豆まきとともに節分の恒例行事として定着しつつある「恵方巻き」。その年の恵方を向いて食べることがルールのひとつとなっていますが、名前にある「恵方」の意味はご存知でしょうか?この記事では恵方の意味と方角の決め方についてご紹介します。

恵方巻きとは

枡に入った大豆と巻きすにのった3本の太巻き寿司

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恵方巻きとは、立春の前日「節分」に縁起を担いで食べる太巻き寿司のこと。食べ方にはさまざまなルールが存在し、なかでも重要とされるのが食べるときに顔を向ける方角「恵方」です。恵方を向いて食べると願いが叶い、その年は幸運に恵まれると言われています。

「恵方」の意味

「恵方」とは、その年一年の福徳を司る神「歳徳神(としとくじん)」の所在する方角のことを指します。歳徳神は"年神様"とも呼ばれ、日本では古くから親しまれている神様です。「恵方に向かって事をおこなえばご利益が得られる」と言われ、節分の太巻き寿司もこれにならい、縁起を担いで恵方を向いて食べるようになったと考えられています。

歳徳神のいる方角は毎年変わるため、その年により恵方も変わります。

恵方巻きを食べる方角の決め方

女の子が恵方巻きを食べようとしている様子

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恵方は、古代中国発祥の自然哲学思想「陰陽五行説」をもとに、日本で独自に発展した天文・暦などの呪術体系「陰陽道(おんみょうどう)」の考えにもとづいて決められた方角です。

その年の恵方は、暦の表示に用いられる10の要素「十干(じっかん/甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)」によって変わります。

・甲(きのえ)、己(つちのと)の年......東北東やや東

・乙(きのと)、庚(かのえ)の年......西南西やや西

・丙(ひのえ)、辛(かのと)、戊(つちのえ)、癸(みずのと)の年......南南東やや南

・丁(ひのと)、壬(みずのえ)の年......北北西やや北

毎年変わると聞くと「たくさんあるのでは?」と思われがちですが、恵方は全部で上記の4方向です。

今年の恵方は?

今年2024年は「甲(きのえ))」ですので、恵方は東北東やや東"となります。来年以降の恵方は以下のとおりです。

2025......西南西やや西

2026......南南東やや南

2027......北北西やや北

2028......南南東やや南

2029......東北東やや東

2030......西南西やや西

2031......南南東やや南

2032......北北西やや北

方角の調べ方

北の方角を正確に指し示す方位磁石があれば、「東北東やや東」が簡単に確認できます。このほかスマートフォンのアプリを活用する方法も。

現在位置がわかるマップアプリを使うと、自分が今向いている方角を確認できます。また、恵方に特化したコンパスアプリもあるので、自分にあった使いやすいものを選んで活用しましょう。

恵方巻きを食べるときのポイント

木の板の上にのっている海鮮の恵方巻き

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恵方を向いて食べること以外にも、以下のようなポイントがあります。

1本を切らずに食べる

恵方巻きは切らずにまるごといただくのが吉とされています。"福を巻き込んだ"寿司を切ることは、せっかくの幸運が途切れる、よいご縁を切ることにつながるからです。1人につき1本ずつ用意しましょう。

しゃべらずに黙々と食べる

食べている途中でしゃべると恵方巻きが口から離れ、そこから福が逃げてしまうという言い伝えも。ご利益を逃さないよう、心の中で願い事を唱えながらしゃべらず黙々と食べましょう。おしゃべりは食べ終わったあと楽しんでくださいね。

方角の決め方を知って納得!恵方巻きを楽しく味わおう

今や恒例の行事食となった恵方巻き。七福神にちなみ7種の具材を入れた太巻き寿司や、豪華な海鮮巻き、食べやすい中細巻きなど、さまざまな種類の恵方巻きが販売されています。また、ご自宅でお好みに合わせて手作りするのもおすすめです。一年の幸運を祈願して、恵方巻きを楽しくいただきましょう。

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※商品情報や販売状況は2024年01月09日時点でのものです。
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