ご先祖さまの霊があの世から帰ってくるとされている、お盆。この時期は、普段仏壇にお供えしているものとは違うお供物をして、ご先祖さまをお迎えしたりおもてなしをしたりするのが通例です。この記事では、お盆の意味や定番の料理、お供物におすすめの商品をご紹介します。

そもそもお盆とはどんな行事?

花をお供えしたお墓にむかって手を合わせている

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お盆は毎年8月15日を基準とした13日〜16日ごろの期間のこと。この時期になると、あの世からご先祖さまや故人の霊が自宅に帰ってくると考えられています。

お盆にはお供え物をするのが一般的。これにはご先祖さまや故人が無事に帰宅できることを願うほか、久しぶりの自宅で供養をしたり、おもてなしをしたりするという意味があります。

家族と故人にとって初めてむかえる「新盆」には、たくさんの飾りつけやお供え物をして盛大にお迎えをします。

お盆に食べ物をお供えする意味とは

お盆に食べ物をお供えすることには、"ご先祖さまや故人を労う" という意味や、 "日々の感謝や願いをを伝える" という意味があります。

あの世からこの世に帰ってきてお疲れになっているところを、自宅でゆっくり過ごしていただくためにも、故人が生前好んでいた食べ物をお供えするとよいでしょう。

伝統を大事にするなら「精進料理」をお供えする

木の器に和食がよそわれている

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精進料理とは、仏教の教えにのっとった食材で作る伝統的な料理のことをいいます。おもに修行僧の方々の食事としても知られており「つつしんだ行動で雑縁を取り除き、一心に仏道を歩む」という意味があります。

そのためお盆には、仏教の教えのひとつである「五戒」のうち「不殺生戒」にのっとって、野菜や穀物を中心とした精進料理を用意し、動物性の食品を避けてお供えします。

精進料理は「配膳」や「NGな食べ物」に気をつける

精進料理は基本的に、ご飯(飯椀)、漬物(高杯・たかつき)、汁物(汁椀)の3品を並べる「一汁三菜」か、ご飯(飯椀)、汁物(汁椀)、煮物(平椀)、和え物(壺椀)、漬物(高杯)の5品を並べる「一汁五菜」で用意するのが一般的。

野菜や果物、穀物、海藻類などは、精進料理にふくめることができます。汁物の出汁をとるときは、鰹節や煮干しなどを避け、干し椎茸や昆布など植物性の食材を使用しましょう。また、漬物は「3切れ=身切れ」とならないように個数にも注意が必要です。

そのほかお盆に定番の食べ物

そうめん

黒い器のなかに乾燥したそうめんが束ねて4つ置いてある

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暑い夏にぴったりなそうめんは、お盆の定番料理でもあります。そうめんをお供えする理由には "幸せが細く長く幸せが続くように" という願いを込めているという説や、ご先祖様が乗ってくる精霊馬にお土産をくくり付ける綱に見立てているといった説があります。

お供えする際は、そうめんをゆでずに束の状態のまま、まこもの上かお皿に置きましょう。

お団子

白い皿の上に白い団子が盛り付けられている

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お盆にお供えする団子には、ご先祖様を迎える際にお供えする「迎え団子」、見送る際にお供えする「送り団子」の2種類があります。

送り団子は基本的に白玉団子をお供えする一方、迎え団子は白玉団子のほか、"疲れを癒していただく" という意味を込めてみたらし団子やあんこを使った団子をお供えすることもあります。

天ぷら

野菜の天ぷらが盛り付けられている

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お盆に作る天ぷらは「精進天ぷら」とも呼び、野菜やきのこ類を使って揚げ、肉や魚類などの動物性の食材を避けます。

食材にまとわせる衣は、通常の天ぷらで使用する卵は使わず小麦粉と水だけで作りましょう。

おはぎ・ぼたもち・赤飯

カットされたぼたもちが皿に盛り付けられている

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お彼岸の定番料理とされているおはぎ(ぼたもち)ですが、ご先祖様への感謝の気持ちや敬意を伝えるためのお供え物として、お盆の時期にお供えする家庭もあります。

小豆の赤色は邪気をはらう色とされており、小豆自体に魔除けの効果があるともいわれています。同様に小豆を使用して作る赤飯もお盆の定番料理とされています。

落雁

黒い皿のうえに花の形をした落雁がいくつか盛り付けられている

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落雁をお供え物にするのは、仏教の教えに関係しているのだそう。お釈迦様の弟子であった目蓮(もくれん)が、"何の関係もない人にまでお供え物を捧げた" という逸話に由来するとされています。

また落雁は極楽浄土をイメージさせる花の形がかたどられていることが多く、砂糖で作られているため日持ちするという特長があります。そのためお供え物にぴったりです。

お盆に避けたほうがいい食べ物は?

ここまではお盆に定番とされる料理を紹介しましたが、反対に避けた方ほうがいいとされる料理はあるのでしょうか?その考え方や理由をご紹介します。

「三厭(さんえん)」

三厭とは肉・魚・卵など動物性の食品のことを指します。前述のとおり仏教には「五戒」という教えがあり、そのなかにふくまれる「不殺生戒(ふせっしょうかい)」は、"生き物の命をうばってはいけない" という、動物の殺生を禁じる内容となっています。

「五辛(ごしん)」や「五葷(ごくん)」

「五辛(ごしん)」や「五葷(ごくん)」は辛味や香りが強い食材のことを指します。食べると煩悩を刺激すると考えられており、主ににんにく・ねぎ・ニラ・玉ねぎ・ラッキョウなどがふくまれます。

絶対にNGというわけではない

お盆の決まりや仏教の教えにのっとる......というのは昔はほとんどの家庭で気をつけられてきましたが、近年ではそのような風潮も薄まってきています。

現代では「五戒」の教えにそって料理を作る家庭も少なくなり、故人やご先祖さまが好きな食材をお供えすることが増えてきました。

"お盆のかたち" は時代とともに変わりゆくもの。お盆にどんなものをお供えするか、それぞれの家庭で話し合ってみるのもいいでしょう。

お盆のお供え物のマナー

 仏壇におはぎがお供えされている

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お供えをする期間

お盆のお供えをする期間は、迎え盆から送り盆の間です。8月盆であれば、8月の13〜16日の4日間のことを指します。

16日の送り盆を迎えたあとは、普段どおりのお供え物に戻しましょう。なお、地域ごとにお盆の時期や期間は異なります。お住まいの地域のお盆はいつごろなのか、事前に確認しておくといいでしょう。

お供え物の置き方

お供え物を用意したら、お仏壇の前に置く盆棚(精霊棚)に置いていきます。仏壇に向かって正面を向くようにするのがポイント。

精進料理の場合は、御膳のお箸を置くほうを正面とし、そちらがご先祖様を向くように置きましょう。置いたあとは手を合わせて「どうぞお召し上がりください」と心の中で唱えるのが通例です。

お供えのタイミング

昔のお盆では、お供えをするタイミングは修行僧が食事をとる朝・昼の2回とされていました。しかし現代では、3食の食前や、朝のみといったように、家庭や地域の風習によってタイミングや回数が異なっています。

各家庭の生活のなかで無理なくおこなえるタイミングにお供えしましょう。

お供えを下げる時期

お供え物が食べ物であれば、冷めたりぬるくなったりしたタイミングで下げましょう。精進料理の場合は湯気が出なくなってから下げることが多いです。

長時間置いたままにする必要はなく、傷みやすい食材であれば期間中に少しずつ下げていきましょう。下げたあとは、ご先祖様から分けていただいたごはんとして、集まった家族や親戚と分け合って大切にいただきましょう。

お盆のお供えにおすすめな食べ物3選

お供え物におすすめなのは、賞味期限が長く、日持ちがするもの。なかでもお盆の定番であるそうめんは、束のままお供えできるのでおすすめです。ほかにも仏壇を華やかに彩るお供え物を用意すれば、ご先祖さまも心穏やかになってくれることでしょう。

1. 「三輪山本」白龍

白い箱に束ねられたそうめんが詰められている
2,160円

そうめん発祥の地といわれる奈良県・三輪にて、創業1717年の老舗そうめん専門店「三輪山本」が作る手延べそうめんです。

絶妙なコシと喉越しが魅力の直径約0.6mmの極細麺。1年熟成だからこそ感じられる旨味や風味を楽しめる贅沢なひと品です。

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2. 「花咲かりん」花咲かりん  花かご(大)

カゴのなかに花の形をしたかりんとうが詰められている
3,101円

職人が1枚ずつ手揚げして作る「花咲かりん」と、同商品を国産野菜のみで色付けした「変わりかりん」の詰め合わせです。

伊賀産の米粉やなたね油など選び抜かれた素材を使用した、こだわりが詰まったひと品。まるで花かごのような見た目もかわいらしいですね。

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3. 「新宿高野」果実ピュアゼリー4入S

箱の中にフルーツの容器に入ったゼリーが4つ詰められている
4,212円

明治18年創業の老舗フルーツ専門店「新宿高野」が作るゼリーの詰め合わせです。フルーツピューレや果汁を贅沢に使用し、素材がもつおいしさを楽しめる絶品。

まるでフルーツを食べているような濃厚な味わいと、とろける食感が魅力です。フルーツの形をした容器は目で見ても楽しめますよ。

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お盆には故人やご先祖さまに感謝を伝えよう

日頃から故人やご先祖さまへの感謝の気持ちは伝えていたとしても、お盆は特別な行事。なかには遠方から親戚が集うご家庭もあるでしょう。久しぶりに我が家に帰ってきたことを労う意味も込めて、故人が生前好んでいた食べ物をお供えしてはいかがでしょうか。

※商品情報や販売状況は2024年05月22日時点でのものです。
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