ドライフルーツは栄養価が高く保存も効くため、常備しておくには大変便利な食材です。しかし「おいしそうだから買ってみたけれど、気づいたら賞味期限が切れていた」なんてことはありませんか?この記事では、ドライフルーツの賞味期限と適切な保存方法について解説します。

ドライフルーツってどんな食べ物?

木製のボウルに入ったさまざまなドライフルーツが並んでいる。

ドライフルーツは、その名のとおり、果物を乾燥させて作られた食品のこと。実はドライフルーツの歴史は古く、紀元前にさかのぼります。ドライフルーツは保存性が高く、冷蔵技術や輸送技術が発達していなかった時代において、食べ物が不足する時期の栄養源として重宝されていました。

生の果物は水分量が8090%と高いため傷みやすい食材ですが、水分を飛ばしてドライフルーツにすると、カビや腐敗菌などの微生物が活動できなくなるため保存性が高まります。また水分が抜けることで成分が凝縮され、もともと果物に含まれている食物繊維や、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を効率よく摂取できるのです。

ドライフルーツの賞味期限はどれくらい?

9種類のドライフルーツが並べられている。

iStock.com/Yingko

未開封のドライフルーツの賞味期限

賞味期限とは、未開封で適切に保存した状態で「安全に食べられる期限、かつ、おいしさなどの品質が保たれる期限」のことです。そのため未開封であれば、ドライフルーツの賞味期限が過ぎても、すぐに食べられるなくなるわけではありません

ドライフルーツは保存を目的とした食品であり、基本的には常温で長期間の保存が可能ですが、実際の賞味期限は各果物の水分量によって異なります。商品やメーカーによって、1ヶ月から数年と大きく違いがあるため、ドライフルーツを保存する前には必ずパッケージに記載されている賞味期限を確認しておきましょう。

ここでは人気の高いドライフルーツについて、目安の賞味期限をご紹介します。

・プルーン:90
・アプリコット:120
・マンゴー:140
・いちじく:160
・レーズン:160
・クランベリー:180日
・パイナップル:220日

また、砂糖が使われているドライフルーツは、砂糖不使用のものよりも傷みにくく保存性が高くなります。

開封後のドライフルーツの賞味期限

上述のとおり、賞味期限は「未開封」の状態で適切に保存した場合の期限のことです。そのため、一度開封したドライフルーツは、期限に関係なくなるべく早めに食べることをおすすめします。

開封したドライフルーツを一度で食べ切れず保存する場合は「空気を抜いてから袋を閉じる」「湿度が低く涼しい場所に置いておく」ことがポイントです。詳しくは、後述の保存方法を参考にしてくださいね。

手作りのドライフルーツの賞味期限

実は家庭でも、自然乾燥あるいは電子レンジでドライフルーツを作ることが可能です。手作りの場合、決められた賞味期限というのはなく、加工方法や乾燥状態によって保存できる期間は異なります。とくに「砂糖不使用」かつ「無添加」でドライフルーツを手作りした場合は、なるべく早く食べ切るのがおすすめです。

なお、水分を多く残したセミドライフルーツは、菌が繁殖して傷みやすいため、作った日から23日以内を目安に食べ切るようにしてください。

賞味期限が記載されていない場合

海外のお土産にドライフルーツをもらったことがある方も多いのではないでしょうか。なかには、パッケージに賞味期限が書かれていない......なんてこともあるはず。

そんなときでも、製造日が記載されている場合であれば、ドライフルーツの種類でおおよその賞味期限を判断できます。先ほどご紹介した、フルーツごとの目安の賞味期限を参考にしてくださいね。

賞味期限切れのドライフルーツは食べられる?

木目調のテーブルに、ドライフルーツとナッツが入った器が置かれている。

iStock.com/SMarina

一般的に賞味期限は、食べられる限界の期間に1未満の「安全係数」というものを掛けて算出されます。そのため、おいしさは損なわれている可能性はあるものの、実際は表記されている賞味期限の1.2〜1.5倍程度の期間まで食べることが可能です。ただし、これは未開封の場合に限ります。

賞味期限切れ1ヶ月の場合

例えば、賞味期限が180日のドライフルーツの場合、180日を1.2倍して216日までは食べても問題ないことになります。つまり賞味期限が1ヶ月過ぎても食べることができるでしょう。

賞味期限切れ半年の場合

賞味期限が半年過ぎたドライフルーツを食べるのはおすすめできません。見た目や臭いに変化がなく食べられそうであっても、見えない雑菌が付着して傷んでいる可能性もあります。

賞味期限切れ1年の場合

賞味期限が1年切れている場合、未開封でも口にしないほうがよいでしょう。食中毒や健康被害を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

賞味期限切れ2年の場合

未開封で2年過ぎたものも同様、すみやかに廃棄しましょう。口にすると、食中毒や健康被害を及ぼす可能性があります。

食べられないドライフルーツの見分け方

黒板にPOINTと書かれている。

iStock.com/takasuu

<食べられないドライフルーツの見分け方>

・カビが生えている

・虫が付いている
・果物とは違うすっぱい臭いがする
・土っぽい味がする

食べられるか不安に思ったときは、まず見た目と臭いを確認してみましょう。見た目で確認する方法としては、カビが生えている、虫が付いているというような状態ですが、これはかなり危険な状態であることが判断できると思います。

また、果物とは違う酸っぱい臭いがする場合も食べるのをやめておきましょう。いつもと違う臭いを感じたら、傷んでいる可能性が高いといえます。傷んだドライフルーツを食べるのは食あたりの原因にもなるため、少しでも違和感を感じたら食べないほうが無難です。

ドライフルーツを長持ちさせるには?

チェック柄の布の上に、ドライフルーツが入った白い器が置かれている。

iStock.com/from_my_point_of_view

ドライフルーツを保存するうえで注意すべきなのが「湿気」と「酸化」です。ドライフルーツは長期保存できるものの、適切に保存していなければ風味が損なわれてしまいます。

ドライフルーツは水分を抜いて作られているため、湿気を吸収しやすいのが特徴です。食品が空気に触れて湿気ると、食感が変わるだけでなく、菌が繁殖してカビが生えてしまうことも。とくに、日本は夏場になると湿度が高くなるため注意が必要です。

また、空気中の酸素と食べ物に含まれる成分が結びついて新たな化合物が生み出されることを酸化といいます。食品が酸化すると、味や色が変わったり、栄養素が失われたりし、最悪の場合、食あたりなど健康に害を及ぼすことも。

空気と触れることはもちろん、光や熱が加わることでも酸化が進むため、適切な場所でドライフルーツを保存することが重要です。

■ドライフルーツの正しい保存方法

麻の布のうえに、ドライアプリコットが入った白い皿が置かれている。

iStock.com/SarapulSar38

未開封のドライフルーツの保存方法

未開封であっても、上手に保存されていなければドライフルーツが傷んでしまうことがあります。そこで「直射日光を避ける」「パッケージに記載されているとおりに保存する」ことがポイントです。

直射日光に当たると、ドライフルーツの酸化が進む原因となってしまいます。また、パッケージに「冷蔵庫」や「冷暗所」などと保存場所が記載されている場合、その指示に従ってください。

なお冷暗所には明確な定義はありませんが、一般的には収納棚など温度が低く一定に保たれた場所のことを指します。保存する前に、冬場に暖房があたらず、ガスコンロや家電製品の放熱の影響も受けない場所かどうか確認してくださいね。

開封後のドライフルーツの保存方法

開封後は、「袋の中の空気を抜いてから袋を閉じる」「湿度が低く涼しい場所に置いておく」ことを心がけてください。ジッパー付き保存袋に入れて、冷蔵庫に入れておくのがおすすめです。

ジッパー付き保存袋であれば、簡単に空気を抜いて密閉することができます。ドライフルーツをプラスチックやガラス製の容器に入れておくのは、空気も一緒に保存していることになるので注意が必要です。

保存袋に、乾燥剤か脱酸素剤を一緒に入れておくとベター。

ドライフルーツは果物ですが、野菜室には入れないようにしましょう。野菜室は、鮮度が落ちやすい生野菜や果物の乾燥を防ぐために、湿度が高くなるように設定されています。そのため湿気を嫌うドライフルーツの保存場所には適していません。

賞味期限と保存方法を確認して、ドライフルーツをおいしく食べよう!

ドライフルーツの賞味期限は、果物の種類や加工方法によって異なります。開封後はジッパー付き保存袋に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。賞味期限を意識して上手に保存し、ドライフルーツを無駄なく食べ切ってくださいね。

※商品情報や販売状況は2023年01月20日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。