ライフスタイル&ヘルス2025/6/21 更新
日本に古くから伝わるお月見の風習。月を眺めることは知っていても、定義や行事食などについてよくわからない人も多いのではないでしょうか。本記事では2025年のお月見がいつなのかをお届けしつつ、発祥の由来や楽しみ方などを詳しく解説します。

「お月見」とは、旧暦の8月15日に月を眺めて楽しむ行事のこと。「中秋の名月」や「十五夜」とも呼ばれており、1年のなかで特に月が美しく見える日とされています。
昔は月の満ち欠けに基づく「旧暦」で生活を送っていましたが、現代では太陽の動きを基準とした「新暦(太陽暦)」が採用されています。
旧暦は1年が354日、新暦は1年が365日です。1年で11日のズレがあることにより、お月見の日付は毎年変わります。
2025年のお月見の日付は10月6日(月)。2026年は9月25日(金)、2027年は9月15日(水)、2028年は10月3日(火)となり、9月に当たることもあれば、10月になることもあります。
十五夜は必ずしも満月になるとは限りません。現に2025年も、十五夜は10月6日(月)ですが、満月になるのは翌日の10月7日(火)です。
その理由は、旧暦と月の満ち欠けの周期のズレにあります。旧暦では新月を1日として15日目を満月(=十五夜)と考えられていますが、実際の月の満ち欠けは一定ではありません。
よって、十五夜よりも早く満月がきたり、逆に遅れてやってきたりするのです。

中国には古くから月を眺める文化があり、唐の時代には旧暦8月15日の満月を「中秋節(ちゅうしゅうせつ)」として祝う習慣が広まりました。この風習が遣唐使を通じて日本にも伝わり、「お月見」として独自の形で発展していったとされています。
日本でお月見が行事として根付いたのは平安時代。貴族階級の間で広まり、月を眺めながらお酒を飲んだり、船上で詩歌(しいか)や楽器の演奏を楽しんだりして過ごしていたと言われています。
江戸時代に入るとお月見の風習は庶民にも定着。単に月を愛でるだけではなく、「豊作祈願」や「収穫物への感謝」の意味合いが強くなっていき、「十五夜祭り」として根付いていきました。

お月見には秋の収穫物をお供えしますが、豊作の象徴である稲穂はこの時期まだ実っておりません。よってススキを稲穂に見立てて飾るのが風習です。
ススキの茎は中が空洞になっており、神様が宿ると信じられていることもススキをお供えするようになった理由のひとつ。またススキの切り口は鋭いため、邪気や災いを追い払うという意味もあります。
お米の粉を満月に見立てて丸めた月見団子は、お月見になくてはならないお供えものです。豊作祈願や収穫物への感謝を示すほか、お供えしたお団子を食べることで月から力をもらい、1年の健康と幸せを得るという目的もあります。
お月見団子の数は十五夜にちなんで15個にするのが一般的。しかし地域によっては1年の満月の数と同じ12個(うるう年は13個)にしたり、簡略化して5個にしたりすることもあります。
十五夜は別名「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれています。里芋やさつまいもなどの芋類をお供えし、農作物への感謝や豊作の祈りを込めるのがひとつの風習です。
ほかにも秋の収穫物として、旬の野菜や果物などをお供えするのもならわし。なす・かぼちゃ・栗・柿・ぶどうなどがよく用いられます。
お月見は美しい月を眺め、豊作を祈願し、収穫物への感謝を示す大事な風習です。ほかにも月見団子を食べて健康を祈ったり、月見酒を飲みながら秋の夜長を過ごしたりと、さまざまな楽しみ方があります。
月やうさぎがモチーフになった飾りで部屋を飾るのも定番。お月見にまつわる絵本を子どもに読み聞かせして、行事の意味や大切さを伝えるのもひとつの過ごし方です。

月見団子は地域によってスタイルがさまざま。関東では白くて丸いお団子を少しつぶしてお供えしますが、関西では里芋のような形をしたお餅にあんこを巻き付けるのが風習です。
名古屋では白・ピンク・茶色をしたしずく型の月見団子が主流で、静岡ではおへそのように凹んだお餅にあんこをのせて食べるのがならわし。中国・四国・九州では串団子を用意し、あんこやきなこ、みたらしなどで味付けをします。
沖縄の月見団子は「フチャギ」と呼ばれており、小判型や俵型のお餅に塩ゆでの小豆をまぶして作るのが定番です。
お月見では月見団子以外にもさまざまな料理が食べられています。卵の黄身を満月に見立てて落とした「月見そば」や「月見うどん」はその代表格です。
現代では目玉焼きをサンドした「月見バーガー」や、卵黄を絡めて食べる「月見つくね」も定番化しています。
先述の通りお月見では秋の味覚をお供えしますが、それらを食べることもひとつの風習です。さつまいもや栗で炊き込みご飯を作ったり、柿やぶどうをデザートにアレンジしたりすることで、お月見気分に浸ることができます。

お月見といえば9〜10月におこなう「十五夜」がよく知られていますが、ほかにも「十三夜(じゅうさんや)」と「十日夜(とおかんや)」という月見行事があるのをご存じでしょうか。どちらも十五夜とは時期や意味、風習が異なります。
十五夜の文化は中国から伝わりましたが、十三夜は日本で生まれた独自の風習。十五夜に次いで月が美しい日とされており、月を愛でながら秋の収穫に感謝をするのがならわしです。
時期は旧暦の9月13日の夜(2025年は11月2日)。栗や豆が収穫できる頃なので、「栗名月(くりめいげつ)」「豆名月(いもめいげつ)」との呼び名もあります。
十五夜と十三夜は合わせて「二夜(ふたよ)の月」と呼ばれており、昔はセットでおこなうことが風雅なものとして定着していました。逆にどちらか片方の月しか見ないことは「片見月(かたみづき)」と言って縁起が悪いものとされていましたが、現代ではあまり気にする人は多くなく、むしろ十五夜だけを楽しむことのほうが主流になりつつある傾向です。
十日夜とは、旧暦の10月10日(2025年は11月29日)に実施する収穫祭のこと。おもに東日本を中心におこなわれています。
稲刈りがすべて終わる時期なので、田んぼの神様を山に見送ることが目的。田の化身とされるかかしにお供えものをしたり、「かかしあげ」といって、かかしと共にお月見をしたりするのが風習です。
「三月見(さんつきみ)」とは、「十五夜」「十三夜」「十日夜」を合わせた呼び名のこと。この3つの日がすべて晴れてお月見ができると、縁起がよいとされています。
日本の伝統行事への関心が薄れつつある現代。お月見の存在は知っていても、実際に月を眺めたりお団子をお供えしたりしている人は少なくなっているようです。そのような方は、今年こそぜひお月見という美しい文化に触れてみてください。十五夜に月を見上げるだけでも、季節を感じる風雅なひとときを過ごせることでしょう。
※商品情報や販売状況は2025年06月21日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。

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