季節の移ろいを感じさせる言葉のひとつが「立夏(りっか)」。立夏とはいつなのか、どんな意味があるのかご存じですか。この記事では、由来を含め、立夏について詳しくご紹介します。この時期ならではの特徴や行事、旬の食べものについてもぜひチェックしてくださいね。

2024年(令和6年)の「立夏」はいつ?

青空のもと太陽の光が新緑の葉に射しこんでいる様子

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立夏とは二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつ。二十四節気とは春夏秋冬をそれぞれ6つに分け、一年を二十四の節気に分割し、季節の目安となる名称を付けたものです。

たとえば、立夏のひとつ前の節気は、雨が穀物を潤すという意味の「穀雨(こくう)」、立夏の次の節気は、万物が天地に満ちることを表す「小満(しょうまん)」です。

ひと口に立夏といっても、立夏に入る日を指す場合と、立夏から次の節気である小満の前日までの約15日間を示す場合があります。

2024年(令和6年)の立夏......5月5日、または5月5日~5月19日

立夏の日付はどうやって決められるの?

緑の背景に置かれた2024年5月の卓上カレンダー

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立夏をはじめ、二十四節気の日付は毎年、太陽と地球の位置関係に基づき国立天文台が定めています。立夏の日付は年によって異なりますが、2039年までは以下の通りです。

・閏年(うるうどし)の前年......5月6日
・閏年以外の年......5月5日

2024年は2月が29日まである閏年。そのため、2023年の立夏は5月6日でしたが、2024年の立夏は5月5日です。

そもそも立夏とは?どんな時期なの?

青空のもと、新緑に木漏れ日が差し込んでいる様子

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立夏の「立」とは中国語で「始まり」という意味。文字通り、立夏とは夏の始まりを表しています。5月5日頃から約15日間の立夏の期間は、爽やかな新緑のシーズン。とはいえ、現実には初夏のような日もあれば、意外と寒い日もあります。

もともと、二十四節気は古代中国の黄河流域で作られた季節区分。日本には飛鳥時代の頃に暦とともに伝わったとされています。黄河流域は日本の東北北部と同緯度にあるため、南北に長い日本とは、気候や気温の感覚にどうしてもズレが生じてしまうのです。

立夏と夏至の違い

二十四節気では、夏を「立夏」「小満」「芒種(ぼうしゅ)」「夏至(げし)」「小暑(しょうしょ)」「大暑(たいしょ)」の6つの節気に分けています。

なかでもよく耳にする言葉といえば、立夏と夏至ではないでしょうか。同じ夏の節気とはいえ、立夏と夏至では時期や意味も異なります。

・立夏の時期と意味......5月5日頃。夏の始まりという意味
・夏至の時期と意味......6月21日頃。一年でもっとも昼が長い日という意味

立夏を3つに分けた「初侯・次侯・末侯」

青空と緑と田んぼが織り成す田園風景

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二十四節気をさらに3分割し、1年を七十二に分けたものを七十二候(しちじゅうにこう)といいます。

約15日間ある節気を約5日ごとに「初候(しょこう)」「次候(じこう)」「末候(まっこう)」と区切り、季節の変化をよりきめ細かく表現。その時期ならではの生物の行動や自然現象にまつわる名が付けられているのが特徴です。

<2024年の立夏の初候、次候、末候の日付と名称>

・立夏の初侯......5月5日~9日
 「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」
 蛙(かえる)が水田で鳴き始める頃のこと

・立夏の次侯......5月10日~14日
 「蚯蚓出(みみずいづる)」
 ミミズが地上に出てくる頃のこと

・立夏の末侯......5月15日~19日
 「竹笋生(たけのこしょうず)」
 たこのこが生えてくる頃のこと

立夏の過ごし方や行事・旬の食べものとは?

かごの上に盛られたたけのこや山菜類

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立夏の時期は新緑が生いしげり、好天にも恵まれ、夏の気配が色濃く感じられます。気温が高くても湿度が低いため、森林浴やハイキング、キャンプなどお出かけするにはぴったり。

また「子どもの日」や「母の日」など家族への思いを深める行事があるほか、全国で田植えの神事や豊作を願うお祭りがおこなわれます。

この時期は旬の食材も目白押し。特に生のたけのこを食べられるのは、この時期ならではの楽しみです。新じゃがいもやそら豆も出回る頃で、海藻類、山菜類なども見逃せません。

立夏ならではの季節の移ろいを感じてみよう!

暦の上では夏の始まりを告げる立夏。二十四節気や七十二候には、気候の変化を予測する古来の知恵が詰まっています。この時期、蛙やミミズといった生物の動きや自然の変化にも目をとめてみませんか。小さな季節の変化を感じながら、心豊かにお過ごしくださいね。

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※商品情報や販売状況は2024年01月10日時点でのものです。
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