ライフスタイル&ヘルス2023/2/5 更新

ひな祭りとはどんな行事?由来や意味、ふさわしい食べ物をわかりやすく解説

女の子の行事とされる「ひな祭り」。いったいどんなことをおこなう行事なのでしょうか。この記事ではひな祭りの由来と意味、お祝いの仕方をわかりやすく解説しました。ひな人形の歴史や飾り方、お祝いの場を華やかに彩る食べ物についても詳しく紹介します。

子どもにもわかりやすく!ひな祭りとはどんな行事か解説

かわいらしい木彫りのひな人形

iStock.com/akiyoko

3月3日のひな祭りは、女の子の幸せと健やかな成長を願ってお祝いする日です。旧暦の3月3日は桃の花が咲く季節にあたるため「桃の節句」ともよばれます。

古代中国でおこなわれていた災厄を払うための行事が日本に伝わり、貴族の子女の遊びであったひいな遊びと結びついて、現在のひな祭りの形ができあがりました。

ひな祭りには何をする?

ひな祭りの準備でひな人形を飾っている

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ひな祭りは、上巳の節句である3月3日におこなうのが一般的です。家の中にひな人形と桃の花を飾って、女の子らしい彩りのある空間を演出するのが通例。さらに女の子の無病息災と幸せな成長を願い、ひな祭りにちなんだごちそうを囲み、家族や親戚でお祝いします。

ひな祭りの食べ物は、ちらし寿司やハマグリのお吸い物、ひなあられなどが定番です。春の和菓子である桜餅や、いちごたっぷりのケーキもお祝いの席を華やかに演出してくれますよ。

いつから始まった?ひな祭りの由来

ひな祭りは、中国から伝わった五節句のひとつである「上巳(じょうし・じょうみ)の節句」に由来します。旧暦の3月3日である上巳は3月最初の「巳の日(みのひ)」とされ、災いや穢れ(けがれ)を払うために水で体を清めて宴を催す習わしがありました。

日本に伝わったのは平安時代ごろといわれており、現代でも各地でおこなわれている「流し雛」の原型になったとされています。

なぜ女の子のお祭りに?ひな祭りの歴史

ひな祭りを祝う女の子の赤ちゃんとひな人形

iStock.com/kuppa_rock

平安時代に中国から日本に伝わった上巳の節句の習慣は、紙で作った人形(ひとがた)に自分自身の災厄をうつして川や海に流して清める「流し雛」となりました。

さらに、同じころに貴族の子女の間でおこなわれていたおままごと遊びである「ひいな遊び」と一緒になり、現在のひな祭りになったといわれています。

女の子の行事として雛人形を家に飾る習慣が定着したのは、江戸時代に入ってからです。やがて、女の子の成長と幸せを願って、家族や親戚みんなでお祝いする現在の形になりました。

ひな祭りの意味

前述したとおり、ひな祭りは古代中国の行事が日本に伝わり、さまざまな変遷を経て現在の形になりました。その過程のなかで、「女の子の健やかな成長を願う」という意味を持つ行事に。冬から春に変わり、気候も穏やかになる時期にぴったりの行事といえそうですね。

また、ひな祭りにはひな人形とともに桃の花を飾りますが、その理由も中国発祥です。桃の花には魔除けの力があると信じられており、病気や災いを遠ざけることから、縁起が良いものとして飾られるようになりました。

ひな祭りといえば「ひな人形」!いつからいつまで飾る?

腕を組んで考える若い女性

iStock.com/hisa nishiya

ひな人形を飾り始める時期

ひな人形を飾り始める時期に、この日からという明確な決まりはありませんが、暦のうえでは春になる立春から2月中旬ごろまでに飾るのが一般的です。ただし、上巳の節句にあたる3月3日の前日に飾るのはNG。葬儀と同じ「一夜飾り」となり、縁起の悪いものとされています。

ひな人形は上巳の節句が終わったら片付けるので、早めに出してひな祭りの華やかな雰囲気を盛り上げましょう。

ひな人形を片付ける時期

ひな人形をすぐに片付けないと婚期が遅れるとよくいわれますよね。季節の飾りであるひな人形をすぐに片付けるのは、大切なものを丁寧に扱い、身辺をきちんとするというしつけの意味が込められています。

ひな人形は3月3日が終わったら片付けるのが一般的。しかし、片付けを急ぐあまり、天気が悪く湿度の高い日にしまう必要はありません。ひな人形にとって湿気はカビや傷みの原因になります。よく晴れた乾燥している日に片付けるのが肝心です。

地域によっては4月上旬まで飾り続けることも。目安としては3月3日が終わってから2週間、3月の中旬ごろまでには片付けるようにするとよいでしょう。

ひな人形は何歳まで飾る?

ひな人形を何歳まで飾るかについても特に決まりはありません。各家庭によって異なるので、家庭の方針や地域の風習にそって決めましょう。

目安となるのが成長の節目。ひな人形は、病や災厄を払う持ち主にとっての守り神としての存在であることから、無事に独り立ちできたことが区切りの目安となります。進学や就職、結婚を区切りとするのがよいでしょう

ひな祭りの食べ物

ひな祭りに食べる赤、白と緑の菱餅

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菱餅

菱餅はピンク・白・緑の菱形の餅を重ねたもの。男雛と女雛にお供えする道具のひとつにもなっています。菱形の理由は諸説ありますが、繁殖力が強い菱にあやかり、子孫繁栄の願いを込めて菱の実をかたどったのがひとつです。

先のとがった菱の実はヒイラギのように魔除けの意味もあり、災厄を払うために形を模したともいわれています。

ひなあられ

ひなあられが食べられるようになったのは江戸時代ごろといわれており、菱餅を小さく砕いて煎ったおかきが原型とされています。関東では甘みのあるポン菓子、関西では塩味のおかきが一般的です。

ひなあられの色はピンク・白・緑・黄の4色。これは四季を表しており、一年を通して女の子の健やかな成長と幸せを願う気持ちが込められています。

ちらし寿司

めでたい行事の日に食べられるお寿司は、ひな祭りにふさわしい食べ物のひとつ。なかでも、たくさんの具材がのったちらし寿司は見た目も華やかで、女の子のお祝いであるひな祭りにはぴったりのごちそうです。

ちらし寿司に使われる具材には、長寿や子孫繫栄など縁起の良い意味が込められている海老・レンコン・豆などが使われています

ハマグリの吸物

ひな祭りにハマグリの吸物を食べるのは、平安時代に貴族の間でおこなわれていた「貝合わせ」という遊びが由来です。

二枚貝であるハマグリは、対になっている貝同士でないとぴったり合わないことから、夫婦円満の象徴とされています。良縁に恵まれ、一生幸せに過ごせるようにという願いを込めて食べられるようになりました。

白酒・甘酒

ひな祭りに白酒が飲まれるようになったのは江戸時代中期ごろ。女性の災厄を払うために飲むようになったという説や、老舗酒造が桃の節句に白酒を売り出して人気となり、毎年飲まれるようになったという説があります。

アルコールが含まれている白酒は子どもが飲めないため、最近では、白酒の代わりにアルコールが含まれない甘酒も飲まれています。

ひな祭りには女の子の健やかな成長をお祝いしよう

ひな祭りは古代中国の習慣に由来しており、日本に伝わってからは、女の子の災厄を払い、健やかな成長を願ってお祝いする行事となりました。美しいひな人形と豪華なお祝い膳を囲んで、ひな祭りを盛大にお祝いしてくださいね。

※商品情報や販売状況は2023年02月05日時点でのものです。
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