阪急メンズ大阪

前村 拓実

デニム

「オーセンジャパン」前村 拓実

profile

前職は「リーバイ・ストラウス」社に在籍。日本・香港オフィスに加え、日本人として初めてサンフランシスコ本社に勤務した経験を持つ。グローバルマーケットで、さまざまな形でファッション・デニム業界に関わって20年近く。昨年帰国し、自身のブランド「AUTHEN JAPAN」をスタート。TIMELESS・WASTELESS・BORDERLESSをコンセプトに、日本の職人技術、シンプルなデザイン、環境に配慮した素材や製法を意識しながら、デニムを中心としたサステナブルなライフスタイルを提案している。

偏愛するものとの出会い

自分の意思で初めてデニムを買ったのは中学生の頃。地元鹿児島の老舗ショップ「ジーンズショップマエムラ」で購入した“リーバイス501”でした。私の苗字と同じ店名だったので今でも鮮明に覚えています。当時はビンテージデニムが流行していて、それにまつわる雑誌もたくさん発行されていました。その影響もあり、アメリカ製セルビッチジーンズを生から履いていました。徐々に色が落ちて表情が変わっていく様子が楽しく、毎日のように履いていましたね。そこから20年以上が経ちますが、今でも愛着ある一本として所有しています。

リーバイス501

偏愛するものに出会って、変わったこと

デニムに出会ってからというもの、私にとって生活の一部になっています。ほぼ毎日着用しますし、どのデニムにするかが毎日のスタイリングの決め手になっています。キレイめにもカジュアルにも、どんなスタイルにも合わせられる汎用性と、時代を越えて長く着られる耐久性も大きな魅力です。品質の高い商品であれば、何年経ってもサイズさえ変わらなければずっと履けますし、他の製品にはあまりない製品寿命の長さはデニムならではで、リユース市場に出しても別の誰かが履いてくれます。そういった点も、私がデニムが好きな理由のひとつです。
人生の半分近い年月、数多くのデニム開発に携わってきました。また自身でも多くのデニムを所有していますが、デニムは今でも生地や加工技術が日々進化し、また時代とともに変化しています。古着のデニムも好きでよく購入しますが、同じデニムでも、時代や製造国、販売エリアによって、生地の雰囲気やフィット感、スタイルも大きく異なります。また、国を越えてどの時代でも文化を象徴するアイテムとしてデニムが存在します。時代や文化を、デニムを通じて読み解けるようになったことで、自身の考え方や価値観に大きく影響を受けましたし、現在のものづくりの根幹にもなっています。

フランス文化に根付いている香水

あなたの偏愛エピソードは?

ありがたいことに、「リーバイ・ストラウス」社での勤務中にデニムを通して世界の主要都市や生地産地、工場背景をみる機会をたくさんいただきました。どの街を訪れても、デニムは人々の生活の一部として暮らしに溶け込んでいましたが、10年近く過ごしたアメリカのカリフォルニア州での経験は、デニム発祥の地ということもあり特に影響を受けました。デニムは、都心ではサーファーやスケーターが日常着やファッションアイテムとして着ていたり、工場では労働着として、中部ではカウボーイが今でもユニフォームとして着用したりするなど、さまざまな形でデニムが文化と密接に根付いていました。また、カリフォルニアは映画や雑誌で見ていた憧れの場所でもあったので、目にするすべてがかっこ良く感じました。住んでいたのはサンフランシスコで、巨大IT企業が多く、先鋭的な技術や、さまざまな問題に対して自由な発想と行動力を持つ人や企業が多かったことも印象的でした。きれいなビーチ、青い空、広大な自然、すごしやすい気候。風土に溶け込む人や街、自由な発想とパイオニアスピリット、そしてデニムはカリフォルニアの象徴であり、文化そのものでした。
ずっとデニムとともに生きてきた私は、今までの経験を糧に、次のステージとして自身のブランドを立ち上げたいという夢がありました。日本は最も品質が高いデニムの産地として世界的に認められていますし、海外でもとても人気があります。逆に日本国内では、海外の文化やファッションに魅力を感じる方や、リスペクトしている方も多いと思います。私はそのどちらの価値観も併せ持っていて、私にしか提案できない商品やスタイルがあると自負があり、この想いからブランドをスタートしました。アメリカ本土で感じた文化や考え方と、世界的に認知された日本の素晴らしいものづくり。それらを融合させた、次世代の定番となる商品を作りたい想いを込めて、“本物”という意味のAUTHENTHICという言葉から、ブランド名を「AUTHEN」と名付けました。

パリのホテルのインテリア
パリの街並み

デニムと、それに合う日本の良いモノ、そしてライフスタイルを、世界に向けて発信したい。社会の問題解決に、自由な発想でソリューションを提案できるブランドをつくりたい。そんな思いで始めました。ブランドは始まったばかりですが、偏愛するデニムを通して、少しでも皆さまの生活に寄り添い、活力に繋がる商品やアイデアを提案していけたらと思います。
1月18日(水)~31日(火)(※最終日は18時閉場)の間、阪急メンズ東京7階BASE7にてイベントを開催。ご来場お待ちしています!

パリのホテルのインテリア

ド偏愛TOPページへ戻る

© HANKYU HANSHIN DEPARTMENT STORES, INC. All Rights Reserved.

このページのトップ