幸運を願って、具だくさんの太巻き寿司を1本まるごと食べる「恵方巻き」。食べ方のルールがいくつかあり、なかでも重要視されているのが食べるときに向く方角「恵方」です。毎年節分の恒例行事となっていますが、恵方の意味をご存知でしょうか。この記事では、2024年の恵方や恵方の意味、行事の由来を詳しくご紹介します。

2024年・恵方巻きを食べる方角は?

方位磁石が北を指し示している3Dイラスト

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2024年の恵方(方角)は「東北東やや東」

2024年(令和6年)の節分は2月3日(土)、恵方は"東北東やや東"です。

節分とは、季節の変わり目である「立春・立夏・立秋・立冬」の前日のこと。年に4回ありますが、旧暦における一年の始まりの日「立春」の前日がもっとも重視され、節分といえばこの日を指すようになりました。2024年の立春は24日ですので、節分は23日となります。

恵方巻きは、節分に恵方を向いて食べると縁起がよいとされています。食べるときになって慌てないよう、あらかじめ方角を調べておくのがおすすめです。

方角を調べる方法

正確に方角を指し示す方位磁石があれば簡単に調べられますが、手元にない場合はパソコンやスマートフォンのアプリでも確認できます。

現在位置が把握できる地図アプリやコンパスアプリを参考にすれば、自分が向いている方角を知ることができて便利。このほか今年の恵方がひと目でわかる、恵方に特化したアプリもあります。自分に合ったものを活用して恵方を確認しましょう。

そもそも恵方巻きとは

巻きすの上に巻き寿司が3本積み上げられ、奥にある枡から大豆がこぼれている様子

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恵方巻きの由来

恵方巻の起源には複数の説がありますが、大阪が発祥との説が有力です。江戸時代末期、商業の街「船場」でおこなわれていた風習が由来であると言われています。

大阪の商人たちの間では、節分に太巻き寿司を食べて商売繁盛・家内安全を祈願するという習わしがありました。明治末期にはその地域の一般家庭にも浸透していったと考えられています。その後、大手コンビニで「恵方巻き」として販売されたことがきっかけで全国に広がりました。

恵方(方角)の意味

恵方とは、その年の福徳を司る神様「歳徳神(としとくじん)」がおられる方角のこと。歳徳神は"年神様""正月様"などとも呼ばれ、日本では古くから親しまれている神様です。

決められた方角を向いて恵方巻きを食べるのは、「何事も恵方に向かっておこなえば吉がもたらされる」という考えに基づき始まったと考えられています。

恵方(方角)の決め方

歳徳神のいる方角は毎年変わるため、その年により恵方も変わります。毎年変わると聞くと「たくさんあるのでは?」と思いがちですが、恵方は全部で4つ。「陰陽道(おんみょうどう)」により決められています。陰陽道とは、古代中国発祥の陰陽五行説をもとに、日本で発展した天文・暦の信仰的思想のことです。

恵方はその年の十干(じっかん/甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)によって変わります。

・甲・己の年......東北東やや東

・乙・庚の年......西南西やや西

・丙・辛・戊・癸の年......南南東やや南

・丁・壬の年......北北西やや北

2024年は「甲(きのえ)」ですので、恵方は「東北東やや東」となります。

恵方巻きを食べるときのポイント

マグロやサーモン、キュウリなどの具だくさんな巻き寿司が1本巻きすの上に置かれている様子

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恵方を向いて食べる

前述したように、幸運は歳徳神のいる方角からやって来るため、恵方を向いて食べることでご利益を得ることができると言われています。

方位磁石やアプリで方角を確認したら、その年の恵方にしっかりと顔を向け、願い事を頭に浮かべながら食べましょう。

1本を切らずに食べる

食べにくいから、大勢で食べたいからといって1本をいくつかに包丁で切り分けてしまうのはNG!これはよいご縁が切れる、幸運が途切れるといったことを連想させるからです。1人に1本ずつ用意しましょう。

また途中で休まず一気に食べることで、ご利益を逃さず取り込むことにつながると言われています。1本まるごとを休むことなく最後まで食べきりましょう。

しゃべらずに黙々と食べる

食べている途中でしゃべると、恵方巻きが口から離れてそこから運が逃げてしまうと言われています。願い事をしながら黙々と食べることで体の中に幸運が取り込まれ、願いが叶うという言い伝えも。

家族やお友達と一緒にいても、おしゃべりするのはグッと我慢。まるごと全部食べ終わるまでは静かに黙っていただき、楽しい会話はそのあとに取っておきましょう。

意味や由来を知って恵方巻きを楽しく食べよう

豆まきとともにすっかり定着した、恵方巻きを食べるという節分の一大イベント。もっとも吉とされる方角「恵方」を意識するのが、食べるときの重要なポイントのひとつです。

2024年の恵方は"東北東やや東"。あらかじめ方角を調べておいて、ゆっくり楽しく食べるのがおすすめです。一年の幸せを祈願して、おいしく恵方巻きをいただきましょう。

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※商品情報や販売状況は2024年01月08日時点でのものです。
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