中秋節とは、旧暦8月15日におこなわれる中国の伝統行事です。日本の「十五夜」「お月見」に相当する行事といえます。この記事では、中秋節の由来や風習を紹介。日本の十五夜との違いや、日本で楽しめる中秋節イベントも紹介しますよ。

中国の「中秋節」とは?中秋節の由来

大きな満月とススキ

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中秋節(ちゅうしゅうせつ)とは、中国の伝統的な秋の行事です。中国語では「中秋节(ヂョンチィゥジェ)」と表記します。中秋節には家族で集まり、月を眺めて過ごします。

中秋節の風習は、中国の唐時代にはじまりました。現在は、春を祝う行事「春節(旧正月)」に次いで2番目に大きな祭日とされています。

中国において丸い満月は「円満・団らん」の象徴です。さらに家族とともに過ごす風習があることから、中秋節は「団欒節(団円節)」とも呼ばれています。

今年の中秋節は何月何日?

2024〜2027年の中秋節の日付は、次のとおりです。

・2024年9月17日(火)
・2025年10月6日(月)
・2026年9月25日(金)
・2027年9月15日(水)

そもそも、中秋とは旧暦8月15日のこと。旧暦では7〜9月が秋とされており、秋の真ん中にあたる8月15日を中秋と呼んでいたのです。

月の満ち欠けに基づいた旧暦では、毎月15日は満月にあたります。とくに秋の月は美しいとされ、古来より8月15日には月を鑑賞する風習がありました。

お月見や十五夜、中秋の名月との違い

秋の植物に囲まれた月見団子

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日本で旧暦8月15日に月を眺める風習は、お月見や十五夜、中秋の名月と呼ばれています。

日本のお月見の由来は、中国の中秋節とされています。しかし、中国の中秋節は家族が集うイベントである一方、日本では秋の収穫を感謝する行事として親しまれてきました。

食べ物にも、中国の中秋節と日本のお月見の違いが見られます。中国の中秋節では月餅が食べられますが、日本では月見団子をお供えしてから食べるのが一般的です。

中秋節の過ごし方

皿に盛りつけられた韓国の松餅と、お茶が入ったふたつの茶碗

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中国で生まれ、現在は東アジアの各地でおこなわれている中秋節。中秋節の風習は、地域により違いが見られます。

韓国の旧暦8月15日は「秋夕(チュソク)」と呼ばれます。親戚一同が集まり、松餅(ソンピョン)をお供えして先祖に秋の収穫を感謝する一大行事です。

台湾の中秋節では、日本でもおなじみの柑橘「文旦」が食べられます。文旦の大きくて丸い形が家族円満を象徴すると考えられているんだとか。家族で過ごす中秋節にぴったりの果物ですね。

中秋節に欠かせない食べ物

木の皿に盛りつけられた月餅

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中国の中秋節には月餅が欠かせません。月餅とは、固めの皮で餡を包んだ焼き菓子のこと。丸い形が「家族の団らん」を象徴しており、家族で月餅を切り分けて幸福を祈りながら食べることが習わしとされています。

中秋節には、月餅以外にもかぼちゃやさつまいも、タニシなどの秋に旬を迎える食材が食べられます。

日本でおこなわれる中秋節

神奈川県「横浜中華街」の中秋節

横浜中華街では、中秋節に合わせてさまざまなイベントが開催されます。「お月見鑑賞会」は、美しい月を眺めながら月餅を食べ、音楽の演奏や踊りを楽しむ催しです。中華街の各店舗で販売される、期間限定の「中秋月餅」も見逃せません。

兵庫県「南京中華街」の中秋節

南京中華街の恒例イベントといえば、獅子舞や太極拳、舞踏など中国の伝統芸能のステージ披露です。獅子舞が中華街の店舗を訪れて赤い祝儀袋を食べる「獅子舞採青(ししまいさいちん)」が見られるのも、中秋節ならでは。限定販売される月餅も要チェックです。

中秋節とは家族が集う中国の伝統行事

中秋節とは、旧暦8月15日におこなわれる中国の伝統行事です。円満・団らんを象徴する月を眺め、月餅を食べて家族で過ごします。日本でも中秋節を祝うイベントが開催されるので、参加してみてはいかがでしょうか?

※商品情報や販売状況は2024年06月25日時点でのものです。
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