お正月に備えていた鏡餅を割って食べる鏡開き。鏡開きではどんな食べ物を食べるかご存じですか?この記事では、鏡開きの行事内容や時期、どんな食べ物・料理を食べるかなどを解説します。行事についての知識を身に着けて、あらためて過ごし方を考えてみてくださいね。

鏡開きとはどんな行事?

花柄のシートにのった鏡餅

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鏡開きとはお正月に年神様にお供えしていた鏡餅を木槌で割って食べる行事のことです。鏡餅は年神様の依り代としての役割を持つと考えられています。そのため年神様の力が宿った鏡餅を食べることで、健康で実り多き一年を過ごせるようにという「無病息災」を願うのです。

鏡餅を割るときは、包丁やナイフなどの刃物を使わないように注意しましょう。年神様に刃物を向けることになり、失礼にあたります。

鏡開きの由来

鏡開きは室町時代に始まった「蔵開き」「◯◯開き」「◯◯初め」という、新年の仕事や行事を始める儀式が由来とされています。

武士の家系(武家)では、お正月に男性は具足(甲冑)、女性は鏡台に鏡餅を供えて、正月の11日に割って食べる習慣がありました。これが現代の鏡開きのルーツとなっています。

鏡開きの食べ物・料理

椀に入ったお雑煮

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鏡開きで食べるお餅は、乾燥しており固いことがほとんど。そのまま食べるのはむずかしいため、何らかの料理にして食べるのがおすすめです。

ここでは、鏡開きのお餅におすすめの料理をいくつかピックアップして紹介します。ぜひ鏡餅を消費するときの参考にしてみてくださいね。

お汁粉

鏡開きの定番料理のひとつ・お汁粉は、小豆の上品な甘さを感じたい方にいち押しの食べ物です。あんこを煮て、割った鏡餅を中に入れます。味見をして味が足らないと感じる場合は、塩や砂糖で味を調えましょう。

皿に取り分けるときは、お餅を先に入れてから汁を注ぐとスムーズです。寒い時期に体を温めるのにぴったりの料理ですよ。

お雑煮

お雑煮は鏡開きのルーツである室町時代から食べられており、鶏肉や野菜、魚介のうま味をたっぷり楽しめる料理です。地域によってわずかに使う食材や味が異なるため、その土地の特色を感じられるのがポイント。

たとえば秋田県ではしょうゆベースでふぐや焼きあじ、山菜などを入れ、長崎県ではあごだし仕立てで大根やにんじん、ごぼうを入れたりします。各地のお雑煮レシピを参考にして作って、食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね。

揚げ餅

鏡開きで細かく砕けてしまった部分は、揚げ餅にして食べるのがおすすめ。揚げる前に新聞紙やザルなどの上でしっかり干して乾燥させると食感が良くなります。

乾燥させた鏡餅は、弱火〜中火でじっくり揚げるのがコツです。塩やしょうゆなど、シンプルな味付けがおすすめですよ。

ピザ

洋風のアレンジレシピとして、お餅ピザを作るのもおすすめです。お餅をピザの生地に見立てて、ウインナーソーセージ、ピザ用チーズ、コーン缶、トマトなどを飾り付けて食べます。

割った鏡餅にお好みの具をのせて、オーブントースターで5~6分ほどこんがりと焼くだけ。お子さんと一緒に作っても楽しいですよ。

グラタン

お餅のしっかりと伸びる特徴を活かし、グラタン風にアレンジするのもおすすめ。バターを薄く塗ったグラタン皿にお餅をのせて、玉ねぎ、しめじ、ピザ用チーズなどの具材をたっぷり盛り付けて焼き上げます。

マイルドな風味とお餅のとろ〜りとした口当たりが絶品です。こしょうでピリッとアクセントを効かせるのもおすすめですよ。

鏡開きの時期

カレンダーが置かれている

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鏡開きの時期は一般的には「毎年1月11日」です。ただし、鏡開きの時期は地域によっても多少前後します。鏡餅はお正月の間は年神様の依り代になると考えられており、その期間のことを「松の内」と呼びます。

この松の内は、一般的に1月1日〜1月7日までとされていますが、地域によっては1月15日までとする場合も。松の内が終わったあとに、鏡開きを実施するのが通例です。

関東/関西の鏡開きの時期

関東では、松の内が1月1日〜1月7日と考えられており、鏡開きは11日に実施します。一方、関西では松の内を1月1日〜1月15日までとするのが一般的で、鏡開きは15日または20日に実施することが多いです

江戸時代には「二十日正月」といい、20日に鏡開きをしていたのですが、幕府の三代将軍・徳川家光が20日に亡くなったため日付を変更したそうです。地域差があるのは、こうした日付変更の知らせが上手く伝わらなかった地域があったとする説が有力です。

鏡開きはおいしい食べ物で一年の健康を願おう!

鏡開きは、室町時代から続く一年の無病息災を願う行事です。鏡開きで割ったお餅はそのままだと固いので、お汁粉やお雑煮、揚げ餅などにアレンジして食べるのがおすすめ。鏡開きの時期は地域によって異なるので、本記事で紹介した内容を参考に適したタイミングで実施するようにしてください。

※商品情報や販売状況は2024年12月20日時点でのものです。
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