お中元は日頃の感謝を伝える大事な贈り物。相手に失礼のないよう、正しい渡し方をマスターしておきたいところです。本記事では贈る時期やマナーなどを徹底解説。手渡しするのではなく配送したい場合の注意点もお届けしますよ。

お中元の渡し方は「手渡し」or「配送」

「御中元」ののしが付いた品物

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お中元は本来、直接手渡しするのが正式なマナー。しかし相手が遠方に住んでいたり、多忙でアポイントメントが取れなかったりする場合は、配送でお贈りしても構いません。どちらでもマナー違反ではないため、状況に合わせて使い分けるとよいでしょう。

お中元の時期はいつ頃?

以下の表の通り、お中元を贈る時期は地域によって異なります。先方が住む地域の慣習に合わせるのが基本です。

ただし近年では全国的に時期が早まってきており、6月下旬頃に贈ることも珍しくありません。また関東の時期に合わせて贈るケースも増えてきていますが、この場合、相手によってはマナー違反だと思われてしまう可能性があるため注意が必要です。

地域別・お中元の時期一覧表

お中元を手渡しする際のマナー

赤い風呂敷に包まれた品物を両手で持っている様子

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お中元を手渡しする際は、相手に失礼のないようマナーを守って贈るのが大事。押さえておきたいポイントを7点解説するので、あらかじめチェックしておきましょう。

事前に連絡を入れてから伺う

約束もせずにいきなり訪問するのはマナー違反。事前に連絡をして、アポイントメントを取ってから伺うようにしましょう。

その際「お中元を渡したい」と直接的な表現をするのはNG。「夏のご挨拶に伺いたい」と伝えるのが一般的です。

身だしなみに気をつける

先方に快く出迎えてもらえるよう、身だしなみにも配慮するのが大事。ラフな格好は避けて、きちんとした印象を与える服装を選びましょう。

プライベートなら男性はシャツとスラックス、女性は膝よりも長いスカートやワンピースなどが定番。ビジネスシーンの場合は男女共にスーツを着用すると無難です。

なお個人宅を訪問する場合は靴を脱ぐ可能性が高くなります。素足で出かけないようにしてください。

チャイムを鳴らす前にコートや帽子は脱いでおく

夏場なのでコートを着ていることはあまりないかと思いますが、もし着用しているのであれば脱いでからチャイムを鳴らしましょう。帽子も取っておくのがマナーです。

時間通りに訪問する

当日は約束の時間通りに訪問するのが大事。10分も20分も早く着いてしまうと、先方を慌てさせてしまう可能性があります。

どんなに早くても到着は5分前までにして、逆に遅れてしまう場合は必ず連絡を入れるようにしましょう。

品物を風呂敷や紙袋に包んで持参する

品物が汚れてしまわぬよう、むき出しではなく風呂敷に包んで持参するのが正式なマナーです。風呂敷がなければ紙袋に入れても構いません。

風呂敷や紙袋から出して渡す

渡す際は品物を風呂敷や紙袋から出し、汚れや傷などの粗相がないかを確認してから差し出します。使用した風呂敷や紙袋はたたんで持ち帰るのが基本です。

先方と外出先で会う場合は、相手が持ち帰るときに困らないよう、紙袋のまま渡してもよいとされています。ただし「紙袋のまま失礼します」とひと言添えてください。

相手の正面に向けて両手で差し出す

品物は、相手が表書きを読める向きで渡すのがマナー。ひと言添えながら両手で差し出しましょう。

お中元を手渡しする際の流れ

緑色の風呂敷に包まれた品物を両手で持っている様子

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お中元を持参したら、相手に会ってすぐに渡すのではなく、室内に通されてから品物を差し出すのが基本です。先方が忙しい方であれば、玄関先で失礼するケースもあります。

それぞれ流れが異なるため、当日慌ててしまわないように手順を覚えておきましょう。

室内に通された場合

室内に通された場合、まずは時間を取ってもらえたことへの感謝を伝えましょう。続けて挨拶を済ませ、場の雰囲気が落ち着いたら品物を手渡します。

先述した通り、品物は風呂敷や紙袋から出して、粗相がないことを確認してから両手で差し出してください。

玄関先で渡す場合

利き手と逆の手でお中元を抱え、利き手で風呂敷や紙袋から品物を取り出します。反対の手に一旦持ち替えて、利き手で風呂敷や紙袋をたたんでから両手で相手に差し出しましょう。

一連の流れを立ったままおこなうため、少々もたついてしまうかもしれません。風呂敷や紙袋をサッとしまえるように、口の広いかばんを持って行くとスムーズです。

お中元を手渡しする際に添えるひと言

ピンク色の風呂敷に包まれた品物

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お中元を手渡しする際はちょっとしたひと言を添えるのが大事。「つまらないものですが」と過度に謙遜したり、「何時間も並んで買った」と苦労話をしたりするのはNGです。

プライベートシーンとビジネスシーンでの例文をそれぞれご紹介するので、挨拶に迷ったら参考にしてみてください。

プライベートシーンにおける挨拶の言葉

家族や親戚、お世話になった方などへお中元を手渡しするなら、日頃の感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。品物に関するひと言を添えるのもおすすめです。

・いつもありがとうございます。ほんの気持ちですがどうぞ
・日頃の感謝の気持ちとしてお持ちしました
・お口に合うとよいのですが、ぜひご家族でお召し上がりください
・甘いものがお好きと聞いたのでよろしければ......
・冷たいものなので早めに冷蔵庫にお入れください

ビジネスシーンにおける挨拶の言葉

取引先や職場の上司などへお中元を贈る場合は、挨拶で伺った旨をシンプルに伝えたり、これからもよい関係を続けたいという気持ちを表現したりするのが無難です。

・いつもお世話になっております
・心ばかりですがみなさんでご賞味ください
・こちら夏のご挨拶の品です。お納めください
・いつもご指導ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします

お中元を配送するときのマナー

「御中元」ののしが付いた品物

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お中元を配送する場合はどのような点に気をつければよいのでしょうか。ポイントを4つ解説します。

相手が受け取り可能な日時を確認しておく

お中元を贈ったはよいけれど、相手が不在にしていると、再配達を依頼する手間をかけさせてしまいます。品物によっては鮮度が落ちてしまうこともあるため、先方が受け取り可能な日時を事前にさりげなく確認しておきましょう。

送り状を郵送する

配送の場合は挨拶状の添付がむずかしく、品物だけを送ることになってしまいがちです。お中元は季節の挨拶も兼ねているため、ただ品物のみを送付するのはマナー違反とされています。

失礼に当たらないよう、相手の手元にお中元が届く前に送り状を郵送しましょう。

のし紙は内のしを選ぶ

のしには「内のし」と「外のし」があります。「内のし」とは包装紙の下、「外のし」とは包装紙の上にのしをかけることです。

お中元を配送する場合は、先方に届くまでにのしが汚れたり破れたりしてしまわぬよう、「内のし」を選びましょう。

取引先に送る場合は宛名に気をつける

取引先にお中元を配送する際は宛名に注意。会社宛に送付してしまうと、会社の規模によっては贈りたい相手に届かない可能性があります。

特定の人に届けたい場合は、部署名や担当者名まで書いたほうが安心です。

マナーを守って気持ちよく受け取ってもらおう

お中元はただ品物を渡せばよいというわけではありません。相手に気持ちよく受け取ってもらえるよう、マナーを守って贈るのが大事です。手配する時期や渡し方などに迷ったら、本記事でご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。

※商品情報や販売状況は2025年03月31日時点でのものです。
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