ライフスタイル&ヘルス2023/5/16 更新
味噌といえば、日本の食卓に欠かせない定番調味料です。では「どんな種類の味噌を使っているの?」と聞かれたときに、はっきりと答えられますか?味噌の種類については、知っているようで意外と知らないもの。この記事では、味噌の種類や特徴、個性豊かな地域の味噌についてご紹介します。
味噌は千年以上もの間、日本の食生活を支えてきました。大豆に麹や塩を加えて作る伝統的な発酵食品で、味噌汁や焼き物、煮物、鍋物などに使うのが定番です。
スーパーマーケットの味噌売り場には麦味噌、辛口味噌、赤味噌、信州の味噌......といったように実にさまざまな種類の味噌が並んでいます。種類が多くてどれを選んだらよいのか迷ってしまいますよね。
そもそも、味噌の種類とはどのように分けられているのでしょう。味噌はまず「原料」「味わい」「色合い」「地域」によって分類されます。さらに、それぞれの分類ごとにいくつかの種類に分けられているのです。以降で分類方法ごとに味噌の種類を見ていきましょう。
味噌は原料の麹の種類により「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」に分類され、さらに複数の味噌を混ぜ合わせた「調味味噌」という種類もあります。
原料は大豆と米麹、そして塩。クセのない味わいが特徴で、米味噌の産地は日本全国に分布しています。塩分濃度は5~13%のものが大半です。
大豆に麦麹、塩を加えて作られる麦味噌は、甘味のある味わいが特徴。主要な産地は中国・四国・九州地方で、塩分濃度は9~13%程度です。
大豆に豆麹、塩を加えて作られるのが豆味噌です。愛知、三重、岐阜といった中京地方を中心に作られ、力強い味わいが特徴的。塩分濃度は約10~12%です。
米味噌、麦味噌、豆味噌を複数混ぜ合わせたり、複数の麹を混合したりして作られる味噌を調合味噌と呼びます。マイルドな味わいのものが主流です。
味噌は味のタイプにより「辛口味噌」「甘口味噌」「甘味噌」の3つに分類されます。甘さや辛さを決めるのは、塩分量と麹歩合(こうじぶあい)の違いです。
麹歩合とは原料の大豆に対する麹の比率のこと。塩分量が多く麹歩合が少ないほど辛口に、塩分量が少なく麹歩合が高いほど甘口になります。
大豆の濃厚な旨味が感じられ、すっきりとした味わいのものが大半です。塩分濃度は12%前後。
まろやかなやさしい甘味が特徴的。塩分濃度は10%前後です。
塩分控えめで、しっかりとした甘味があります。塩分濃度は6%前後。
味噌は仕上がりの色合いにより「赤味噌」「白味噌」「淡色味噌」の3つに分類されます。色合いに差が出る理由は、原料や製造方法などの違いに加え、メイラード反応によるものです。
メイラード反応とは、発酵や熟成中に味噌に含まれるアミノ酸が糖と反応し、褐色に変化すること。醸造期間が長く、メイラード反応が進んだ味噌ほど色合いが濃くなる傾向にあります。
白味噌はまろやかな甘味があり、赤味噌はコクと旨味がしっかり感じられ、淡色味噌はその中間の味わいと考えればOKです。
南北に長い日本では、気候や食文化の違いにより、各地で地域色豊かな味噌が作られています。生まれ育った地域の味噌が一番好きという方も多いのではないでしょうか。
全国的には米味噌の生産割合が高く、中国・四国・九州地方では麦味噌、中京地方では豆味噌が主流です。また、寒い地域では辛口味噌、暖かい地方では甘口味噌が多く作られます。
その土地の伝統が息づいた味噌には、地域の名やゆかりの名が付けられているのが特徴です。
冷涼な気候に合わせ、北海道では独自の味噌作りが発展しました。長期熟成型の赤味噌が多く作られ、辛口に分類されるものの辛味はさほど強くなく、風味はマイルド。鍋物や汁物など、味噌を使ったいろいろな料理にマッチします。
赤味噌の代表格といえるのが、仙台味噌です。伊達政宗公によって兵糧用に自給生産された味噌が発祥とされ、伝統製法が今に受け継がれています。長期熟成タイプの辛口で豊かな風味があり、味噌汁や味噌焼きなどに向いています。
淡色味噌の辛口タイプ。全国で生産されている味噌の半分近くを占めるのが、信州の味噌です。武田信玄公が兵糧として味噌を作らせて以来、味噌作りが盛んになりました。さっぱりとした旨味と芳香があり、どんな料理にも合わせやすい万能型です。
関西白味噌とは、関西地方で作られる短期熟成タイプの白味噌の総称。淡い黄色みを帯びており、麹歩合が高く、甘味噌に分類されます。独特の甘味を生かし、魚や肉の味噌漬けや雑煮、田楽、粕汁などを作るのにもってこいです。
徳島名産の御膳味噌は麹歩合が高く、甘口の赤味噌が基本。豊かな味わいとコク、香りのよさが特徴です。蜂須賀(はちすか)公の御膳に供されたことが、名前の由来。味噌汁、炒め物、鍋物などさまざまな料理に使えます。
愛媛県や山口県、広島県といった瀬戸内地域で生産される麦味噌で、淡色味噌に分類されます。麦麹の歩合が高く、さらっとした甘味と麦の豊かな香りが魅力です。焼きおにぎりにすると芳ばしさが引き立ち、野菜や肉料理とも好相性。
鹿児島県で作られる麦味噌は薩摩味噌と呼ばれ、甘口で淡色。麦の甘さを引き出すため、熟成期間は比較的短めです。麦の香りがさわやかで、麹粒が残っているタイプが多いのも特徴のひとつ。郷土料理である薩摩汁は薩摩味噌で作るのが定番です。
九州地方で作られる麦味噌は、麹歩合が高く、麦の風味が濃厚です。甘口・淡色タイプが主流ですが、北部では辛口・赤色タイプの麦味噌も多く作られています。冷や汁やもつ鍋といった郷土料理や家庭料理にも、九州麦味噌は欠かせません。
東海地域で生産される豆味噌の総称。地域によって八丁味噌、三河味噌、三州味噌などと呼ばれます。豆のしっかりとした旨味に加え、ほのかな渋味や苦味を伴うのが特徴的。味噌煮込みうどんや味噌おでんなどでもおなじみで、独特の風味が味にアクセントを与えます。
味噌は1種類だけ常備しているという方が多いかもしれませんが、食べ慣れた味噌以外に、特徴の異なる味噌をそろえておくのもおすすめです。ブレンドして好みの味を見つけたり、日によって味噌の種類を変えてみたりすると、味わいのバリエーションが広がりますよ。味噌の奥深さをぜひ実感してみてくださいね。
※商品情報や販売状況は2023年05月16日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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