傷みやすいいちごを長期間保存するなら、冷凍がおすすめです。この記事では、いちごを冷凍するメリットや具体的な方法を紹介します。冷凍いちごを使ったアレンジレシピも取り上げるので、旬のおいしいいちごを冷凍して作ってみてください。

いちごは冷凍したほうがいいの?冷凍保存の4つのメリット

保存袋からこぼれる冷凍されたいちご

iStock.com/Qwart

いちごは冬から春にかけてスーパーの店頭に並ぶ、季節の味覚です。新鮮ないちごは色鮮やかでジューシーですが、冷蔵庫に入れても数日ほどで傷んでしまいます。

いちごのおいしさを維持したまま長く保存したいのであれば、冷蔵保存よりも冷凍保存がおすすめです。その理由は、以下の4点です。

保存期間を延ばせる

いちごを冷凍することで保存期間が延ばせます。いちごは常温に置いていると細菌が繁殖し、数日で食べられなくなりますが、冷凍することで細菌の繁殖をおさえることができます。いちごを大量にもらって食べきれないときや、おいしいいちごを長く楽しみたいときは、冷凍保存がおすすめです。

栄養を保てる

いちごを常温や冷蔵庫で保存していると、時間の経過とともに栄養素が減少します。しかし冷凍することで、栄養素の減少スピードをおさえることが可能です。

野菜や果物は、収穫されてからも呼吸をして生きています。収穫後は自らの養分を消費して生きているため、栄養素が減少してしまうのです。栄養価を高く維持したまま長期間保存したいのであれば、冷凍するとよいでしょう。

加工しやすくなる

いちごを加工して使う場合は冷凍がおすすめです。冷凍したいちごを解凍すると、すぐに形が崩れて味がしみ込みやすくなるため、ジャムやスイーツなどが短時間で作れるため調理がらくになります。

「冷凍いちごはまずい」といわれることがありますが、それは解凍時にいちごの組織が崩れて中の水分が流出し、水っぽくなるから。一見デメリットのようですが、いちごを崩して使うレシピであれば問題なく使用可能です。

さまざまな食べ方ができる

いちごを冷凍すると、さまざまな用途に活用できて便利です。

スムージーを作るなら、冷凍したいちごをそのままミキサーにかけましょう。凍ったまま鍋で煮込めば、簡単にいちごジャムが作れます。半解凍させて、シャーベットにするのもおいしい食べ方です。半解凍の状態で牛乳の中でつぶすと、いちごミルクができあがります。

このようなアレンジを楽しめるので、使い道に困るいちごがあれば、一度冷凍するのがおすすめです。

いちごの冷凍保存はどれくらい日持ちする?

新鮮ないちごは水分が多くて傷みやすいため、常温では1〜2日、冷蔵庫にいれても2〜5日ほどしか保存できません。しかしきちんと処理して冷凍すると、約1ヶ月間保存できます。

家庭の冷凍庫はドアの開け閉めで温度が変わりやすいため、冷凍庫に入れた食品の品質も劣化しやすいことに注意してください。上記の保存期間は目安として、冷凍したいちごは早めに食べるようにしましょう。

いちごを冷凍保存する方法

いちごを上手に冷凍するには、いくつかポイントがあります。ここからは、いちごをそのまま冷凍する方法と、いちごをつぶしてから冷凍する方法のふたつの冷凍保存方法を紹介します。

いちごをそのまま冷凍保存する方法

ヘタがついたままのいちごを洗い、水気をよく拭き取ります。このときにいちごをよく見て、傷んでいるいちごがあれば取り除いておきましょう。ヘタを取り除いたら、冷凍用保存袋にいちごと砂糖を入れて、いちご全体に砂糖をまぶします。いちご1パックあたり、砂糖大さじ2杯が目安です。

保存袋に、いちごを重ならないように並べます。袋の中の空気を抜きながら、袋の口をしっかり閉じて冷凍庫へ入れましょう。

いちごのヘタは、いちごを洗ってから取り除くことがポイントです。ビタミンCは水に溶けやすいため、ヘタを取ってから水洗いすると、ヘタがあった部分からビタミンCが流出して失われる可能性があります。いちごの栄養を少しでもキープするために、気をつけたいポイントです。

つぶしたいちごを冷凍保存する方法

いちごは、つぶした状態でも冷凍保存が可能です。いちごミルクにするなど、いちごをつぶして利用するのであれば、冷凍前から処理しておくことをおすすめします。

いちごを水洗いして水気をよく拭き取り、ヘタを取り除きます。いちごを冷凍用保存袋に入れたら、袋の上から手でもんで、いちごをつぶしてください。好みの大きさにつぶせたら、袋の中の空気を抜きながら袋の口を閉じ、袋をできるだけ平らにして冷凍庫へ入れましょう。

2時間ほどたって少し凍った状態のときに、袋の上から菜箸などを押し当てて格子状に線を入れることをおすすめします。調理のときに線で割って、少しずつ使えるので便利です。

離乳食用につぶしたいちごも、冷凍保存しておくと役に立ちます。ただし手でつぶすのではなく、ブレンダーなどでしっかりペースト状にしてから冷凍しましょう。

いちごをおいしいまま冷凍するためのコツ

保存袋からこぼれる冷凍したいちご

iStock.com/Qwart

旬のいちごはジューシーで甘みがあり、食べると思わず笑顔になるおいしさですよね。冷凍しても、このいちごのおいしさをできるだけキープしたいものです。ここからは、いちごのおいしさを保ちながら冷凍するポイントを紹介します。

冷凍前に水気をきれいに拭き取っておく

いちごを水洗いしたら、キッチンペーパーなどで水気をよく拭き取りましょう。いちごに水気が残っていると、解凍したときに水っぽくなる原因になります。

冷凍前にいちご全体に砂糖をまぶす

いちごに砂糖をまぶしてから冷凍する理由は、いくつかあります。

いちごを冷凍すると味が落ち、その際にどうしても甘みが弱くなってしまうためです。砂糖を加えることで、甘みを補えます。ほかにもいちご同士がくっつくのを防いで取り出しやすくする、いちごが乾燥して品質が劣化するのを防ぐ、冷凍庫内での臭い移りを防ぐといった効果も期待できます。

急速冷凍をする

いちごを冷凍すると、いちごに含まれる水分が氷の粒を作ります。冷凍に時間がかかると氷の粒は大きくなる傾向があり、いちごの細胞を必要以上に壊してしまい、品質が劣化しやすくなります。

これを防ぐために、いちごを急速冷凍しましょう。できる限り早く冷凍して氷の粒の大きさを小さくとどめることで、細胞の破壊をおさえられます。冷凍庫に急速冷凍機能があれば利用してください。金属は熱伝導がよいので、金属製のトレーやバットにいちごを入れた保存袋をのせても、冷凍の時間を短縮できます。

簡単でおいしい!冷凍いちごのアレンジレシピ3選

いちごを上手に冷凍できたら、おいしく活用したいですよね。冷凍いちごを数分常温に置いて半解凍させれば、それだけでシャーベットのような冷たいスイーツとして食べられます。凍ったまま鍋に入れ、砂糖を加えて加熱すると、短時間でいちごジャムが作れます。

スイーツ作りも、冷凍いちごを使えば簡単です。ここからは、冷凍いちごを使ったおすすめのアレンジレシピを紹介します。

1. 冷凍いちごで簡単!スムージー

調理時間:5分
保存期間:冷蔵で2日

氷を加えなくてもよいのが、スムージーに冷凍いちごを使うメリットです。味が薄まらないので、いちごの濃厚な風味を楽しめます。ヨーグルトのさわやかな酸味も感じられて、朝食に飲めばすっきり目覚められるでしょう。いちごとはちみつの素朴な甘みもあるので、おやつに飲むのもおすすめです。

材料(1人分)

・冷凍いちご......100g
・牛乳......100cc
・ヨーグルト......50g
・はちみつ......大さじ1/2杯

作り方

1. 材料をすべてミキサーに入れて、なめらかになるまでミキサーを回します。
2. グラスに注ぎます。

短時間で完成。冷凍いちごジャム

調理時間:20分
保存期間:冷蔵で7日

通常のいちごジャムであれば、いちごに砂糖をまぶして水が出てくるまで置いておき、20分ほど煮込まなければなりません。しかし冷凍いちごなら、凍ったまま鍋に入れて加熱すれば短時間でジャムが作れます。

とろみをゆるめに仕上げれば、ヨーグルトやパンケーキなどのソースにも使えます。いちごの風味を活かすために砂糖の量は控えめなので、作ったジャムはできるだけ早く使い切りましょう。

材料(作りやすい量)

・冷凍いちご......1パック(250g)
・グラニュー糖......100g
・レモン汁......小さじ1杯

作り方

1. 冷凍いちごとグラニュー糖を鍋に入れて火にかけます。
2. 沸いたら弱火にして、ときどき混ぜながら10分ほど煮込みます。アクが出たら取り除きましょう。
3. レモン汁を加えて混ぜます。とろみがついたら火を止めて、清潔な保存容器に移します。

材料3つでふわふわ!冷凍いちごムース

調理時間:20分
保存期間:冷蔵で3日

マシュマロを使った、簡単に作れるいちごムースです。加熱に使うのは、電子レンジのみ。冷凍いちごはやわらかいので、泡立て器で混ぜるだけですぐにつぶれるのも、手軽に作れるポイントです。つぶしてから冷凍したいちごを使ってもよいですね。

いちご本来の甘みとマシュマロの甘みがあるので、砂糖なしでもおいしいスイーツが作れます。ホイップした生クリームを加えて軽い食感に仕上げたいちごムースを、ぜひ味わってみてください。

材料(作りやすい量)

・冷凍いちご......100g
・マシュマロ......100g
・生クリーム......100g

作り方

1. 耐熱ボウルに冷凍いちごを入れて、電子レンジ600Wで1分30秒加熱します。
2. マシュマロを加えて、電子レンジ600Wで1分30秒ほど加熱します。
3. マシュマロが膨らんできたら耐熱ボウルを取り出し、泡立て器でよく混ぜ、冷ましておきます。
4. 生クリームを7分立てにして、3に加えて混ぜ合わせます。
5. 器に移して、冷蔵庫で冷やし固めます。

いちごのおいしさをキープするなら冷凍がおすすめ

いちごのおいしさを長く保ちたいなら、冷凍保存しましょう。冷凍いちごを解凍するとやわらかい状態になるので、料理にも使いやすくなります。上手に保存するポイントをおさえて冷凍し、旬のおいしさをキープしましょう。

※商品情報や販売状況は2023年03月20日時点でのものです。
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