四十九日法要に持参するお供え物の選び方から定番品、金額の目安、掛け紙の書き方、施主側の返礼品の決め方まで、詳しく解説します。お供え物には何がふさわしいか、どれくらいの金額が適切か、いざという時のために知っておくと役立つこと間違いなし。

四十九日のお供え物の選び方やマナーを知ろう!

黒色の皿に、緑・白・ピンクの干菓子が盛られている。

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四十九日(しじゅうくにち)は、仏教において亡くなった人の魂がこの世を完全に離れ、来世へと旅立つとされる日です。死後49日目におこなわれる法要は、忌中におこなう法要のなかでも最後であり、もっとも重要なものとされます。

四十九日は故人と遺族にとって非常に大切な日です。そのため、お供え物は相手に失礼がないようにマナーを守って選んでください。

四十九日のお供え物の選び方

基本は「消えもの」にする

お供え物には、食べ物や飲み物、使い切りの品など「消えもの」と呼ばれる消耗品が向いています。その理由は「悲しい気持ちを引きずらないように」するためです。

例として、花、お菓子、果物、飲み物、線香、ろうそくなどが挙げられます。

日持ちしやすいものにする

食べ物を選ぶ際は、法要後にすぐ消費できない場合も考慮して、日持ちする品物を選びましょう。特に夏場は気温が高く、傷みやすくなります。

果物であれば実の堅いもの、お菓子であれば常温保存が可能で賞味期限が12週間以上あると安心です。

個包装で分けしやすいものにする

法要後には、お供え物を参列者で分けることもあります。そのため、個包装されたお菓子の詰め合わせのように、配りやすいものを選ぶのがおすすめ。

また、遠方から参加されるケースもあるため、クッキーやせんべいなど軽くて持ち帰りに適した品物を選ぶことも配慮のひとつです。

四十九日のお供え物の定番品

白いテーブルに白のユリが置かれている。

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お菓子

特に人気なのがお菓子です。和菓子と洋菓子のどちらでも問題なく、故人が好んでいた商品を選ぶのも良いでしょう。

和菓子では羊羹や饅頭、せんべい、洋菓子ではマドレーヌ、フィナンシェ、クッキー、ゼリーがよく選ばれます。ただし、生クリームを使用したお菓子は傷みやすいため注意しましょう。

果物

数種類の果物を盛り合わせたものが人気です。特に丸い果物は縁起が良いとされ、メロン、りんご、グレープフルーツ、ぶどうなどが好まれます

果物の数は5711個など奇数にし、4個(「死」を連想)や9個(「苦」を連想)は縁起が悪いので避けましょう。

飲み物

お茶やジュースが人気ですが、故人の好みに合わせてビールやワインなどのお酒を贈ることもあります。

ただし、お酒は宗派や地域の慣習によっては好ましくないとされることもあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。また、遺族がお酒を飲まないのであれば、残ってしまう可能性もあるので、その点も考慮しましょう。

線香やろうそく

線香やろうそくは、仏事に欠かせないため遺族から喜ばれることが多い品物です。

最近では、線香にもさまざまな香りや煙の量の商品があり、ろうそくも花の絵が描かれたおしゃれなものが販売されています。故人の好みや遺族の生活環境に合わせて選んでください。

花は祭壇を飾るという重要な役割があり、喜ばれるお供え物のひとつ。特に、白を基調とした控えめの色合いの花がふさわしいとされています。

定番の白菊に加え、最近はユリや胡蝶蘭などの華やかで上品な洋花も人気です。

四十九日のお供え物でNGなもの

肉や魚

食べ物の場合、肉や魚、腐りやすいものは適していません。仏教では基本的に殺生が禁じられているため、殺生を連想させる肉や魚は不適切と考えられています。加工食品であっても避けたほうが無難です。

香りが強い、トゲのある花

花を選ぶ際は、香りが強すぎるものや、バラのようにトゲのある花は避けてください。強い香りの花は不快に感じられることがあり、トゲのある花は手入れに手間がかかります。また同じ理由で、香りの強い果物もお供えには向いていません。

故人が好んでいた肉や魚、花などをお供えしたい気持ちがあるかもしれませんが、どうしても贈りたい場合は、事前にお寺や遺族に相談することをおすすめします。

四十九日のお供え物の金額相場

お供え物の金額は、故人との関係に応じて変わります。よく知った間柄であれば5,0001万円程度の品物。そうでなければ3,0005,000円程度が目安です。この価格帯であれば、お菓子の詰め合わせや果物のかご盛り、花束など、さまざまな商品から選べます。

家庭によってはあらかじめ金額を決めていたり、地域によって目安が異なったりする場合もあるため、事前に確認しておくとより安心です。

四十九日のお供え物を持参する際のマナー・渡し方

黒色のテーブルに紫色の風呂敷で包まれた箱が置かれている。

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掛け紙をかける

お供え用の品物は、まず包装紙で包み、その上に弔事用の掛け紙をかけます。掛け紙は、のし紙と呼ばれることもありますが、正しくは、のしは結婚式のように慶事で使用されるものなので注意してください。

百貨店や仏壇店で購入する場合は、四十九日用のお供え物であることや、いつ持参するのかを伝えると、適切な掛け紙を提案してもらえるでしょう。

水引と表書きに注意する

水引には一般的に黒白もしくは双銀の結び切りを使用しますが、地域によって異なる色を用いることもあるため、心配であれば事前に確認してください。

掛け紙の表書きは「御供」や「御供物」と記し、下段には参列者の代表者名を名字またはフルネームで書き入れます。また、薄墨ではなく濃い墨を使用するのが適切です。

お供え物は直接渡す

お供え物は、施主に挨拶する際に手渡します。まずは、「本日はお招きいただきありがとうございます」と挨拶をし、お供え物を取り出して相手が表書きを読める向きにしてから渡しましょう。「御仏前にお供えください」とひと言添えると、より丁寧です。

品物を入れていた紙袋や風呂敷は、たたんで持ち帰りましょう。また、仏壇にお供え物を勝手に置いてはいけません

四十九日のお供え物を郵送する場合

四十九日に招かれたら、基本的には参列するのがマナーですが、欠席せざるを得ない場合もあるでしょう。参列できないのであれば、お供え物を郵送すると丁寧です。ここでは、郵送する際の注意点と、一緒に添える手紙の例文を紹介します。

郵送するタイミング

法要の23日前、遅くとも前日までには届くようにしましょう。当日は、お坊さんとのやりとりや、会食の準備などで遺族が忙しいことがあり、荷物を受け取れない可能性もあります。

郵送する場合は、事前に配送先とお届け日を相手に確認するのがおすすめです。

郵送時に添える手紙の書き方

郵送する際には、手紙を添えるとより丁寧な印象になります。故人とその家族を思いやる文章を書くのが一般的です。

ただし、「たびたび」「ますます」「くれぐれ」といった繰り返しの言葉は不幸が重なるイメージがあるため使わないようにしましょう。また、季節の挨拶も不要です。

手紙の例文

○○様の四十九日迎えられるにあたり、本来ならば、参列しなければいけないところ、私ごとで大変恐縮ですが、お伺いすることができません。

心ばかりではございますが、(お菓子・お花・お線香)を送らせていただきます。
御仏前にお供えいただければ幸いです。

ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、心からご冥福をお祈りいたします。

【施主側】四十九日のお供え物・香典のお返し・お礼は?

左から太陽の光が差し込んでいる和室。

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四十九日法要では、参列者からお供え物や香典をいただくことが一般的です。そのため、施主側は「引き出物」と呼ばれる返礼品を準備し、お渡します。ここでは、施主側が返礼品を準備する際に注意すべきポイントをチェックしていきましょう。

お葬式の香典返しとは別物

施主側が用意する引き出物は、あくまでも四十九日法要でいただいたお供え物や香典に対して感謝の気持ちを示すものです。そのため、通夜や葬儀、その後の忌中にいただいた香典に対する「香典返し」とは別に考えます

葬儀の香典と、四十九日のお供えを両方いただいた方には、四十九日の法要後に香典返しと引き出物の両方をお渡しすることが一般的です。

返礼品の金額相場

返礼品の金額の目安は、親族の場合はお供え物の1/31/2程度、それ以外の方にはお供えの1/2程度です。しかし、実際にはお供え物を受け取る前に返礼品を準備する必要があるため、2,0005,000円程度の品を用意しておくと良いでしょう。

もし、高額な香典やお供え物をいただいた場合は、後日改めてお礼の品を贈ることも検討してください。

返礼品の定番は?

お供え物と同様に、返礼品も消えものを選ぶのが一般的です。日本茶や海苔などの乾物、饅頭や焼き菓子のような日持ちするお菓子、石鹸や洗剤などがよく選ばれています。

賞味期限の短い生菓子や、生鮮食品は避けるようにしましょう。

後日郵送するなら挨拶状を添える

返礼品は基本的に法要後、当日中に参列者にお渡しします。しかし、参列者が多い場合や、お供え物をいただいたものの当日参列できなかった方がいる場合には、後日郵送しましょう。

その際は、品物にお礼状を添え、法要の翌日から1ヶ月以内にお届けできるよう手配します。年末年始や、相手のお祝い事がある時期を避けて贈ってください。

四十九日のお供え物に関するQA

四十九日に呼ばれていない場合のお供え物は?

法要に招かれていない場合、お供え物を手配すべきかどうか迷いがちですが、基本的には不要です

近年は、家族や親しい身内など少人数で四十九日をおこなうケースも増えています。故人と親しい間柄で、どうしてもお供え物を贈りたい場合は、遺族の意向を確認したうえで手配するようにしましょう。

お供え物と香典は両方必要?

親族の場合は、お供え物と香典の両方を贈ることがあります。しかし、親族以外であれば、どちらかで問題ありません

ただし、地域や宗派、親族の考え方によっては、お供え物や香典の対応が異なるケースがあるため、心配であれば事前に確認してください。

お供え物を辞退されたらどうする?

四十九日の案内状には、お供え物を辞退する旨が記載されていることがあるため、必ず確認しましょう。

お供え物を辞退されている場合は、遺族の意向を尊重するのが適切。代わりに香典を持参すると良いでしょう。

四十九日のお供え物におすすめの品5

1.「アンリ・シャルパンティエ」フィナンシェ・マドレーヌ詰合せ 21個入

個包装のマドレーヌとフィナンシェが21個入ったギフトボックス。
3,240円

洋菓子の名店「アンリ・シャルパンティエ」を代表するフィナンシェとマドレーヌの詰め合わせ。どちらもしっとりやわらかな生地が特徴で、多くの人に愛されている焼き菓子です。個包装で21個入りなので、四十九日の法要後に参列者で分けやすいのも喜ばれるポイント。

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2.「京の黒豆 北尾」京丹波産黒豆しぼり15

個包装の黒豆菓子が15袋入ったギフトボックス。
4,030円

ベテランの職人が厳選した京都丹波産の黒豆を使用し、ドライタイプの甘納豆に仕上げています。素材本来の味わいを生かした上品でやさしい甘さが人気の理由です。常温で約4ヶ月保存可能で、落ち着いた色合いのパッケージは、お供え物としても重宝されます。

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3.「とらや」羊羹・最中詰合せ 3

小型羊羹が6個、最中が8個入ったギフトボックス。
4,256円

お供え物選びに困ったら、老舗和菓子屋「とらや」の羊羹と最中のセットがおすすめです。とらやの人気商品である小型羊羹5種と、花の形をかたどった最中3種の詰め合わせ。上質な味わいだけでなく、和を感じさせる高級感のあふれるパッケージも魅力的です。

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4.「フリュテリー果坊」3種の岡山果実ゼリー12個アソート

透明の器に盛られた3種のゼリーがテーブルに置かれている。
5,076円

岡山県産のフルーツをたっぷり使った贅沢なゼリーの詰め合わせです。清水白桃、ニューピオーネ、マスカットの3種のゼリーで、まるで本当の果実を食べているかのような瑞々しさが味わえます。夏はしっかりと冷やして食べるのがおすすめ。果物のイラストが描かれた小箱も好評です。

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5.「キムラフルーツ」クラウンマスクメロンと柑橘2種アラカルト

白色のギフトボックスに、メロンが1個、オレンジが1個、グレープフルーツが2個入っている。
8,964円

気品あふれる香りと上品な甘みが特徴のクラウンマスクメロンと、さわやかな味わいのグレープフルーツやオレンジをセットにしています。フルーツ専門店が厳選しているため、おいしさは折り紙付き。すべて丸い形の果物なので、四十九日のお供え物としても最適です。

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四十九日のお供え物は心を込めて選びましょう

四十九日のお供え物には明確なルールはありませんが、ご紹介した選び方やマナーを参考に、故人の好みを配慮した品物や、参列者で分けやすいものを選ぶと良いでしょう。四十九日は故人と遺族にとって大切な日なので、心を込めてお供え物を選んでください。

※商品情報や販売状況は2024年05月15日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。