊くことで解消できます。

お米1合あたり大さじ1杯程度のお酒を入れることで、甘みのあるおいしいご飯が炊けますよ。本みりんでも代用できます。

お米がおいしい期間は精米日から1~2ヶ月!早めに食べきろう

お米には消費期限や賞味期限が設けられていませんが、精米年月日から1~2ヶ月程度がおいしく味わえる期間の目安です。高温多湿や乾燥に弱いお米は、保存状態が悪ければカビが生えたり虫が湧いたりしてしまいます。正しい保存方法で保存しつつ、おいしいうちに食べてくださいね。

販売中の米を見る

阪急うめだ本店の最新ニュースをチェック!

食品フロア イベント情報
阪急うめだ本店 営業情報

※商品情報や販売状況は2023年01月20日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。