「梅干しの正しい保存方法」と聞くと「え?梅干しは保存食だから、あまり気にしなくて良いのでは?」と思うかもしれません。しかし実は、梅干しは種類によって保存方法が異なるのです。

この記事では、梅干しの種類別の保存方法や賞味期限、食べられない梅干しの見分け方、冷蔵・冷凍方法など、おさえておくべき保存方法のポイントを徹底解説します。

梅干しは冷蔵庫で保存しても腐ってしまうって本当?

梅干しは冷蔵庫で保存しても腐ってしまいます。保存食のイメージが強い梅干しは、腐ることとは無縁......と思われがちですが、そんなことはありません。

たとえ、梅干しを冷蔵庫に入れて保存していたとしても、梅干しの塩分濃度や保存状態のよしあしによっては、腐ってしまうこともあります。

梅干しをおいしく食べるためには、適切な保存状態で正しく保管することがなによりも大切です。

梅干しは「塩分濃度」次第で賞味期限が大きく異なる

昔ながらのかめに漬けられた梅干し

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ひと口に梅干しといっても、粒の大きさや硬さ、味わいは千差万別。市販されている梅干しにもさまざまなバリエーションがあり、どれを選ぼうかと迷ってしまいますよね。

梅干しを選ぶ際にチェックしたいのが賞味期限です。梅干しの賞味期限は、塩分濃度、水分、酸度のバランスによって大きく異なることをぜひ頭に入れておきましょう。

塩分濃度が高い梅干しは、塩の防腐作用により賞味期限が長めです。一方、塩分濃度が低い減塩タイプの梅干しや調味梅干しの場合は、塩分濃度が高い梅干しに比べて賞味期限が短く、長期保存には向きません。

要注意!梅干しは適切な保存状態で保管しないと腐りやすい

木製の棚の上にガラス容器入りの梅干しが置かれている様子

iStock.com/hawk111

梅干しを腐らせないためには、適切な保存状態で保管することが肝心です。保存に際しては、洗浄・殺菌処理をした密閉容器を使用し、取り分け用には清潔なお箸を用意することもポイント。腐らせる原因となる雑菌の発生や乾燥を極力防ぐようにしましょう。

また、梅干しの保存状態だけではなく、保存場所が腐らせてしまう要因となる場合もあります。高温多湿な場所や直射日光の当たる場所は避けなければいけません。

種類別|梅干しの賞味期限と保存方法をご紹介

白い皿に盛られた色合いの異なる4種類の梅干し

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梅干しの種類別に、賞味期限と保存方法をご紹介します。

「塩分濃度20%以上の梅干し」の賞味期限と保存方法

熟した梅干しを塩漬けし、天日干しをして仕上げる昔ながらの梅干しは、塩分濃度が20%以上と高めです。賞味期限の目安は約1年程度。塩分濃度が高くなるほど味わいはすっぱくなります。

塩分濃度が20%以上の梅干しは、未開封でも開封後でも、常温保存が可能です。直射日光が当たらず、高温多湿ではない、冷暗所に保管するようにしましょう。
 

「塩分濃度8%の梅干し」の賞味期限と保存方法

健康志向の高まりから減塩を意識する方が増えており、市販品のなかにも塩分濃度が8%前後の梅干しが多く見られます。賞味期限は半年程度のものが主流ですが、商品によっても違いがあるので、必ず賞味期限の表示を確認するようにしてください。

塩分濃度が低めの梅干しは、未開封でも開封後の場合でも、冷蔵庫に入れて保管するのが基本です。冷蔵庫に入れたからといって安心せず、賞味期限内に食べ切るようにしましょう。
 

「調味梅干し」の賞味期限と保存方法

梅干しを塩抜きし、調味液に漬けて作られたものを調味梅干しと呼びます。昆布やかつお節、はちみつ、しそなどで調味された梅干しが該当し、賞味期限は2週間から半年程度です。商品によって賞味期限には幅があるため、必ず表示をチェックするようにしてください。

調味梅干しは塩抜きされているため、塩分濃度は低めです。そのため、塩分濃度が低い梅干しと同様、冷蔵保存することが原則。購入後は速やかに冷蔵庫に入れて保管しましょう。
 

賞味期限が過ぎてからでも梅干しは食べられるの?

黒っぽい和皿に盛られた梅干しを箸でつまんでいる様子

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気が付いたら、梅干しの賞味期限が過ぎてしまった......。そんな場合でも、すぐに廃棄する必要はありません。賞味期限切れの梅干しが食べられるかどうかは、保存状態によっても違いがでますよ。

市販の梅干しの場合

市販の梅干しに表示されている賞味期限とは「おいしく食べられる期限」のことです。

未開封品や正しく保存されている梅干しの場合、賞味期限後すぐに品質が劣化することはまずありません。味は少し落ちるかもしれませんが、賞味期限後、短い期間内であれば食べられないということはないと考えてよいでしょう。

昔ながらの製法で作られた梅干しの場合

梅と塩だけを使い、伝統的な製法で作られた塩分濃度が高い梅干しは、冷暗所で適切に保存されている限り、1年程度はもつのが普通です。漬け込んだ日からぴったり1年が賞味期限という訳ではないため、保存状態がよければ、1年を過ぎても食べられる場合が多いでしょう。

食べられない梅干しの見分け方

木製のテーブル上の白い和皿に盛り付けられた梅干し

iStock.com/motosuke_moku

賞味期限からある程度時間が経ってしまった梅干しは、食べる前に状態をチェックするようにしましょう。梅干しが食べられるかどうかは、目で見て、鼻でにおいをかぎ、何か違いを感じる点がないかをチェックします。食べてはいけない梅干しの3つの見分け方は以下の3つです。

<食べられない梅干しの見分け方>

1.カビが生えている
2.変なにおいがする
3.色が違う
 

1.カビが生えている

梅干しの表面をチェックして、白い繊維状のものがあれば白カビが生えているサインです。白カビが発生してしまった梅干しは食べることができません。

2.変なにおいがする

梅干しのにおいに変化がないか確認しましょう。もし"腐敗したようなにおい"を感じたら、食べるのはNGです。梅干し本来のにおいと異なる場合は、食べるのを避けてください。

3.色が違う

梅干しの色が、購入時と変わっていませんか?茶色っぽくなっていたり、黒っぽくなったりしていたら、要注意です。傷んで腐ってしまった可能性が高いため、食べてはいけません。

梅干しを冷蔵・冷凍保存する際の正しい方法とは?

冷蔵庫内に保存されたさまざまな食品

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「塩分濃度が高い梅干し」は冷暗所で常温保存、「塩分濃度が低い梅干し」や「調味梅干し」は冷蔵保存が鉄則です。ただし、塩分濃度が高い梅干しでも、梅雨時や気温の上がる夏場は冷蔵保存をしたほうがより安心といえます。

また、梅干しが大量にあったり、賞味期限内に食べ切れそうになかったりする場合は、冷凍保存がおすすめです。梅干しの種類や目的に応じて、常温・冷蔵・冷凍保存を使い分けてくださいね。

冷蔵保存の方法

市販品の梅干しはプラスチック製の容器に入れられているケースが多いですが、量も少ないためそのまま冷蔵庫に入れて保存し、賞味期限内に食べ切ればOKです。

手作りの梅干しを冷蔵保存する場合は、中の様子が見える「ガラス」、もしくは酸や塩に強い「ホーロー」の食用密閉容器を利用するのがおすすめ。必ず、容器を洗浄・殺菌処理し、梅干しを移し替える際は清潔な箸を使用してください。

冷凍保存の方法

冷凍する場合は、梅干しをひとつずつラップで包み、保存袋に入れ、袋内の空気を抜いてから冷凍庫に入れて保存します。

冷凍の保存期間が長くなればなるほど、梅干しの味はどうしても落ちてしまうもの。冷凍後の賞味期限は、通常の賞味期限プラス1カ月を目安と考えてください。

解凍する場合は、常温で自然解凍をおこないます。半解凍のシャリシャリとした梅干しも、いつもとは違う感覚で楽しめますよ。解凍後は日持ちがしないので、その日のうちに食べてしまいましょう。

梅干しの保存方法は塩分濃度や調味の有無をチェック

梅干しを家に常備しているという方も多いのではないでしょうか。おにぎりの具やごはんのお供はもちろん、料理に爽やかな風味を加えることもでき、活用の幅が広いことも梅干しの魅力です。

梅干しをおいしく食べるために、気を付けたいのが保存方法。あまり気にしていなかったという方も、梅干しの塩分濃度や調味の有無に着目し、ご紹介した方法を参考に保存するようにしてくださいね。

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※商品情報や販売状況は2023年01月22日時点でのものです。
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