ライフスタイル&ヘルス2023/5/17 更新
香典返しをいつ贈ればよいか悩んでいる方に、宗教・宗派ごとの一般的な時期を紹介します。香典返しが不要となるケースや香典返しの品物の選び方、掛け紙や表書きのポイントも解説。大切なポイントをおさえて失礼のないように香典返しを贈りましょう。
香典返しとは、お通夜やお葬式でお供えしていただいた香典に対して、お礼の気持ちを込めて贈る返礼品です。
従来は香典をお供えしてくださった方に対し、直接香典返しを持参して手渡すのが一般的でした。近年では、ひとりひとり手渡しすることがむずかしくなっており、挨拶状を添えて配送するのが一般的となっています。
命日から数えて四十九日目は、故人が成仏する節目にあたります。その時期におこなわれる「四十九日法要」をもって、遺族が喪に服す期間が終わる「忌明け」となるため、香典返しは忌明け後に贈るのが一般的です。
香典返しには、四十九日法要が済んだ旨と、葬儀に参列していただいたお礼をしたためた挨拶状を必ず添えましょう。
当日返しとは、告別式の当日に香典のお返しをする習慣です。北海道では遠方から葬儀に参列することが多く、負担を減らす意味で告別式と四十九日法要をまとめておこなうのが主流です。香典返しも、香典の金額にかかわらず一定の金額の品物を用意してお返しします。
そのほかの地域では、東北や関東、中部地方の一部地域でも当日返しの習慣があります。高額な香典をいただいた場合は、忌明け後にあらためて金額相応の返礼品を郵送するのが一般的です。
前述のとおり、香典返しを贈る時期は、遺族が喪に服する期間を終えた忌明け後が一般的です。ただ宗教・宗派によっては、忌明けの時期が異なる、忌明けのしきたりがないなどのケースがあります。ここでは宗教・宗派ごとの、香典返しを贈るのに適した時期を紹介します。
故人が亡くなって四十九日目を節目として、遺族が喪に服する期間が終わる忌明けとなり、四十九日法要が済んだあとに香典返しを贈ります。
仏式のなかでも浄土真宗では「亡くなったらすぐに仏さまになる」という考え方があり、四十九日を待たずに香典返しを贈ります。具体的には、初七日を終えて1ヶ月程度を目安に贈るのが一般的です。
神式では「霊祭」が仏式の法要にあたります。葬儀の翌日に翌日祭を執りおこない、以後、故人がなくなって10日ごとに十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭と続きます。五十日祭が忌明けにあたるため、五十日祭を執りおこなったあとに香典返しを贈ります。
キリスト教では、仏式のような忌明けや香典返しのしきたりはありません。ただし、プロテスタントでは亡くなって1ヶ月後の召天記念日のあと、カトリックでは三十日目の追悼ミサのあとに、挨拶の贈り物をするのが一般的です。
会葬御礼とは、お通夜や葬儀に参列していただいたことに対する感謝の気持ちとして渡す返礼品です。香典の有無や金額に関係なく、参列していただいたその日にすべての弔問客に渡します。
香典返しは香典をお供えしていただいたことに対する返礼品で、忌明け後、いただいた香典の金額に応じた品物を贈ります。
会葬御礼はお通夜・葬儀の当日にすべての弔問客に渡すのに対し、香典返しは後日、香典をいただいた方に贈るという違いがあります。
いただいた香典の金額によって異なるケースがありますが、香典返しの全国的な相場は半返しです。従来は、関東では半返し、関西では3分の1返しが主流でした。しかし近年では全国各地から参列者が訪れるケースも増え、関西でも半返しの習慣に変化しています。
葬儀では、故人との関わりが深かった場合に高額な香典をいただくケースがあります。また、親族からは、葬儀代や今後の生活に活用してほしいなどの理由で、高額な香典をいただくこともあります。
援助の気持ちから高額な香典をいただいた場合、香典返しは半返しにこだわらなくても差し支えありません。半返しはかえって失礼にあたるケースもあるため、忌明け法要後、3分の1程度の品物をお返ししましょう。
香典返しが不要となるのは、弔電のみいただいた場合やお悔やみの手紙のみいただいた場合です。故人の遺志や遺族の意志により寄付をした場合も、香典返しは必要ありません。その際は会葬礼状に寄付をした旨を明記しましょう。
香典返しを辞退された場合も不要ですが、後日、ご挨拶状やお礼状を送付します。一家の稼ぎ手を失くした場合や、子どもがまだ小さいなど経済的配慮から不要となるケースもあります。
地域の習慣や会社の規定などの理由で、香典返しを辞退されるケースがあります。この場合は、香典返しを贈らなくても差し支えありません。忌明け後に、滞りなく四十九日法要を執りおこなった報告と、香典をいただいた感謝の気持ちを記した挨拶状を送りましょう。
もしお礼をしたい場合は、違う形でお礼の気持ちを伝えます。職場であれば小分けできるお菓子を贈ったり、親族であればお中元やお歳暮の品物を贈ったりしてもよいでしょう。
香典返しを配送する際は、必ずお礼状や挨拶状を添えましょう。香典をいただいたことに対するお礼の言葉、故人の名前や喪主の名前、四十九日法要を無事終えたことを明記します。
本来であれば手渡しで渡すのが礼儀であること、略儀でお礼を述べることへのお詫びも記しましょう。挨拶状の差出人は喪主の名前を書くのが一般的です。
香典返しには必ず掛け紙をかけます。持参する場合は外のし、配送する場合は、掛け紙に傷がついたり汚れたりしないように内のしが基本です。
仏事全般で使用されるのは、黒白結びきりの掛け紙が一般的です。仏式では蓮柄の入ったものを使うこともあります。関西から西日本、北陸では黄白結び切りを使うのが主流です。
掛け紙と同じように、表書きの書き方も宗派や地域によって異なります。仏式全般は「志」と書きますが、神式・キリスト教式では「偲び草」、関西・西日本・北陸では「満中陰志」、中国・四国・九州の瀬戸内海側では「茶の子」が一般的です。
わからない場合は、身内や親族に事前に確認しておきましょう。
香典返しに適した品物は、不祝儀を残さないという考え方から、あとに残らないものがよいとされます。お茶や海苔、お菓子や洗剤、タオルなど、すぐに使えて残らないものがおすすめです。
近年では、もらった側がほしい品物を選べるカタログギフトも人気です。
香典返しを贈る時期は宗教・宗派によって違いがありますが、喪が明けたとされる忌明け後が一般的です。香典返しのポイントと贈る際のマナーをしっかりおさえて、香典をお供えしていただいた方に感謝の気持ちを伝えましょう。
※商品情報や販売状況は2023年05月17日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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