お肉は、多めに購入して小分けに冷凍するなど上手に保存することによって、お得に活用できる食材です。ただし誤った方法で冷凍してしまうとお肉がおいしくなくなってしまうため、注意が必要です。

この記事では、お肉の冷凍に関する不安や疑問を解消したい方に向けて、正しい冷凍方法や解凍方法・下味の付け方などをご紹介します。

肉の冷凍保存期間の目安

豚の薄切り肉が発泡スチロールのトレイに入っている

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まとめ買いをすることが多いお肉。牛・豚・鶏と、それぞれ冷凍保存期間に違いはあるのでしょうか?それぞれの冷凍保存期間の目安をみていきましょう。

牛肉の冷凍期間の目安

牛肉は、豚肉や鶏肉と比較してもっとも冷凍保存期間が長いのが特徴です。

薄切りやブロック肉、ステーキであれば約3週間〜1ヶ月はもちます。ひき肉にした場合は3週間ほどで使い切るようにしましょう。

豚肉の冷凍期間の目安

豚肉も牛肉同様、冷凍保存期間が長いため、まとめ買いに適しています。薄切り肉、ブロック、ステーキなどは約3週間ほど冷凍保存できます。ひき肉にした場合は2週間ほどで使い切るようにしましょう。

鶏肉の冷凍期間の目安

鶏肉は、牛肉や豚肉と比較すると冷凍保存期間がもっとも短く、もも肉・ささみは2〜3週間、ブロック肉は3週間〜1ヶ月のうちに使い切る必要があります。その理由は、鶏肉はほかの肉に比べて水分の含有量が多く、食中毒の原因になるサルモネラ菌が繁殖しやすいためです。ひき肉にした場合は2週間ほどで使い切るようにしましょう。

ひき肉の冷凍期間の目安

前述したとおり、どの種類の肉であってもひき肉の場合は冷凍保存期間が短くなります。空気に触れる面積が大きくなるほど品質が落ちやすいためです。まとめ買いを検討する場合は、冷凍保存期間を考慮して購入するようにしましょう。

【種類別に解説】基本のお肉の冷凍・解凍方法

ラップされた肉を冷凍保存しようとしている

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豚肉の冷凍・解凍方法

豚もも

ドリップが出ている場合は、キッチンペーパーなどで水分をふきとったうえでぴったりとラップで包み、さらにジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存しましょう。

豚ロース

豚ステーキやとんかつ用の厚めの豚ロース肉は、筋切りなどの下処理を終わらせたうえで1枚ずつラップで包んで冷凍保存しましょう。とんかつ用に冷凍する場合は、衣をつけた状態まで下準備を済ませておくと、解凍せずに油で揚げることができるため、時短にも繋がりますよ。

鶏肉の冷凍・解凍方法

鶏もも

ドリップが出ている場合は、ほかの肉同様にキッチンペーパーなどで水分を拭き取ります。1枚ずつラップする場合は、ぴったりとラップで包んだあとに、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存しましょう。

切って冷凍する場合は、お好みの大きさに切り分けてから、前述した方法で保存します。下味をつけて冷凍すると、唐揚げにもすぐ使用できるのでおすすめです。

鶏むね

傷みやすい鶏むね肉は、購入後すぐに冷凍するのが基本です。まずは表面の水気をペーパータオルでふきとりましょう。

そして、解凍後にパサパサしてしまうのを防ぐために、鶏むね肉1枚に対して砂糖小さじ1/2・塩小さじ1/4・こしょう少々を表面にふり、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存しましょう。ひと手間を加えるだけで、解凍後もやわらかい肉質を保持することができますよ。

鶏胸肉を解凍する際は、冷蔵庫で7〜8時間自然解凍させるか、流水で解凍するとおいしさを逃しません。

ササミ

ササミは、一度レンジ加熱してから冷凍するのがおすすめ。ペーパータオルで水気をふきとったら、ササミを耐熱容器にならべて、塩・こしょう各少々、砂糖小さじ1/2、酒小さじ2をふり、手でなじませると、解凍後もやわらかい肉質を保持することができます。そのあと、​​ふんわりとラップをして600Wの電子レンジで約2分30秒ほど加熱。

加熱後はレンジ内でそのまま5分ほど置き、余熱で火を通してから、外に出して冷まします。粗熱がとれたら、ササミを食べやすい大きさに手でさき、ラップで小分けに包んでからジッパー付き保存袋に入れて冷凍しましょう。

スープや炒め物に使用する場合は、冷凍されたまま使用することができ、サラダなどにトッピングする場合は、自然解凍か、600Wの電子レンジで40秒ほど加熱してから使用しましょう。

牛肉の冷凍・解凍方法

水分がある場合は、キッチンペーパーなどで水分を拭き取るります。小間切れ肉であれば塊で、薄切り肉であれば1枚ずつラップで包むなどして、使いやすい分量ごとに冷凍保存しましょう。ほかにも下味をつけて冷凍したり、ハンバーグのように調理してから冷凍したりすることで、時短にも繋がりますよ。

ひき肉の冷凍・解凍方法

ひき肉は、購入後すぐに冷凍するのが鉄則。小分けにしてラップで包むことで、ドリップも出るのを防ぐ効果があります。ひき肉を包む際は、肉が酸化する原因となる「空気」に触れないように、ラップでぴったりと包むのがポイント。また、冷凍庫の幅を取らないように、できるだけ平たく包みましょう。

肉の冷凍保存の注意点

ジッパー付き保存袋にいれた肉を冷凍庫にて保管している

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肉を冷凍保存する際は、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。気をつけるべき注意点を4つご紹介します。

鮮度の高いうちに冷凍する

鮮度が落ちている肉を冷凍しても、おいしく解凍できません。購入時に"赤いドリップが出ていない新鮮なお肉"を選ぶのはもちろん、購入後はなるべく早く冷凍しましょう。また、肉の水気をふきとってから冷凍保存しましょう。

小分けにして冷凍する

ブロック肉のように厚みのある肉は、解凍するのに時間がかかります。そのため、あらかじめ小さく・細かく切ってから冷凍するのがおすすめ。おいしさを逃がさないだけでなく、解凍に時間を要さず、時短にもつながりますよ。

急速に冷凍する

急速冷凍をすることのメリットは、おいしさを閉じ込めた状態で冷凍できる点にあります。冷蔵庫に「急速冷凍」の機能が備わっている場合はすすんで利用し、そうではない場合は金属製のトレイに重ならないようにのせ、たいらにして冷凍保存しましょう。

パックのまま冷凍庫に入れない

基本的に、市販の肉は発泡スチロールのトレイに入れられて販売されています。しかし発泡スチロールは断熱性が高いため、冷凍するのには適していません。また、肉のまわりに空気が含まれていると酸化が進んでしまい、傷む原因になります。冷凍保存する際は、トレイから出して、清潔な器具を使ってラップやジッパー付き保存袋に入れるなどしましょう。

冷凍した肉のおいしさを保つ解凍方法は?

ひき肉を皿に乗せて電子レンジで解凍している

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気をつけて冷凍保存した肉であっても、誤った解凍方法ではおいしく食べることができません。それでは、肉のおいしさを残したまま解凍するにはどういった点に注意すれば良いのでしょうか。

冷蔵庫で解凍する

冷凍した肉は、冷蔵庫にうつして6時間ほどで解凍できます。解凍時間に時間はかかるものの、おいしさを保持したまま解凍できるため、調理する前日の夜や当日の朝に冷蔵庫に移しておくとよいでしょう。

半解凍のうちに使用することで、肉のドリップが出てくるのを防ぐこともできます。適度な解凍加減を見分けて調理してみてくださいね。

流水で解凍する

肉を保存袋などにうつして、流水に当てて解凍するのも良いでしょう。冷蔵庫で解凍するよりも短い時間で解凍することができるうえに、おいしさを残した半解凍の状態にしやすいのが利点です。

急いでいる場合は電子レンジでもOK

すぐに解凍したい場合は、電子レンジで温める方法もあります。肉のラップをとったら耐熱容器にうつし、低めのワット数で様子を見ながら少しずつ加熱しましょう。電子レンジに「解凍モード」がある場合は、積極的に利用しましょう。

解凍後のお肉をおいしく食べるテクニック・焼き方

牛ステーキをじゃがいもやにんじんと合わせて焼いて皿に盛り付けられている

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「解凍後の肉をおいしく食べたい!」そんな方におすすめしたい調理方法をご紹介します。

解凍後のステーキ肉をおいしく食べるテクニック

ステーキなどのブロック肉は凍ったまま焼き始めましょう。冷凍ステーキ肉は解凍する途中でドリップが出てしまい、旨味が逃げてしまいます。しかし、凍ったまま焼くことで旨みを逃すことなくジューシーに仕上げることができます。焼く際は、強火で蓋をして焼き始め、まずは蒸し焼きに。焼き色をつけつつ、肉の中心まで火が通るようにしましょう。

解凍後の冷凍ハンバーグをおいしく食べるテクニック

冷凍したハンバーグは、タネの状態のままか、焼いてから冷凍したものかどうかで調理方法が異なります。

タネの状態のものは、冷凍肉同様に冷蔵庫か流水で解凍しましょう。焼いた状態のものは、凍ったままフライパンで蒸し焼きにすると旨みを逃さずに調理できますよ。

解凍後の鶏もも肉をおいしく食べるテクニック

解凍後の鶏もも肉の水気をふきとって、皮目を下に身の厚い部分をそぐように開き、オリーブオイルで皮目からカリッと焼きます。その後、蒸し焼きにして全体に火を通すことで満遍なく焼いた鶏肉に仕上がります。お好みの野菜とあわせて蒸し焼きにしてもおいしく食べることができますよ。

正しく冷凍保存、解凍をして肉をおいしく食べよう

お得に購入できるまとめ買いの肉や、食べきれなかった肉も、正しく冷凍・解凍しなければ、おいしさを保ったまま食べることができません。空気に触れることが多いほど、酸化しておいしさが失われていってしまいます。清潔に、かつスピーディーに冷凍保存をして、冷凍肉を上手に使いましょう。

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※商品情報や販売状況は2023年07月20日時点でのものです。
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