夏至の頃に食べる食べ物といえば何を思い浮かべますか?あまりピンとこないという方もいらっしゃるかもしれません。この記事では「そもそも夏至って何?」という素朴な疑問から、地域別の夏至にゆかりがある食べ物、おうちで作れるおすすめレシピまでご紹介します。

そもそも夏至ってどういう日?

青空に太陽が輝いている様子

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夏至とは一年のなかでもっとも昼の時間が長くなる日です。日本を含む北半球では日の出から日の入りまでの昼の時間が一番長く、南半球では昼の時間がもっとも短くなります。

夏至は二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつです。二十四節気とは一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらに各季節を6つに分割。暦を24に分け、それぞれの季節の特徴を夏至や立夏、秋分などの言葉で表現しています。

天文学的に、夏至は太陽の黄道(地球からみた太陽の軌跡)上の位置を表わす黄経が90°に達する日のこと。日付は年によって変わりますが、毎年6月21日か22日頃です。

【地域別】夏至にゆかりのある食べ物

乳白色の器に盛られたタコ飯

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夏至の時期には全国的に旬の食材を料理に取り入れるのが一般的ですが、地域によっては夏至ならではの行事食があります。代表的な食べ物を紹介しましょう。

冬瓜(とうがん)【全国】

夏至の頃、全国の市場に出回る旬の野菜といえば冬瓜です。水分を多く含むためみずみずしく、クセのないさっぱりとした味わいは夏にぴったり。

スープや煮物、炒め物などいろいろな料理に使え、皮を厚めにむくとなめらかな食感に、薄めにむくと美しいヒスイ色になるのが特徴です。

冬瓜は夏至の食べ物として全国的に普及しつつありますが、特に静岡において夏至の食べ物として定着しています。

新小麦の焼き餅【関東】

関東では夏至の頃、新小麦を使った焼き餅を食べる風習があります。新小麦と餅米を混ぜてついたお餅を焼いたもので、別名は「小麦餅」。

昔から米と小麦の二毛作をおこなう農家が多く、田植えを終えた夏至の時期に豊作を祈願して作られたことに由来します。

タコ【関西】

関西で夏至によく食べられるものといえばタコ。マダコは地域によって旬が異なり、関東以北では冬が旬ですが、関西では夏が旬です。

夏至は田植えの時期でもあり、タコには「稲の根がタコの足のようにしっかり根付くように」という豊作への願いが込められています。

水無月(みなづき)【京都】

ガラスの皿に盛られた京都発祥の和菓子、水無月

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水無月は三角形のういろうに煮小豆をのせて固めた和菓子のこと。もっちりとした食感と上品な甘味が魅力です。古来より小豆の赤色には魔除けの力があると考えられてきました。

京都では6月30日に「夏越の祓(なごしのはらえ)」の神事が執りおこなわれます。この日に水無月を食べ、残り半年の無病息災を祈るのが習わしです。

いちじく田楽(でんがく)【愛知】

愛知の一部地域では、いちじくに甘い田楽味噌を塗って焼くいちじく田楽が夏至の定番食として親しまれています。いちじくは不老長寿の果物と称され、愛知が国内生産量No.1。

材料を串に刺して味噌を塗って焼く田楽は、もともとは豊作を祈る舞踊「田楽舞(でんがくまい)」が起源です。いちじく田楽には健康と豊作への祈りが込められています。

半夏生餅(はげっしょうもち)【奈良】

奈良では夏至の頃、半夏生餅を食べる風習があります。小麦と餅米を混ぜてついた餅にきな粉をまぶしたもので、半夏生(はんげしょう)とは夏至から11日目のこと。

半夏生餅は田植えを無事終えたことを神に感謝し、豊作を祈る行事「さなぶり」でお供えされたことから、「さなぶり餅」とも呼ばれます。

半夏生鯖(はげっしょうさば)【福井】

福井の一部地域では、夏至から数えて11日目の半夏生に焼き鯖を食べる習慣があります。脂ののった鯖を竹串に刺し、炭火でじっくり丸焼きにしたものです。

江戸時代に藩主が農民の労をねぎらい、滋養をつけさせるために鯖を食べることを奨励したことに由来します。

みょうが【三重】

みょうがは6月に旬を迎えます。三重では田植えが終わる夏至の頃、「お疲れさま」の意味を込めてさまざまな料理にみょうがを取り入れるのが伝統です。

なかでも、爽やかに香るみょうがの葉で餡入り饅頭を包んだ「みょうが饅頭」は、夏至の時期ならではの和菓子として親しまれています。

うどん【香川】

青いラインのある器に入れられたうどん

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夏至から11日目の半夏生の時期に、うどんを食べる習慣が根付いているのが香川です。半夏生の時期である7月2日は香川では「うどんの日」に制定されています。

ちょうど田植えがひと段落するこの時期に、農家が農作業を手伝ってくれた人に感謝し、新小麦で作ったうどんを振る舞うようになったことがきっかけです。

夏至におうちで作ろう!おすすめレシピ5選

1. とろとろ食感!冬瓜のそぼろ煮

白い器に盛られた冬瓜のそぼろ煮

やさしい味わいの冬瓜に鶏ひき肉のそぼろの旨味が絶妙にマッチ。やわらかく煮込んだ冬瓜のとろりとした食感がクセになります。冬瓜を下ゆでするというひと手間を加えることが、味を染み込みやすくするコツ。皮を薄めにむくときれいなヒスイ色に仕上がりますよ。

レシピはこちら|macaroni

2. おかわり確実!炊飯器でにんにくトマトの洋風タコ飯

白いスクエアタイプの皿に盛られた洋風タコ飯

タコの風味とにんにくの香りが食欲をそそる、イタリアンテイストのタコ飯です。炊飯器に具材を入れ、最後にトマトを丸ごとポンと置いたら、あとは炊くだけ。手軽に作れるうえ、味わいも見た目もリッチに仕上がるのがポイントです。夏至のごはんやおもてなしにもぴったり。

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3. 電子レンジでしっとりもちもち!水無月

和皿に盛られた京都発祥の和菓子、水無月

京都発祥の和菓子、水無月をおうちで作ってみませんか。甘納豆を使うと時短になり、土台のういろうは電子レンジで加熱するだけで作れます。ひと口食べると、もっちり食感とほどよい甘味の虜になるはず。切り分ける際は、水で濡らした包丁を使うのがコツです。

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4. 上品な甘さにうっとり!いちじくのコンポート

白い器に盛られたいちじくのコンポートとバニラアイス

いちじくを赤ワイン入りのシロップで煮込んで、甘さ控えめのコンポートに。いちじくのぷちぷちとした食感やまろやかな甘さが心地よく、ヨーグルトやバニラアイスとも好相性です。シナモンスティックやバニラビーンズを加えると、味に深みがでますよ。

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5. ワンパンで!ふっくら香ばし鯖のねぎ味噌焼き

白いスクエアタイプの皿に盛られた鯖のねぎ味噌焼き

鯖の旨味とコクのあるねぎ味噌が絡み合い、ごはんにもお酒にも合うひと品。フライパンひとつで作れるお手軽ワンパンメニューです。鯖は全体に焼き色がつくようにカリッと焼き上げることがおいしさの秘訣。味噌の種類を変えると味にバリエーションが生まれますよ。

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夏至にゆかりの食べ物を食べて季節を体感しよう!

夏至の食べ物には旬の食材や農耕文化、地域ごとの習わしなどが息づいています。この機会に、夏至という季節を楽しみ、ゆかりのある食べ物にも意識を向けてみてはいかがでしょう。ご紹介したレシピはおうちで簡単に作れるものばかり。ぜひ参考にしてくださいね。

※商品情報や販売状況は2025年03月26日時点でのものです。
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