フランスの伝統的な焼き菓子カヌレは、バニラとラム酒の濃厚なコクがあり、表面はカリカリ、中はもっちりとした独特な食感が特徴です。この記事ではカヌレの歴史や基本の作り方に加え、おいしく食べるためのおすすめアレンジ方法もご紹介します。

「カヌレ」はフランス発祥の焼き菓子

大理石のような黒いボードに8個のカヌレが乗っている

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カヌレはフランスの伝統的な焼き菓子で、小ぶりな釣り鐘のような形と、しっかりした焼き色が特徴です。日本では1990年代に最初のカヌレブームが起こりました。ここ数年、再びブームが到来し、洋菓子店だけでなくコンビニでも見かけるようになりました。

「カヌレ」という名前の由来・意味。フランス語の綴りは?

カヌレはフランスのボルドー地区が発祥のお菓子で、正式名称は「カヌレ・ド・ボルドー(Cannele de Bordeaux)」といいます。カヌレはフランス語で「溝が付いた」という意味。名前の通り、カヌレの型には縦に12本の溝の模様が入っています。

カヌレの食感・味わい

カヌレは表面がしっかりと焼かれていてカリッとこうばしく、中はもっちりとした食感バニラの甘い香りとラム酒の芳醇なコクが特徴的な、大人向けの味わいです。

カヌレにはどんな種類がある?

一般的なカヌレはバニラとラム酒の風味を感じるお菓子ですが、チョコレート、抹茶、レモン、ココナッツなど、お店によって独自のフレーバーにアレンジしたものも多くあります。焼き上げたあとに、溶かしたチョコレートをかけて固めたカヌレも人気です。

カヌレの材料と作り方

小麦粉、卵、砂糖、バターでお菓子を作っている

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カヌレは、牛乳・バター・全卵・卵黄・小麦粉・砂糖・ラム酒・バニラビーンズなど、シンプルな材料で作られています。焦がしバターがたっぷりと入った生地を一晩ほど寝かし、蜜蝋やバターを内側に塗った専用のカヌレ型に生地を流し入れて、表面にしっかりと焼き色がつくまで焼き上げます。

材料も作り方もシンプルですが、中が空洞になってしまったり焦げてしまったりなどの失敗も多く、専用の型が必要なこともあり、お菓子初心者には難易度は高めかもしれません。

カヌレの由来・歴史

カヌレ発祥の地「ボルドー」は、赤ワインの生産地として有名です。

ボルドーではワインを醸造する過程で、不純物を取り除くために大量の卵白を使用する「コラージュ」という伝統的な作業があります。その作業で余った卵黄を活用するためにカヌレが生まれた、といわれています。

16世紀にボルドー地方の女子修道院で作られたのが、カヌレの始まりとの説が有力ですが、フランス革命の混乱の最中に資料は消失してしまい、カヌレの歴史にはいまだ謎が残っています。

なぜブームが起こった?カヌレが人気な理由

ボードの上に2段に積まれたカヌレが置かれている。奥にエスプレッソメーカーとカップ、キャンドルが置いてある

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日本国内では1990年代後半に第一次カヌレブームが巻き起こっています。その後、人気は一時下火になりましたが、最近になっておしゃれにデコレーションされたカヌレが登場し、SNSを中心に ''映えるスイーツ'' として第二次ブームが起こり始めたようです。

カヌレの基本レシピをチェック!

白い皿の上に半分に切られたカヌレがのっている

ここでは、カヌレの基本レシピをご紹介します。本来は型の内側には蜜蝋を塗りますが、こちらのレシピでは家庭で作りやすいよう、バターを使っています。生地を冷蔵庫でひと晩休ませることで余分な空気が抜けて、空洞になる失敗が防げますよ。

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カヌレのおいしい食べ方

白い皿の上にカヌレとデザートフォークがのっている

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カヌレは常温のまま、指でつまんで食べるのが基本の食べ方です。表面がかたくて食べにくい場合は、縦の模様に沿ってナイフでカットしてもいいですよ。本場フランスでは、中央の凹みに指を入れて縦に割いて食べることもあるそうです。

ここではそのまま食べる以外におすすめの、おいしい食べ方をご紹介します。

トースターで焼く

トースターで焦がさないように気をつけながら3〜5分ほど焼くと、表面がカリッとしてこうばしさが増し、焼きたてのような食感に。焼いてから少し時間をおくと、さらにカリカリになりますよ。

電子レンジで温める

ふんわりとラップで包んでから30秒ほど電子レンジで加熱すると、もちっとした食感になります。また、温めることでバターやバニラの香りがしっかりと感じられます。加熱しすぎると中がかたくなってしまうので、注意してくださいね。

冷蔵庫で冷やす

カヌレは冷やしてから食べてもおいしいですよ。中が引き締まり、もっちりとした食感になります。また冷やすことで甘味が控えめに感じられます。トースターで焼いて表面をカリカリにしてから冷やすと、カリカリともっちりの両方の食感が楽しめますよ。

トッピングをのせる

溶かしたチョコレートをかけて、砕いたナッツやドライフルーツをちらすと、見栄えのよいおしゃれなスイーツになりますよ。チョコレートはイチゴチョコや抹茶チョコなど、お好みのものでアレンジしてくださいね。

クリームを詰める

カヌレの底面に菜箸などで穴を開けてホイップクリームをしぼり入れると、食べ応えのある一品になりますよ。お好みのフルーツを添えると、簡単におもてなしスイーツの完成です。

アレンジを工夫してカヌレをおいしく食べよう!

そのまま食べてもおいしいですが、市販のカヌレにひと工夫加えると、さまざまな味わい方が楽しめます。ボルドー地方の濃厚な赤ワインとのマリアージュを楽しむのもおすすめですよ。お菓子作りが好きな方なら手作りにも挑戦してみてはいかがでしょうか。

※商品情報や販売状況は2023年02月27日時点でのものです。
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