お米は、品種によって味わいや食感が異なるのをご存じですか。この記事では、世界中で食べられているお米の種類を解説するとともに、日本の主要な品種を15選ご紹介します。特徴を一覧にまとめているので、自分の好みに合ったお米選びの参考にしてくださいね。

世界のお米の種類は大きく分けて3つ!

たわわに実った稲穂。

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日本だけでなく、世界中で栽培されているお米。世界には2万種類以上のお米の品種が存在すると言われていますが、大きく「ジャポニカ米」「インディカ米」「ジャバニカ米」3つに分類されます。それぞれの特徴を確認していきましょう。

ジャポニカ米

日本・朝鮮半島・中国東北部・ヨーロッパの一部などで主に栽培されています。粒は丸くて短い楕円形。炊きあがりはふっくらしていて、弾力と強い粘り気が特徴です。冷めても硬くなりにくいため、おにぎりやお寿司にも適しています。

インディカ米

主な産地は、中国の中南部・タイ・ベトナム・インド・マレーシア・バングラデシュ・フィリピン・アメリカ南部などです。粒は長細く、炊きあがりは粘り気の少ないパラパラとした口当たりが特徴です。ピラフやカレー、パエリアによく合います。

ジャバニカ米

生産量はほかの種類より少なく、インドネシアのジャワ島・アジアの熱帯地域・スペイン・イタリアなどで栽培されています。丸みのある大きな粒が特徴あっさりしていながら粘り気のある味わいです。最近ではジャポニカ米の一種とも考えられており、「熱帯ジャポニカ」とも言われています。

日本の主なお米の種類・品種15

ザルに米がまかれ、その上に米入りの升が置かれている。

※画像はイメージです

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日本では約1,000品種のお米が国に登録されています。このうち主食(ごはん)用として広く栽培されているのは320品種ほどです。ここでは、主要な15品種をピックアップし、それぞれの特徴をご紹介します。今まで銘柄にこだわりがなかったという方は必見です。

1. コシヒカリ

日本のお米のなかで、もっとも知名度が高い品種のひとつ。産地としては新潟県が有名ですが、全国で広く栽培されています。炊きあがりは強い粘りと艶が特徴です。甘みがあり、もっちりとした食感が人気。特に、新潟県魚沼産のコシヒカリは外観と味わいが優れた極上のお米として知られています。

2. あきたこまち

コシヒカリを改良した品種。秋田県を中心に栽培されていますが、現在は全国各地で作られています。粘りが強く、甘みと旨みのバランスがよいのが魅力で、多くの人に支持されている人気品種です。炊き立てはもちろん冷めてもおいしいので、おにぎりやお弁当にも向いています。

3. ひとめぼれ

宮城県生まれのお米で、コシヒカリと初星(はつぼし)を掛け合わせてできた品種です。主に東北地方で栽培されていますが、ほかの地域でも作られています。粘りがあり、炊きあがりがふっくらしているのが特徴です。甘みと旨みもあり、あらゆるおかずと合う万能なお米

4. ななつぼし

北海道でもっとも生産量が多いお米です。ほどよい甘みとあっさりとした味わいが特徴。冷めてもおいしく食べられるので、お弁当やお寿司にぴったりです。少し硬めの食感が人気で、丼物やチャーハン、ピラフにもおすすめ。

5. ゆめぴりか

北海道原産の品種で、「日本一おいしいお米を」という「夢」と、アイヌ語で「美しい」を意味する「ピリカ」を掛け合わせて名付けられました。艶やかで粘りが強く、もちもちとしたやわらかな食感が特徴。ななつぼしとは対照的なタイプのお米です。

6. つや姫

おいしいお米の原点と言われる「亀ノ尾」をルーツに持つ、山形県生まれの品種です。名前のとおり、炊きあがりの美しい光沢と白さが特徴やわらかくなめらかな口当たりと、上品な甘みが人気です。味噌汁と漬物などシンプルな食事でお米本来の味わいを楽しみたい人におすすめです。

7. ササニシキ

宮城県を代表する品種。粘りが少なく、あっさりクセのない味わいが特徴です。寿司飯に向いているため、お寿司屋さんでも好まれている銘柄のひとつ。かつてはコシヒカリと並んで人気のある品種でしたが、寒さや病気に弱いことから近年は生産量が減少しています。

8. ミルキークイーン

炊かれたごはんが茶碗に盛られている

※画像はイメージです

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コシヒカリをもとに改良された品種で、東北から関東、九州まで幅広い地域で栽培されています。コシヒカリよりも粘り気が強く、甘みともちもち感が際立つお米です。やわらかくふっくらとしていて、冷めても硬くなりにくいのが特徴。

9. はえぬき

あきたこまちを改良して作られた品種で、山形県特有の豊富な日照時間と昼夜の温度差に適しています。粘り強さがありながらも、粒揃えがよくしっかりとした歯応えのあるお米。冷めても味が落ちにくいため、おにぎりやお弁当にもおすすめです。

10. 青天の霹靂

2017年に品種登録された青森県産のお米。「青」は青森の青、「天」は遥かに広がる北の空、「霹靂」は稲妻を意味し、「誰もが驚くような旨さのお米になってほしい」という想いが込められています。やや大きめの粒としっかりとした食感が特徴。ほんのり上品な甘みがあり、どんな食材とも相性抜群です。

11. 新之助

2017年に新潟県で誕生した新しい品種で、最近人気が高まっているお米のひとつ。大粒で形がよく、粘りと弾力があります。豊かな甘みとコクも魅力で、お米本来のおいしさを味わえると好評。冷めても硬くなりにくいお米です。

12. 雪若丸

山形県産のつや姫の弟分として生まれた品種です。大粒でもっちり食べ応えがあるので、ごはんをたっぷり食べたい方にも喜ばれるお米。カレーや丼物にもよく合います。寿司酢とのなじみがよく、ひと粒ひと粒がしっかりしているため、家庭での手巻き寿司にもおすすめ。

13. 富富富

富山県で新たに開発されたブランド米で、暑さに強い品種です。「富富富(ふふふ)」は、「富山の水、富山の大地、富山の人が育てたお米」という意味を持ちます。粒立ちがよく、艶があって甘みを感じられるのが特徴。冷めてもおいしく、さまざまな料理に合う万能なお米です。

14. きらら397

1988年に北海道で誕生したロングセラーのお米です。粒が大きくて粘りが少ないため、チャーハンや丼物にもおすすめ。あっさりした味わいながらも、じっくり噛むと甘みが口の中に広がります。比較的リーズナブルな価格も人気の理由のひとつ。

15. 銀河のしずく

10年の歳月をかけて開発された岩手県産のお米で、2016年にデビューした比較的新しい品種です。炊きあがりは透きとおるような白さが特徴で、外観・香り・味・粘り・硬さのバランスが良好。軽やかな食感で、日常使いに適したお米です。

【まとめ】主なお米の品種一覧

米の品種一覧表。

米の品種一覧表。

白米、玄米、もち米...精米や成分によるお米の種類

収穫された稲穂がうしろに置かれ、手前には、玄米と白米が入った透明の器が置かれている。

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日本では一般的に白米が広く親しまれていますが、お米は精米方法や成分などの違いによってもいくつかの種類に分けられます。ここでは、白米とそれ以外のお米の種類と特徴を紹介します。味わいの好みや生活スタイルに合わせてお米を選ぶのも楽しいですよ。

白米

白米は、お米の外層であるもみ殻や胚芽、ぬかを取り除き、胚乳だけを残して精米されたものです。精米することで、もっちりやわらかな食感と甘みが生まれます。味わいも色合いもシンプルで、ほかの調味料の味や食材の旨みを引き立てる効果があり、主食として広く用いられているお米です。

玄米

玄米は、収穫後のお米からもみ殻だけを取り除いたものを指します。胚芽やぬかが残っているため茶色っぽい色合いと硬めの歯応え、独特の風味が特徴です。精米時に胚芽やぬかを一定量残した「分づき米」もあり、精米の度合いに応じて3分づき、5分づき、7分づきと分類されます。玄米が初めての方は、白米に近い7分づきがおすすめ。

発芽玄米

発芽玄米は、玄米を水に浸してわずかに発芽させたもの。発芽により、もちもちとした食感と甘みが増し、玄米が苦手な人でも食べやすくなります。炊飯器で炊くことができ、炊飯時には白米よりも多めに水を入れるのがポイント。スーパーで購入できますが、玄米があれば自宅でも手軽に作れます。

無洗米

無洗米は、炊飯前にお米を研ぐ必要がない白米のことです。洗米時に溶け出す肌ぬかを特殊な加工技術によって除去しているため、水を加えるだけで炊飯でき、調理の手間を省けるのがメリット。無洗米を炊く際は、通常の白米よりも水を少し多めにしてしっかり給水させると、よりおいしく炊きあがります。

もち米

もち米は、お餅や赤飯などに用いられるお米です。通常食べられているお米は「うるち米」と呼ばれ、もち米とうるち米の違いはでんぷんの成分にあります。うるち米はアミロースとアミロペクチンの2種類のでんぷんから成り立っていますが、もち米は粘りが強いアミロペクチンのみで構成されているため、食べるともちもちとしているのです。

お米の種類と特徴を知るとお米選びが楽しくなる!

お米には、実にさまざまな種類が存在します。今まで、なんとなくいつも同じ品種のお米を選んでいたという方も多いはず。自分の好みに合ったお米を選ぶと、毎日の食事が一層おいしくなりますよ。

※商品情報や販売状況は2024年03月23日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。