茶畑が萌黄色に染まると、新茶のシーズンが到来します。みなさんは「新茶とはそもそも何?」と聞かれたらどう答えますか。この記事では、新茶の基礎知識を中心に伝えつつ、おいしい入れ方についてもご紹介します。お取り寄せできるおすすめのお茶もぜひチェックしてくださいね。

そもそも新茶とは?まずは定義や意味を知ろう

急須から2つの湯呑みにお茶が注がれている様子

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新茶とは、その年の最初に摘んだ新芽でつくった一番茶のことです。日本茶の収穫時期は春から秋にかけて年4回あり、摘み取った順に「一番茶」「二番茶」「三番茶」「四番茶」と呼ばれます。

初物(はつもの)である新茶には福を呼ぶ縁起物といった意味合いも。「新茶を飲むと一年間無病息災で過ごせる」といわれ、古くから珍重されてきました。大切な方やお世話になった方への贈り物に新茶が選ばれる理由でもあります。

新茶の旬はいつ?主要産地別の収穫時期をご紹介

茶畑が萌黄色に染まっている様子

iStock.com/Fyletto

新茶の収穫時期はおおむね4~5月です。ただし南北に長い日本では、お茶の産地や栽培するお茶の種類によっても収穫の時期が異なります。桜前線同様、暖かい地域から徐々に北上していくイメージです。

<主要産地別新茶の収穫時期の目安>

・鹿児島茶......3月末~4月中旬頃
・宮崎茶......4月中旬~5月上旬頃
・伊勢茶(三重)......4月中旬~5月上旬頃
・静岡茶......4月中旬~5月中旬頃
・宇治茶(京都)......4月下旬頃
・白川茶(岐阜)......5月上旬頃
・狭山茶(埼玉)......5月上旬~ 5月下旬頃

新芽の収穫が終わると、お茶の木には45日後ぐらいに次の芽が伸びてきます。このタイミングが二番茶の収穫時期で、おおよそ5月末~6月頃です。さらに三番茶の収穫は7月下旬~8月上旬頃、秋冬番茶とも呼ばれる四番茶は9月下旬~10月上旬頃に収穫されます。

よく耳にする「八十八夜」とは?

春の終わりから初夏にかけて、お茶の産地では新茶の最盛期を迎えます。茶摘みの歌にも登場する「八十八夜(はちじゅうはちや)」という言葉には、新茶と深い関わりがあるのをご存じでしょうか。

八十八夜とは、立春から数えて八十八日目にあたる日のこと。立春の日付は毎年異なりますが2月3日か4日頃、そこから数えると八十八夜は5月1日か2日頃となります。

古来より、気候が安定してくる八十八夜は新茶の茶摘みや種まき、田植えなどの農作業を行う目安とされてきました。

<2024~2026年までの八十八夜の日付>

2024年......5月1日(水)
2025年......5月1日(木)
2026年......5月2日(土)

新茶の特徴やおいしい理由とは?

茶畑でかごを持った女性が茶摘みをしている様子

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初物である新茶には、二番茶、三番茶、四番茶にはないおいしさがあります。新茶がおいしい理由は「香り」「味わい」「栄養素」に特徴があるからです。

香り

湯呑みに注いだときに立ち上るフレッシュで爽やかな香りは、新茶ならでは。葉がやわらかく若々しい新芽だからこそ、みずみずしい香りが生み出されます。

味わい

新茶はふくよかな旨味や甘味がしっかりと感じられ、苦味は穏やかなのが特徴的。こうした味わいの特徴は、新茶に含まれる栄養素と関係があります。

栄養素

新茶にはお茶特有の旨味成分であるテアニン(アミノ酸)が豊富です。寒い時期に蓄えられたテアニンは新芽にもっとも多く含まれ、芽が成熟するにつれ減少します。そのため、二番茶以降のお茶のほうがあっさりとした味わいになります。

逆に、新茶には苦味成分であるカテキン(ポリフェノール)は少なめ。カテキンは日照量が多いほど合成が進む性質のため、夏前に収穫される新茶には多く含まれません。二番茶以降のお茶のほうが苦味を感じやすくなります。(※1,2)

新茶のおいしい入れ方をマスターしよう

茶色の急須の中で茶葉が抽出されている様子

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新茶の風味は、まさに一年に一度だけの特別なもの。この機会に、新茶のおいしさを引き出す入れ方を覚えておきませんか。

おいしい入れ方

1. 急須に茶葉を入れる
(1人分はティースプーン2杯ほど)

2. お湯をいったん湯呑みに注ぎ、適温まで冷ます
(お湯の量は1人分150~200m、適温は70~80℃)

3. 適温になったお湯を急須に入れる
(抽出時間は約40秒)

4. 急須を2~3回程度軽くまわして茶葉を開かせる

5. 湯呑みに最後の一滴まで注ぐ
(複数の湯呑みに注ぐ際は少量ずつ交互に)

おいしく入れるコツ・ポイント

新茶の旨味を楽しみたい場合は、70℃ぐらいのぬるめのお湯でじっくりと抽出し、茶葉の量をやや多めにするのがポイント。また、ほどよい渋味と清涼感のある香りを重視したいときは、90℃ぐらいのやや熱めのお湯で短めの時間で抽出するとよいでしょう。

お取り寄せできる!阪急おすすめの日本茶3選

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八十八夜と名付けられた袋入りの煎茶
1,080円

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ギフト箱に入れられた玉露・煎茶・ほうじ茶のティーバッグのセット
3,240円

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3,240円

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爽やかな新茶を楽しもう!

お茶の木に新芽が出てくる春から初夏にかけては、新茶が出回るシーズンです。日本茶は通年で楽しめますが、初物である新茶はこの時期だけのスペシャルなもの。季節の移ろいを感じながら、新茶ならではの爽やかな香りやふくよかな旨味をお楽しみくださいね。

【参考文献】

※1 アミノ酸(テアニン)|お茶の成分と健康性|お茶百科

※2 カテキン|お茶の成分と健康性|お茶百科

(2024/03/21参照)

※商品情報や販売状況は2024年03月19日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。