クリスマスシーズンになると、リースやアレンジの花材として「セイヨウヒイラギ」がよく使われます。なぜ、クリスマスにセイヨウヒイラギを飾るのかご存じでしょうか。

この記事では、クリスマスとセイヨウヒイラギとの関係を徹底解説します。花言葉やヒイラギとの違い、栽培方法も要チェックですよ。

クリスマスリースに使われる「セイヨウヒイラギ」とは?

トゲのある常緑の葉と赤い実が特徴のセイヨウヒイラギ

iStock.com/Anna Nelidova

セイヨウヒイラギを使ったクリスマスリースは深緑色の葉に赤い実が映え、まさにクリスマスにぴったり。クリスマスにふさわしい理由はその色合いだけではありません。「クリスマスホーリー」とも呼ばれるセイヨウヒイラギの特徴や意味を解説します。

セイヨウヒイラギの特徴・由来

セイヨウヒイラギは常緑樹に分類されます。葉の縁にはのこぎりの刃のようなギザギザとしたトゲがあり、古くから魔よけの力があるとされてきました。11月頃になると実が赤く色づきます。

主な原産地はヨーロッパ。日本のヒイラギと葉の形状が似ていることから、セイヨウヒイラギと名付けられました。

クリスマスホーリーと呼ばれる理由・意味

セイヨウヒイラギは別名を「クリスマスホーリー」といいます。クリスマスホーリーと呼ばれる理由は、キリスト教との深い関わりによるものです。キリスト教圏では、セイヨウヒイラギはキリストが流した血の跡から生えたといわれ、キリストの受難を象徴する木として大切にされてきました

セイヨウヒイラギの葉のトゲは、キリストが十字架にはりつけにされる前にかぶせられた「いばらの冠」を、赤い実は「キリストの血」を表すとされています。

クリスマスツリーやキャンドルが飾られた教会

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クリスマス(Christmas)はキリスト(Christ)とミサ(mas)を組み合わせた言葉ホーリー(holly)はセイヨウヒイラギが属するモチノキ科の植物の総称です。ちなみに、この場合のhollyは「聖なる」を意味するholyとは異なります。

クリスマスはキリストの降誕を祝う日。キリスト教と深く結びついているセイヨウヒイラギはクリスマスには欠かせません

日本では、セイヨウヒイラギのリースはクリスマスを彩るアイテムのひとつですが、実はセイヨウヒイラギには魔よけの力やキリストへの深い思いが込められているのです

セイヨウヒイラギの花言葉

赤い実をつけたセイヨウヒイラギのクリスマスリース

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セイヨウヒイラギの花言葉は「将来の見通し」「神を信じます」そして「家族の幸せ」

「将来の見通し」の花言葉は、セイヨウヒイラギの実の付き方によって冬の寒暖を予測していたことに由来します。もうひとつの花言葉「神を信じます」は、セイヨウヒイラギがキリストが流した血の跡から生えたという言い伝えによるものです。

また、神の力を宿すセイヨウヒイラギを魔よけとして玄関に飾る家庭が増えたことから、「家族の幸せ」という花言葉が加えられました。

「セイヨウヒイラギ」「ヒイラギ」の違い・見分け方は?

木製のテーブルに置かれたヒイラギとイワシの頭の飾り

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セイヨウヒイラギとヒイラギは葉の形状が似ており、鋭いトゲがあることから魔よけの力があると信じられてきました。日本の節分では、鬼が家に侵入しないよう、ヒイラギの枝に焼いたいわしの頭を刺した「ヒイラギいわし」を飾る習わしがあります。

セイヨウヒイラギとヒイラギは名前こそ似ていますが、植物としては別種です。何がどう違うのか、見分け方のポイントをご紹介します。

植物分類を確認する

・セイヨウヒイラギ......「モチノキ科」に属する常緑樹。ヨーロッパ中南部や西アジアが原産
・ヒイラギ......「モクセイ科」に属する常緑樹。本州(関東以西)、四国、九州、沖縄などに分布

花の開花時期・実の色から見分ける

白い小さな花を咲かせたセイヨウヒイラギ

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・セイヨウヒイラギ......春に白い花を咲かせ、初冬に実が赤く色づく
・ヒイラギ......初冬に白い花を咲かせ、初夏に実が黒紫色になる

冬にどんな状態かをチェックする

・セイヨウヒイラギ......冬に実が赤くなる
・ヒイラギ......冬に白い花が咲く

セイヨウヒイラギを栽培する際のポイントとは?

レンガの壁を背に赤い実をつけたセイヨウヒイラギの生垣

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セイヨウヒイラギを栽培する難易度は中程度。中級~上級者向きといえます。鉢植えでも育てられますが、どちらかといえば地植え向きで、芽を出す力が強いため生垣にもよく使われます。栽培方法のポイントをまとめました。

植え付け時期・栽培環境

セイヨウヒイラギの植え付けは3~5月頃がおすすめ。風通しがよく、日当たりのよい場所や半日陰を好み、乾燥する環境では育ちづらいです。また、水はけや保湿性のよい土が適しており、鉢植えの場合は黒土に腐葉土などを混ぜるとよいでしょう。

水やり・肥料

保湿性のある土に地植えをした場合は、よほど乾燥しない限り、水やりは不要です。鉢植えの場合は、特に夏の水切れには注意してください。肥料は一般的に春と秋に与え、堆肥や油粕などを株から少し離れたところへ入れるようにしましょう。

剪定・植え替えのタイミング

セイヨウヒイラギの木をハサミを使って剪定している様子

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4~5月頃に白い花が咲き、11月頃に実が赤く熟します。剪定は秋頃に、夏に成長した樹形を整える程度でOKです。生垣の場合は春・秋の年2回は刈り込みをすると美しく保てます。鉢植えは2~3年に1回、ひと回り大きな鉢に植え替え、用土の通気性を改善するのがポイントです。

クリスマスにセイヨウヒイラギを飾るのには意味がある

セイヨウヒイラギは古くからクリスマスの装飾品として用いられてきました。セイヨウヒイラギとキリスト教の関りを知ると、クリスマスの意味や伝統への理解がより深まるのではないでしょうか。

クリスマスシーズンにセイヨウヒイラギのリースを見かけたら、その意味にも思いをはせてみてください。

※商品情報や販売状況は2024年08月16日時点でのものです。
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