ライフスタイル&ヘルス2023/11/4 更新
ワインを飲んでいるとき「これは好きだけど、これは苦手」ということありませんか。ワインの味わいは、ブドウ品種で大きく変化するんです。ブドウ品種の特徴を知ることで、自分好みの味わいのワインを探すことができるようになるんですよ。この記事では、さまざまなワイン用のブドウ品種について、ソムリエが解説していきます。自分好みのワインを見つけるためのヒントにしてくださいね。
ワイン用のブドウ品種は、どのくらい種類があるのでしょうか。ワインは、世界各国で生産されており、その土地に合ったブドウ品種が栽培されています。そのため、ブドウ品種は世界に約800種類以上あるんです。
ただ、ブドウ品種には別名である「シノニム」というものが存在するので、800種類以上といっても同一品種のものも含まれています。赤ワイン用のブドウ品種は、黒ブドウと呼ばれ、白ワイン用のブドウ品種は白ブドウと呼ばれていますよ。
ワインを造るときに使用するブドウには、食用のものが選ばれる場合もありますが、基本的にはワイン用のブドウを使います。
食用のブドウは皮が薄く、種も少なめなものが多いですね。一方、ワイン用のブドウは皮が厚く、種もあり、香りや味わいが濃いめなのが特徴。とくに赤ワイン用のブドウには、タンニン(渋味)をしっかり含んでいるものを使用することが多いですよ。
以下では、とくに有名な赤ワイン用のブドウ品種の特徴をご紹介していきます。同じように見えるブドウですが、味わいや香り、粒の大きさなど違うところがたくさんありますよ。自分が好きそうな赤ワイン用のブドウ品種を見つけてみましょう。
赤ワイン用のブドウ品種のカベルネ・ソーヴィニヨンは、世界各国で栽培されている「国際品種」でもあります。カシスやブラックベリーなどの黒系の果実味を楽しめ、渋味成分であるタンニンが強いところが特徴的。色合いも黒に近い赤色の色調が見られ、見た目からも「濃いめだな」と感じられるようなワインが完成します。
主な生産国としてはフランス・ボルドー地方、イタリア・トスカーナ州、アメリカ、チリなどがあげられますよ。日本では長野県や山梨県などで栽培されており、おいしい赤ワインにが造られています。
iStock.com/Luca Piccini Basile
メルローもカベルネ・ソーヴィニヨンと同じく国際品種のひとつで、世界各国で栽培されています。一番の特徴はマイルドでシルキーなタンニンと、なめらかな口当たりで、ブラックチェリーやプラムなどの黒系の果実味の風味や、濃厚なタンニンを味わえます。角のないやわらかなタンニンと果実味がとてもおいしいです。カベルネ・ソーヴィニヨンよりも、やや果実味が華やかで、渋味がやさしいイメージですね。
主な生産国としてはフランス・ボルドー地方、アメリカなどが有名ですが、それ以外にもさまざまな国で栽培されています。
ピノ・ノワールは、イチゴやクランベリーなどの赤系の果実味と、爽やかな酸味が特徴的なブドウ品種です。フランス・ブルゴーニュ地方のピノ・ノワールはとくに有名で、一本100万円以上する「ロマネ・コンティ」や数十万円する「ラ・ロマネ」なども、ピノ・ノワールで造られています。味わいは繊細でエレガント、香りは華やかできれいな赤ワインが造られますよ。
生産国・地域ではフランス・ブルゴーニュ地方、アルザス地方、ドイツ、アメリカなどがとくに有名です。
ガメイはボジョレー・ヌーヴォーに用いられるブドウ品種です。果実味の甘味が高く、ジューシーで飲みやすい赤ワインが多く造られます。渋味や酸味が穏やかなので、ワイン初心者さんでも親しみやすい品種ですよ。
ガメイは主にフランス・ブルゴーニュ地方・ボジョレー地区で栽培されています。
シラーはベリーの果実味とジューシーさ、そしてスパイシーさが特徴的です。コショウやスパイスのような独特の風味を楽しめるので、好みが分かれる場合もあります。オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれています。実際には同じ品種ですが、ボトル記載の品種名は違うので気をつけましょう。
主な生産地はフランス・ローヌ地方、オーストラリアなど。ほかの国でも栽培されていますが、とくに有名な産地はこの2つです。
白ワイン用のブドウも、風味、粒の大きさ、栽培産地など、品種によってさまざまな違いがありますよ。赤ワインよりも違いがわかりにくいかもしれませんが、飲み比べると違いが見えてくると思います。以下では、白ワイン用のブドウ品種の特徴をご紹介していきますよ。
シャルドネは、世界各国で栽培されている国際品種と呼ばれるブドウ品種です。クセがないので、ワイナリーや造り手の個性を感じやすいブドウ品種ですよ。栽培産地によって、トロピカルな風味になったり、柑橘系のスッキリとした味わいになったりと、さまざまな顔があります。一方、クセが強くないので、飲みやすく親しみやすいブドウ品種でもありますよ。
主な生産地はフランス、イタリア、アメリカ、オーストラリア、チリ、日本など、有名な産地が多いのも特徴的です。
リースリングは、甘口から辛口までさまざまな味わいのワインが造られるところが特徴的です。ハチミツのようなフルーティーでほんのり甘いニュアンスと、爽やかな酸味、フローラルな風味が味わえますよ。甘口タイプは、デザートワインとして食後に飲まれることもあります。
主な産地はドイツ、フランス・アルザス地方です。甘口から辛口までさまざまなタイプがあるので、購入時によく調べてみましょう。
ソーヴィニヨン・ブランは、トロピカルなフルーティーさと、スッキリした爽やかさを兼ね備えた白ワインを造ります。産地によっては、トロピカルさが強かったり、爽やかさが強かったりなど、土壌特有の味わいも感じられますよ。また、ソーヴィニヨン・ブランは「華やかな香りを持つ白ワイン」という印象も強いです。
栽培産地ではフランス・ロワール地方、ニュージーランドなどが有名ですが、ソーヴィニヨン・ブランも国際品種なので、世界各国で栽培されています。
ピノ・グリは、赤ワイン用のブドウ品種であるピノ・ノワールの突然変異種の一種。そのため、ほんのりピンクがかった表皮が特徴的です。白ワインの爽やかな風味のなかに、コクやほんのり苦味などを感じることができる味わいなので、奥深い白ワインができあがることが多いですよ。
産地のなかではドイツ、フランス・アルザス地方、イタリアなどが有名です。
セミヨンは、極甘口から辛口までさまざまなタイプのワインに用いられるブドウ品種です。ドライフルーツや洋梨など、酸味より果実の甘味をしっかり感じられる味わいのワインが造られます。とくに長期熟成することができるワインの場合は、黄金色の色合いになり、濃密で緻密な旨味を味わえますよ。
フランス・ボルドー地方では、貴腐ワインという貴腐ブドウから造られた極甘口の白ワインが造られます。貴腐ワインにはセミヨンを用いる場合が多く、ソーヴィニヨン・ブランとブレンドされて使われますよ。
主な生産地はフランス・ボルドー地方、オーストラリア、南アフリカなどです。
実のところ、ロゼワイン用のブドウ品種というものはありません。ロゼワインを造るときに使用するブドウ品種は、主に赤ワイン用のブドウ品種です。しかし、生産国によっては、圧搾時に赤ワイン用のブドウ品種と白ワイン用のブドウ品種をブレンドして醸造することが許可されている場合もあります。
使用されているブドウ品種は多種多様で、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワール、シラーなどいろいろな種類が用いられていますよ。購入時に使用されているブドウ品種を知りたいときは、ワインボトルのラベルに記載されている情報を確認してみましょう。
日本では、赤ワイン用のブドウ品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ピノ・ノワール、白ワイン用のブドウ品種シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなどの国際品種と呼ばれるブドウ品種も多く栽培されています。しかし、日本固有のブドウ品種や、日本で多く栽培されているブドウ品種というものもあるのです。以下では、そんな日本ワインに使用される品種をご紹介していきます。
マスカット・ベリーAは、1972年に川上善兵衛が開発したブドウ品種。赤ワイン用のブドウ品種ですが、ロゼワイン、スパークリングワインなどさまざまなワインに用いられています。イチゴやクランベリーなどの赤系果実の風味が多く、マイルドなタンニンとほどよい酸味が特徴的なワインが造られますよ。軽やかな口当たりなので、初心者さんにも飲みやすいです。
日本のワイン用ブドウ品種のなかで生産量が2位を誇るマスカット・ベリーA。主な生産地は山梨県、山形県、長野県、新潟県、岡山県、宮崎県などです。ほかの都道府県でも栽培している場所はありますよ。
龍眼(りゅうがん)は、白ワイン用のブドウ品種です。長野県善光寺周辺で栽培されたことで、「善光寺」とも呼ばれています。
龍眼を使ったワインは、柑橘系のすっきりとした風味と、穏やかなフローラルな香りを楽しめますよ。強く風味を主張するブドウ品種ではないので、クセがなく和食に合わせやすいです。主に長野県で栽培されていますよ。
甲州は白ワイン用のブドウ品種です。主に山梨県の甲府盆地で栽培され、島根県や山形県などでも造られています。少し紫がかった表皮が特徴的なブドウ品種。柑橘系のフルーティーでスッキリとした風味と、後味に少し苦味を感じるところが味わいの特徴です。
日本のワイン用ブドウ品種のなかでも生産量第1位を誇るブドウ品種。また、近年では世界各国のコンクールで受賞することもあり、甲州のおいしさが認められ、世界中にファンが増えてきています。
ナイアガラは白ワイン用のブドウ品種です。主に長野県、北海道、山形県などで栽培されているブドウ品種ですよ。アメリカで誕生したナイアガラは、明治時代に日本へ伝わったといわれています。日本のワイン用ブドウ品種のなかでも、生産量は第3位。白ワインのみでは生産量が第2位となる、日本の代表的なブドウ品種です。
マスカットのような華やかでオリエンタルな風味を楽しめるワインが多く、甘口から中辛口タイプがありますよ。ナイアガラのワインは飲みやすいので、ワインが苦手な方でも親しみやすいでしょう。
上記では、赤ワイン用、白ワイン用とさまざまなブドウ品種をご紹介してきました。しかし、種類が多すぎてどれを選べばいいのか悩んでしまう方も多いと思います。そこで、ここではワイン初心者さんに選んでほしいブドウ品種をお伝えしますね。
濃厚で渋味もしっかり味わいたい方には、カベルネ・ソーヴィニヨン、濃厚さはほしいけど、渋味はマイルドなほうがいいという方にはメルローがおすすめ。爽やかでエレガントな軽やかな赤ワインを飲みたい方は、ピノ・ノワールを選んでみましょう。
フルーティーでクセのない飲みやすい白ワインを味わいたい方はシャルドネ、爽やかさとフルーティーさ、華やかさを楽しみたい方はソーヴィニヨン・ブランがおすすめです。ほんのりとした甘味やスッキリとした切れ味の酸味を感じたい方はリースリングを選んでみましょう。
上記のイメージを参考にして、自分が飲んでみたい赤ワインや白ワインを探してみてくださいね。
3,740円
南フランスにあるプロヴァンス地方で造られたロゼワイン。グルナッシュとシラーという南仏らしいブドウ品種を使用し、フルーティーかつボリュームのある味わいに仕上がっています。和洋中どんな料理にも合わせやすいので、ホームパーティーやお手土産としてもぴったりな一本ですよ。
詳しく見る
4,455円
ニュージーランドで栽培量が多いソーヴィニヨン・ブランを使った辛口白ワイン。「クラウディー・ベイ」は、世界的に有名なニュージーランドの生産者です。パッションフルーツやオレンジのような果実味が豊かで、後味でハーブのようなさわやかさを楽しめます。コクのある白ワインがお好きな方へおすすめです。
詳しく見る
5,170円
長野県産のカベルネ・ソーヴィニヨンを使って栽培・醸造されたおいしい一本。カシスやブラックベリーなどの黒系果実味が豊かで、バランスのいい渋味と酸味が味わえます。長期熟成することもできるので、思い出のワインとしてワインセラーで寝かせてみるのもおすすめですよ。
詳しく見る
10,450円
家族経営の小規模メゾンである「ラルノーディ・イロー」が手掛ける一本。こちらは黒ブドウであるピノ・ノワールが100%使われた、深みと複雑味がある白のシャンパーニュです。白桃や洋梨のようなボリューム感のある果実味、パンのようなイースト香が広がり、ゆったりとした時間を演出してくれる味わい。ワイン通の方へのプレゼントにもおすすめですよ。
詳しく見る
11,000円
フランス・ブルゴーニュ地方産、特級畑のブドウのみを使用したシャブリ。ミネラル感や柑橘系の風味のなかに、キリッとした後味と余韻の長いコクを楽しめます。特級畑で造られた、高級感のある上品な味わいのシャブリを飲んでみたい方へおすすめです。ワイン上級者の方へのギフトとして選んでも、きっと満足してもらえるはず。
詳しく見る
ワインの味わいの決め手は、ブドウ品種といっても過言ではないでしょう。飲んだことのないワインの特徴を知るためには、ブドウ品種から味わいを読み取ることが大きなポイントとなります。ご紹介したブドウ品種の特徴を参考にして、ワイン選びに役立ててみてください。
※商品情報や販売状況は2023年11月04日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
鏡開きにはどんな食べ物を食べる?行事の由来や、時期なども詳しく解説
食ナビチャンネル
お歳暮のおすすめギフトとは?グルメやおしゃれなスイーツ・お酒を紹介
食ナビチャンネル
寒中見舞いとは?意味・用途・時期・文例などの基礎知識やおすすめギフトを紹介
食ナビチャンネル
関西の鏡開きの時期はいつ?鏡開きの意味や由来、正しいやり方も紹介
贈りものナビ隊
正月飾りは使い回しできる?基本的なルールや適切な取り扱い方を解説
食ナビチャンネル
どんと焼きとはどんな行事?語源や由来、正しいやり方などを詳しく解説
食ナビチャンネル
喪中で迎える新年の挨拶マナーを解説!喪中はがき・寒中見舞いの書き方・例文も紹介
食ナビチャンネル
正月飾りの意味とは?概要と飾る場所、いつからいつまで飾るのかを解説
食ナビチャンネル
新年の挨拶の基本マナーを解説!年賀状の書き方ルールと相手別の例文も紹介
食ナビチャンネル
新年の挨拶はいつまでにすればいい?挨拶時に持参したいおすすめの手土産10選も紹介!
食ナビチャンネル