阪急メンズ大阪

「EDIT(h)」 葛和 建太郎

「ROLEX」OYSTER PERPETUAL
DATE SUBMARINER

「EDIT(h)」 葛和 建太郎

profile

大手レコード会社にてプロモーター・A&Rディレクターとして、クラブミュージック・ヒップホップ・ポップスなど、さまざまなジャンルのミュージシャンを担当。その後、世界50ヵ国以上を旅する。帰国後、創業1905年の朱肉ブランド「日光印」の6代目に就任。2018年、 自身のカルチャーに根差した感性と、朱肉や印章文化の技術や伝統を融合させたフレグランスブランド「EDIT(h)」 をパリにてローンチ。

偏愛するものとの出会い

30代になり、この「ROLEX」OYSTER PERPETUAL DATE SUBMARINERを父から譲り受けました。100年続く企業の跡継ぎになる前でしたので、身の丈以上の時計を着けていると感じましたし、それに伴う気持ちの変化もありました。盤面はブラックダイヤルでゴールドもあしらわれた、かなりクセの強いデザイン。スタイリッシュにつけるには、ファッションにもアイデアと工夫が必要になるアイテムです。

「ROLEX」OYSTER PERPETUAL DATE SUBMARINER

偏愛するものに出会って、変わったこと

先述の通り、かなりクセの強いデザインです。私の手に渡る前、父が着けていた時はかなり悪目立ちしているような印象でした(笑)。若い頃、ファッショントレンドはアメカジ全盛だったのですが、私はエスプリを感じさせるものが好きでした。また、音楽もクラブミュージックが好きで、ストリートファッションや当時のゲイカルチャーから影響を受けたような、モードな装いを好んで着ていました。そこは今も変わらないのですが、当時は長髪に髭、ピアスをやめて、スーツを着る毎日でした。ファッションやカルチャーが好きなのに、コンサバティブに収まるのが嫌で。一方で、30代になったのだから年齢なりに大人っぽくもなりたくて。高級時計やゴールドって、若い時はなかなか着けこなせないし、でも大人だからといってこれ見よがしに着けるのもかっこ悪い。この時計を受け継いだことを機に、『俺なりに着けこなすぞ!』と。以後、選ぶファッションや色にも変化が生まれました。高級なものって、日々成果を上げ続けていなければ手放さないといけなくなることもありますが、この時計を手放すことにならないよう、頑張らないと!という気持ちにも、ならなくはないですね(笑)。

モードな装いを好んでスーツを着る毎日

あなたの偏愛エピソードは?

この時計、譲り受けてから数回オーバーホールしているのですが、時間が早く進むんです。長い間調整せずにいると、実際の時間よりも10分近く進んでしまっていたりして。でもこれが、仕事の上ではありがたい時もあります。時計を見て「もう時間がない!」と焦った時に、実はちょっとした余裕があったりする。でも実際に何分進んでいるかは分からないので、時計に合わせて頑張ると、ご褒美時間が生まれたような感覚になります。

この時計を着けるようになって、スーツやセットアップスタイルが好きになりました。テーラードジャケットにも興味を持ちましたし、生地やラペルの型、ゴージライン、袖ボタンなどこだわるように。仕立てる時にも、時計との相性を気にすることが多いですし、モード系のセットアップを選ぶ時は、時計が袖からチラリと見えるのか、隠すのかは気にしています。
選ぶ服のテイストや色も、時計によって変化が生まれました。もともとは、モノトーンやちょっとデザイン性の強い服など、その時々で様々なテイストのファッションを着ていましたが、時計にあわせて、茶系やカーキ系など今まであまり選ばなかったアイテムを購入することも増えました。ブラック・ゴールド・シルバーと主役級の色が3色も使われた時計なので、ファッションでも、どの色を主役にしてコーディネートするか考えどころです。

選ぶ服のテイストや色も、時計によって変化が生まれました。

時計やメガネなど毎日身に着けるものは、忙しい朝にあまり考えずに選べるものがいいと思っています。合わせる服やバッグなどは、おのずとそれらに違和感なくコーディネートできるものが揃ってきます。時計は、もうこれが相棒なので、他の時計に目移りしないけれど、この時計に合うと感じたものに物欲が湧いたりもします。いつも同じものを身に着けることって、飽きてしまうこともあると思いますが、私にはいつも変わらないこの時計があることで、芯ができているという感覚です。この時計を通して、選ぶものの幅や考え方も広がったと思います。年齢によるものもあると思いますが、心の寛容性にも影響しているように感じます。

忙しい朝にあまり考えずに選べるものがいい

私は今、香水のブランドを営んでいますが、かれこれラインアップは10種類になりました。我々のつくる香水の在り方として、香りやモノづくりへの芯が通っていて、纏う人の新たな個性となる主張があること。しかしそれは押しつけではなく、その人らしさを引き立てるための数ある要素のひとつでしかないという寛容性をポリシーとしています。
装いの芯となる時計と、それを飾る周囲の要素は私のアティチュードの一因になっているかもしれません。ちょっと大げさかもしれませんが、こういった積み重ねが、年を重ねるとその人の心や雰囲気、在り様にも影響するのかな、と思います。

我々のつくる香水の在り方として、香りやモノづくりへの芯が通っていて、纏う人の新たな個性となる主張があること

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