ライフスタイル&ヘルス2023/3/24 更新

魚の冷凍保存方法を解説。おいしく冷凍・解凍するコツとアレンジレシピも

健康のためにも、積極的に取り入れたい栄養素を含む魚。さまざまな調理法でおいしく食べられる重要なタンパク源ですが、その身はデリケートで傷みやすく、冷蔵保存では23日しか日持ちしないのが少し気になりますよね。魚を大量に手に入れた場合や大きい魚を買った場合は、期限内に食べられないことも......。そこでおすすめするのが、"冷凍保存"!2週間ほど日持ちするため、冷蔵保存に比べても長期保存に向いています。

この記事では、魚をおいしく冷凍・解凍する手順やコツ・アレンジレシピを紹介。魚の冷凍保存は、デメリットよりも利点が多いので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

魚の冷凍保存の3つの鉄則!臭みを抑えておいしさそのままに

調理した魚の乗った皿を持ち上げて目を瞑る女性

iStock.com/Deagreez

傷みやすい魚は冷凍保存がおすすめですが、肉に比べて身が繊細なため、冷凍・解凍の過程を経ると風味や食感が格段に落ちてしまったり、臭いが強く出てしまったりすることがあります。冷凍・解凍後も魚をおいしく食べるためには以下の3つの鉄則があるので、ぜひ冷凍保存前にチェックしてください。

1.魚はその日のうちに冷凍しよう

生もののなかでも特にデリケートで傷みやすい魚は、鮮度のいいうちに即冷凍が鉄則!時間が経ってしまうと、風味や食感が劣化した状態で冷凍することになります。解凍後の味に変化が生じることはもちろん、臭いがしたり食感が悪くなったりするため、食べ切れないと判断した時点で早めに冷凍しましょう。

2.なるべく急速冷凍しよう

急速冷凍が「おいしさの秘訣」といわれる理由は、食品を凍らせたときにできる食品内の氷結晶を小さくできるため。これにより、食品の細胞へのダメージを抑え、食感・味・色などの変化を低減できます。急速冷凍のコツは、凍りやすいように薄くすること。さらに金属製のバットなどを用いると、冷凍時間が短縮できます。

3.密閉保存袋などで密閉しよう

魚をおいしく冷凍保存するには、"密封"が大切。どの食品も空気に触れることで乾燥・酸化しますが、魚は特に繊細なため、より注意を払って密封することが重要になります。ラップで包んだだけでは空気に触れる可能性があるため、冷凍保存の際にはフリーザーバッグなどの密閉保存袋に入れて、空気を抜いて保存しましょう。

魚を「まるごと」冷凍保存する方法

氷の中にいる3尾のサーモン

iStock.com/Matveev_Aleksandr

時間がない場合や、どのような調理をするか決まっていない場合には「まるごと冷凍」がおすすめ!サンマやアジ、イワシなど、頭ごと使うことの多い魚に適した保存方法になります。

下処理方法

1. 頭・ウロコ・エラ・内臓などを取り除く
2. 流水で魚を洗い、残った血や汚れを流す
3. 魚の表面と開いたお腹に付いた水分を、キッチンペーパーなどでやさしく拭き取る

流水で洗う際には手早くおこないましょう。あまり時間をかけてしまうと、手の温度などで魚がぬるくなり、劣化が進むおそれがあります。また、浸透圧によって水っぽくなる可能性もあります。

さらに魚は身がデリケートなため、キッチンペーパーで水気を拭き取る際は、力を入れすぎずやさしくおこないましょう。

冷凍保存のやり方

1. フリーザーバッグなどに重ならないように入れる
2. 平らにならして、空気を抜くように密封する
3. 金属製のバットなどに置いて、平らなまま急速冷凍する

一尾ずつや一食分ずつなど小分けにしたい場合には、ラップでそれぞれを包んでからフリーザーバッグなどに入れて冷凍しましょう。可能な限り冷凍を早めるためには、金属製のバットなどが有効です。100円均一やオンラインショップでも手に入るので、ぜひチェックしてみてください!

新鮮な生魚なら、すり身にして冷凍するのもおすすめです。魚の身を包丁やフードプロセッサーで細かくし、フリーザーバッグなどに入れれば冷凍保存が可能です。揚げ物や焼き物、汁物など、幅広い料理に使えますので、ぜひお試しあれ。

「魚の切り身」を冷凍保存する方法

氷の上に並ぶスライスされたサーモンの切り身

iStock.com/zozzzzo

あらかじめ切り身だった場合、または、大きい魚で冷凍庫に入りきらない場合には「切り身で冷凍保存」がおすすめ。一食分で小分けしておけば、食べたいときに食べたい量だけを取り出せるため調理の際にも便利です。

下処理方法

切り身の場合は、魚の表面に付いた水分をキッチンペーパーなどでやさしく拭き取るだけでOK。簡単ですが、この一手間が非常に大事です。

魚の切り身の場合、"ドリップ"と呼ばれる食品中の組織液が魚の表面に付着していることがあります。ドリップとは、食品中に含まれる組織液が滲み出てきた液体のことです。食品が冷凍・解凍された際に細胞が破壊されることで発生します。スーパーなどに並ぶ魚の多くは大抵、水揚げ後に一度冷凍されていますので、切り身ではこのドリップが発生することが多いです。

ドリップは旨味成分のアミノ酸を豊富に含むものですが、放置しておくと微生物や菌が繁殖して、臭みが生じてしまうことも......。冷凍・解凍後もおいしく食べるためには、必ずドリップを拭き取るようにしましょう。

冷凍保存のやり方

1. フリーザーバッグなどに重ならないように入れる
2. 平らにならして、空気を抜くように密封する
3. 金属製のバットなどに置いて、平らなまま急速冷凍する

まるごと冷凍と同じく、一枚ずつや一食分ずつなど、小分けにしたい場合にはラップで包んでからフリーザーバッグなどに入れて冷凍しましょう。下味を付けた状態で冷凍すれば、解凍後に焼くだけでおいしい魚料理ができあがります。お弁当のおかずや朝食などに便利なので、ぜひトライしてみてください。

また、ほとんどの切り身は、焼いた状態で冷凍することも可能です。あらかじめ火を通しておけば、温め直すだけでOK!さらに、焼いた魚の皮と骨を取り除いてほぐしておけば、月齢に合わせて離乳食にも使えますよ。

「刺身用の魚」を冷凍保存する方法

白いトレーに入った刺身用のサーモンのサク

iStock.com/karimitsu

刺身用の魚を冷凍したあとは、加熱調理をしましょう。冷凍・解凍をおこなうと風味が落ちてしまうため、再び刺身として食べることはおすすめできません。

下処理方法

切り身の下処理方法と同様に、魚の表面に付いた水分をキッチンペーパーなどでやさしく拭き取りましょう。

こすってしまうと形が崩れたり、身がほぐれてしまったりする可能性があるので、軽く押さえるようにするのがベターです。

冷凍保存のやり方

1. フリーザーバッグなどに入れる
2. 平らにならして、空気を抜くように密封する
3. 金属製のバットなどに置いて、平らなまま急速冷凍する

手に入れた刺身用の魚が冊(さく)の場合は、冊のまま冷凍しましょう。あえて切ってしまうと、切り口から酸化・劣化が進み、解凍後のおいしさが落ちてしまいます。

解凍後は加熱調理が必須なので、あらかじめ下味を付けた状態で冷凍するのもよいでしょう。調味料に漬けて冷凍した場合は、約1ヶ月の保存が可能です。醤油・みりんを使って醤油漬けにしたり、味噌・砂糖を使って味噌漬けにしたりと、ぜひさまざまにアレンジしてお召しあがりください。

冷凍した魚の解凍方法

冷凍した魚の解凍方法は全部で5つ。それぞれ解凍にかかる時間やメリットの違いがありますので、ご自身の好みに合った解凍方法を選んでみてください。

常温で解凍する方法

常温解凍は、最も簡単な方法です。冷凍庫から必要量を取り出したら、常温で扱いやすい状態になるまで置いておきましょう。ただし、夏場や梅雨時期など温度・湿度の高い季節は菌が繁殖しやすくなるため避けた方がベターです。

冷蔵庫で解凍する方法

冷凍庫から必要量を取り出したあと、冷蔵庫に移すシンプルな方法です。解凍の際は、冷凍時に使用したフリーザーバッグなどの袋ごと移しましょう。おおよそ3時間では半解凍に、6時間以上では完全解凍の状態になります。解凍後、長時間放置してしまうと菌が繁殖するおそれがありますので、早めに使い切ってください。

流水で解凍する方法

流水解凍は、ドリップが出にくいおすすめの方法です。手順は大きめのボウルに、フリーザーバッグなどに袋ごと魚を入れて、流水に当てるだけ。魚のまわりから徐々に解凍されはじめます。半解凍がよければ、中心部分がまだ少し硬い状態で取り出せばOK。

氷水で解凍する方法

流水で解凍と同じく、ドリップが出にくい方法のひとつです。手順は大きめのボウルに氷水を張り、フリーザーバッグなどの袋ごと魚を入れて随時氷を足していきます。ゆっくりと解凍されるため、おいしさはキープされますが、ほかの解凍方法よりも時間がかかります。

電子レンジで解凍する方法

「すぐに使いたい!」という場合には、電子レンジでの解凍がベターです。魚の大きさや種類によって時間は異なるため、様子を見ながら少しずつ加熱時間を足すのがよいでしょう。特に初めて電子レンジで解凍する際には"一部分だけ焼けてしまった"というような加熱ムラが起こる可能性もあるため、慎重におこないしましょう。

冷凍前の魚をアレンジ!4通りの下味の付け方をご紹介

調理台の上の白い紙の上の香辛料とサーモンの切り身

iStock.com/OlenaMykhaylova

魚を冷凍保存するなら、下味を付けておくのがおすすめ!解凍して加熱すれば、あっという間においしい魚料理ができあがります。下味を付けた場合は、約1ヶ月の保存が可能です。お弁当や忙しい日に便利なので、ぜひ試してみてください!

醤油ベースのたれ

材料

魚の切り身......2切れ
......大さじ3
醤油......大さじ2
みりん......大さじ2

作り方

1. フリーザーバッグなどの保存袋に調味料を入れて合わせる
2.
魚の切り身を入れて、空気を抜くように袋を閉じる
3.
金属製のバットなどにのせて、冷凍庫に入れる

解凍したら、魚の表面に付いたたれを軽く拭き取り、油を敷いたフライパンで弱火で焼きます。火が通ったら、たれを加えて煮絡めればOK!お好みで砂糖や生姜を加えると、さらに本格的な味わいが楽しめます。

味噌ベースのたれ

材料

魚の切り身......2切れ
砂糖......大さじ2
みりん......大さじ2
味噌......大さじ2
生姜......10g

作り方

1. 生姜を45枚の薄切りにする。
2.
フリーザーバッグなどの保存袋に調味料を入れて合わせる
3.
魚の切り身を入れて、調味料が全体に行き渡るようにする
4.
空気を抜くように袋を閉じる
5.
金属製のバットなどにのせて、冷凍庫に入れる

調理のポイントは、魚・調味料を解凍せずにそのままフライパンに入れて加熱すること。水100gと酒100gを加えて落とし蓋をしたら、強火で加熱し、5分ほど煮ればあっという間にできあがります。

粕漬けのたれ

材料

魚の切り身......2切れ
......大さじ2
味噌......大さじ2
みりん......大さじ1
酒粕......60g
......少々

作り方

1. 魚に塩を振り、出てきた水分をキッチンペーパーなどで軽く拭き取る
2.
フリーザーバッグなどの保存袋に調味料を入れて合わせる
3.
魚の切り身を入れて、調味料が全体に行き渡るようにする
4.
空気を抜くように袋を閉じる
5.
金属製のバットなどにのせて、冷凍庫に入れる

味を染み込ませたいなら、23日は冷凍保存しておくとよいでしょう。解凍したら、魚の表面に付いたたれを拭き取り、フライパンで弱火で焼きます。焦げつきやすいため、必ず様子を見ながらおこなってくださいね。

塩麹漬けのたれ

材料

魚の切り身......2切れ
塩麹......100g
......少々

作り方

1. 魚に塩を振り、出てきた水分をキッチンペーパーなどで軽く拭き取る
2.
フリーザーバッグなどの保存袋に魚の切り身と塩麹を入れる
3.
塩麹が全体に行き渡るようにする
4.
空気を抜くように袋を閉じる
5.
金属製のバットなどにのせて、冷凍庫に入れる

味が染み込むまで少し時間がかかるので、最低でも1日は冷凍保存しておくことがおすすめです。冷蔵庫で解凍したら、粕漬けと同様に魚の表面に付いたたれを拭き取り、フライパンで弱火で焼きます。こちらも焦げつきやすいため、様子を見ながら火加減を調整してください。

魚を日持ちさせるなら冷凍保存

魚は、冷蔵保存では23日が日持ちの期限なのに対し、冷凍保存では2週間保存することができます。また、下味を付けていれば調理に便利なだけでなく、約1ヶ月保存ができますよ。焼き魚や煮魚など、加熱調理するのであれば、ぜひ冷凍保存を活用してみてください!

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※商品情報や販売状況は2023年03月24日時点でのものです。
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