近年世界的に需要が高まっているプラントベースミルク。どのような食品なのか、なぜ注目を集めているのかご存じでしょうか?本記事では特徴や利点、代表的な種類を解説します。

プラントベース、プラントベースミルクとは

ナッツ・オートミール・豆などが入った容器と、プラントベースミルクが入ったカップ

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「プラントベース」は「プラント(植物)」と「ベース(土台、主成分)」からなる言葉であり、植物由来の食品を積極的に選択する食生活のこと。欧米をはじめ、近年世界的に需要が高まってきています。

完全菜食ではないため、ベジタリアンやヴィーガンを目指すほどハードルは高くありません。健康やダイエットを意識する人たちにとって、比較的気軽に取り入れやすい食スタイルと言えるでしょう。

プラントベースミルクとは

「プラントベースミルク」は植物性原料でつくられたミルクの総称。健康志向の高まりから年々ニーズが増えており、近頃は大手カフェチェーンでも取り扱われ始めています。

身近なプラントベースミルクといえば、大豆でできたソイミルク(豆乳)が代表的。最近では牛乳や豆乳に次ぐ「第三のミルク」として、アーモンドミルク・ココナッツミルク・オーツミルク・ライスミルクなどもメジャーです。

プラントベースミルクのメリット

ナッツ・松の実・オートミールなどが入った容器と、ボトルに入ったプラントベースミルク

iStock.com/Natalia Lebedeva

乳糖不耐症や牛乳が体質に合わない人でも飲める

乳糖不耐症とは、牛乳を飲んだり乳製品を食べたりするとお腹がごろごろしてしまうこと。からだの中で乳糖を消化できないことにより起こります。

乳糖は牛乳や乳製品に含まれる成分。プラントベースミルクには含まれていないため、乳糖不耐症でも飲めるのが利点です。牛乳が苦手な人や牛乳アレルギーの人からも支持を集めています。

カロリーや脂質の低いものが多い

プラントベースミルクは牛乳よりもカロリーや脂質の少ないものが大半。たとえば牛乳は100gあたり61kcal・脂質3.8gであるのに対し、豆乳は43kcal・脂質2.8gです。

よって牛乳をプラントベースミルクに置き換えることで、手軽にカロリーと脂質をオフできるのがメリット。しかし、なかにはココナッツミルクのように100gあたり157kcal・脂質16gというものもあるため、ダイエット目的で取り入れる際は選び方に注意が必要と言えるでしょう。(※1,2,3)

▼100gあたりのカロリー、脂質量

乳製品のカロリー、脂質量

からだにやさしい

プラントベースミルクはコレステロールフリー。栄養価も高く、牛乳では摂取できない成分を含むものもあります。

種類ごとにその特性はさまざまなので、目的に合わせて選ぶことが大事です。(※4)

地球にもやさしい

SDGsの観点からも注目を集めているプラントベースミルク。生産にかかる環境負荷が牛乳よりも少ないため、地球にやさしいと考えられています。 

日持ちする

未開封であれば常温保存ができること、日持ちすることもプラントベースミルクの魅力。買い置きができるので、非常時用の備蓄食材にもおすすめです。

プラントベースミルクの代表的な種類とその特徴

アーモンドやココナッツなどが入った容器と、ボトルに入ったプラントベースミルク

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ソイミルク(豆乳)

プラントベースミルクの代表的存在といえばソイミルク(豆乳)。大豆が原材料になっており、カラダづくりに欠かせないタンパク質を豊富に含んでいます。牛乳からは摂取できないイソフラボンを含有しているため、乳がんや骨粗鬆症の予防を期待できるのも魅力です。

ただし大豆特有の風味があり、ややクセが強いのはデメリット。市場に多く出回っていて、気軽に入手しやすいのは利点と言えるでしょう。(※5)

アーモンドミルク

「第三のミルク」として知られるアーモンドミルクは、その名の通りアーモンドを原料につくられるミルクです。ナッツ特有の香ばしさや、あっさりとした後味が特徴。

抗酸化作用の強いビタミンEを豊富に含み、かつ吸収率が高いのも魅力です。(※6)

ココナッツミルク

ココナッツミルクは、ココナッツ種子の固形胚乳からつくられるプラントベースミルク。ココナッツ特有の風味と甘みが特徴で、クリーミーさや濃厚さも持ち味です。

豆乳やアーモンドミルクのようにそのまま飲むことはあまりなく、カレーやデザートの材料としてよく用いられます。先述の通り、カロリーや脂質はやや高めです。

オーツミルク

オーツ麦が原料のオーツミルクは、やさしい甘みとクリーミーな飲み心地が魅力。クセがなくて飲みやすいため、近年世界的にも話題に。

ほかのプラントベースミルクよりも牛乳に味が近く、料理やお菓子作りにも取り入れやすいのが利点。食物繊維の豊富さも支持を集めている理由のひとつです。(※7)

ライスミルク

ライスミルクは米や玄米からつくられます。ほのかに感じる自然な甘みが魅力です。

口当たりがサラッとしていてクセを感じにくいのも利点。プラントベースミルクを飲んだことがない人でも取り入れやすいアイテムと言えるでしょう。

ヘンプミルク

「ヘンプ」とは日本語で「麻」の意味。ヘンプミルクはヘンプシード(麻の実)でつくられるプラントベースミルクです。

日本ではまだあまり普及されていませんが、欧米では栄養価の高さが注目を集めています。味や香りにややクセがあるため、人によっては飲みにくく感じるのがデメリット。(※8)

プラントベースミルクという選択肢を

牛乳が飲めない人でも摂取できて、からだにも地球にもやさしいプラントベースミルク。さまざまな種類があり、今後もさらに需要が拡大していくと予想されています。あまりなじみのない人は、これを機に日々の食卓へ取り入れてみてください。種類ごとに特徴が異なるため、いろいろ飲み比べをすると自分好みのものが見つかることでしょう。

【参考文献】

※1 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」乳類/<牛乳及び乳製品>/(液状乳類)/普通牛乳

※2 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」豆類/だいず/[その他]/豆乳/豆乳

※3 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」果実類/ココナッツ/ココナッツミルク

※4 第109回 世界で拡大を続けるプラントベースとプラントベースミルクについて|一般社団法人 日本乳業協会

※5 豆乳の栄養成分|日本豆乳協会

※6 女性に嬉しいビタミンEの効果|アーモンドミルク研究会

※7 オーツミルク|スジャータめいらく

※8 ヘンプとサスティナビリティー|ヘンプフーズジャパン

(2025/02/18参照)

※商品情報や販売状況は2025年02月18日時点でのものです。
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