おでんや納豆には、ツンと辛い「からし」が欠かせないという方も多いはず。しかし「和からし」「洋からし」「練りからし」といった言い方もあり、それぞれ何が違うのか、また「マスタード」との違いは何なのか気になりませんか。この記事で詳しく解説します。

マスタードはからしの一種って知ってた?

一般的に、からしは「和からし」と「洋からし」のふたつに分類されます。そして、洋からしがいわゆる「マスタード」のこと。

からしを作る際は、アブラナ科の「からし菜」の種子が用いられますが、和からしと洋からしでは、材料となる種子の種類と製造方法がそれぞれ異なります。詳しくは後述するので、ぜひチェックしてください。

からし(和からし)

白色の皿におでんが盛られ、皿の端にはからしが付けられている。

iStock.com/bonchan

通常、「からし」と言えば「和からし」のこと鼻に抜けるような辛みが特徴で、おでんや豚の角煮などに少量を添えて薬味のように使われます。スーパーでよく見かけるのは、粉末タイプの「粉からし」とチューブ入りの「練りからし」です。

市販のチューブタイプの場合、「本からし」と呼ばれる商品も販売されていますが、これは和からしと洋からしを調合したもので、辛みを抑えた味わいとなっています。

マスタード(洋からし)

マスタードはホットドックやハンバーガーに使われ、マイルドな辛みが特徴です。クリーミーで鮮やかな黄色のイエローマスタード、プチプチとした食感が楽しめる粒マスタード、はちみつ入りのハニーマスタードなどさまざまな種類があります。

また、乾燥させたからし菜の種子であるマスタードシードを油で熱すれば、料理に香りと風味を加えることが可能です。

からしとマスタードの違い

では、ふたつを「原材料」「製造方法」「辛さ」の観点から違いを見ていきましょう。

原材料

前述のとおり、からしもマスタードも「からし菜」の種子から作られますが、それぞれ違う種類の種子が使われます

からしに使われるのが「オリエンタルマスタード」。一方、マスタードには「ホワイト(イエロー)マスタード」や「ブラウンマスタード」「ブラックマスタード」といった種子が用いられます。

製造方法

からしの場合、種子から油分を取り除いてすり潰したものが「粉からし」と呼ばれます。粉末のものを水で溶いて練ると「練りからし」です。

一方マスタードの製造では、種子に砂糖や酢、ワインなどが加えられます。マスタードの種類によって、種子をすり潰して練ったり、粒感を残したまま加工したりするのが特徴です。

辛さ・味わい

からしは、少量で強い刺激と辛みがあります。その理由は、種子(オリエンタルマスタード)に含まれる辛みのもととなる成分には、粉末にして水を加えると辛くなる特性があるためです。

マスタードは、マイルドな辛みで鼻に抜ける香りもありません。これは、主な原材料であるホワイト(イエロー)マスタードシードは辛みが穏やかであるうえに、製造過程で砂糖や酢などの調味料が混ぜられているからです。

からしとマスタード、どちらを使うか迷ったら?代用は可能?

白色を背景にし、透明の器に入った3種類のからしが並んでいる。

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からしとマスタードは、原材料や作り方が違い風味が異なるため、それぞれの特徴に合わせて使い分けるのがおすすめです。強い辛みを求める場合は「からし」、たっぷりつけてスパイシーな味わいを楽しみたい場合は「マスタード」を選ぶとよいでしょう。

からしとマスタードは互いに代用可能ですが、料理によっては合わないこともあるので注意が必要です。からし特有の辛みが欲しい場合にマスタードを使うと、砂糖や酢の風味に少し違和感を覚えることも。逆に、マスタードの代わりにからしを使う際は、砂糖や酢を加えて味を整えるのがおすすめです。

からしとマスタードに合う料理

白色の背景に、マスタードがぬられたホットドッグが置かれている。

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からしは、おでんや豚の角煮などの煮込み料理はもちろん、とんかつやシューマイ、冷やし中華など和食や中華料理に幅広く使えます。また、菜の花やほうれん草を使って和え物にするのもおすすめ。

マスタードは肉料理との相性がよく、ホットドッグやハンバーガー、ソーセージ、ローストビーフなどに使われます。レモンや醤油と合わせて魚料理のソースにしたり、サラダのドレッシングにしたりしてもおいしいですよ。

違いを知って料理に活用しよう!

からしとマスタードは、見た目がよく似ていますが、種子の種類や製造方法に違いがあり、その結果辛さや風味にも異なる特性がみられます。それぞれの特徴を理解して使い分けると、日々の食事がより豊かになること間違いなしですよ。

※商品情報や販売状況は2024年02月14日時点でのものです。
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