ライフスタイル&ヘルス2025/4/10 更新
5月5日は、こどもの日。こどもの日は、いつから始まったのでしょうか?また、端午の節句とは何が違うのでしょうか。この記事では、こどもの日の由来についてご紹介。あわせて、こどもの日にすることや食べ物についても解説します。
「こどもの日」は、昭和23年(1948年)に制定された祝日です。「国民の祝日に関する法律第2条」によると、"こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する"ことが目的とされています。
5月5日は「端午(たんご)の節句」とも呼ばれます。こどもの日と端午の節句は同じ日であるため混同されがちですが、本来はそれぞれ異なるもの。こどもの日は国民の祝日で、男女関係なく子どもの成長や健康を願う日です。一方、端午の節句は伝統的な年中行事で、男の子の健やかな成長をお祝いします。
端午というのは、もとは月の「端(はじめ)」の「午(うま)」の日という意味で、5月に限ったことではありませんでした。しかし、「午(ご)」と「五(ご)」の音が同じであることから、次第に端午の節句が5月5日に定まったと言われています。
こどもの日と端午の節句は別行事ですが、こどもの日の誕生には端午の節句が大きく関係しています。端午の節句の由来や歴史から、順番に見てみましょう。
端午の節句は、中国から日本に伝わったと考えられています。日本では奈良時代から端午の節句の行事がおこなわれていましたが、当初は男の子を祝う日ではありませんでした。当時の人々は、病気や災いを防ぐための節句として、菖蒲やよもぎを軒下に飾ったり、菖蒲湯に入ったりしていました。
鎌倉時代に入り武家社会に移ると、「菖蒲」と「尚武」(武士道を尊ぶことの意味)の音をかけて、端午の節句が尚武の節日として祝われるようになります。
そして、江戸時代になると次第に現在と近い形で端午の節句が祝われるように。将軍に男の子が生まれると玄関前に馬印や幟(のぼり)を立ててお祝いをし、この風習が一般の人々に広まっていきました。やがて、端午の節句には兜や人形、鯉のぼりが飾られるようになったのです。
第二次世界大戦の終戦後、昭和23年7月20日、こどもの日が制定されます。これは、それまで男の子の健やかな成長を願う日であった5月5日を、すべての子どもの健やかな成長を願う日として祝日とする請願が国会でなされたことがきっかけ。これにより、端午の節句である5月5日がこどもの日となったのです。
鯉のぼりは、中国のとある伝説に由来しています。黄河上流には流れの速い「竜門」という滝があり、そこを登りきった魚は竜になれるという「登竜門(とうりゅうもん)」という伝説です。
多くの魚がこの滝を登ることを試みましたが、登り切ったのは鯉だけ。成功した鯉は竜になって天へ登ったと言われています。このことから、立身出世の象徴として鯉のぼりが飾られるようになりました。
鎧や兜を飾るのは、武家の風習が始まりです。武士たちが戦いの前に身の安全を祈願して、鎧や兜を神社に奉納していたことに由来しています。そこから、子どもを病気や怪我、事故などから守ってほしいとの願いを込めて、鎧兜が飾られるようになりました。
菖蒲を風呂に入れる菖蒲湯は、奈良時代から続く慣習です。当時、菖蒲は邪気や悪鬼を祓う薬草とされていました。菖蒲湯の作り方は、まず菖蒲の葉を細かく刻んで布袋で包みます。それを洗面器などに入れて熱湯を注ぎ、精油成分を抽出。そして袋と抽出液を浴槽に注ぎ入れれば完成です。もちろん菖蒲をそのまま浴槽に入れるだけでも楽しめますよ。
柏餅(かしわもち)は、餡子をお餅で包み、柏の葉でくるんだ和菓子です。柏の木は、春に新芽が出てこないと古い葉が落ちないという特徴があります。そのため、家系が絶えない、子孫が繁栄するというイメージと結びついて、縁起の良い木とされてきました。そのような理由から、江戸時代の頃から柏餅が食べられるようになったと言われています。
ちまきは、もち米やうるち米を材料とした甘い餅菓子です。笹や茅(ちがや)の葉で巻かれ、細長い円錐形をしています。紀元前4世紀頃、中国の楚(そ)という国の政治家・屈原(くつげん)が、5月5日に川へ身を投じて亡くなりました。人々が屈原を供養するために川にちまきを流していたことが起源となり、やがて中国から日本にちまきが伝えられたと考えられています。
こどもの日の定番の食べ物といって思い浮かぶのは、やはり柏餅とちまきですよね。
近年はどちらも比較的手軽に手に入りますが、もともとはちまきは関西地方、柏餅は関東地方を中心に食べられていました。
柏餅やちまき以外にも「べこ餅(北海道)」「笹巻き(山形県)」「あくまき(鹿児島県」など、全国各地にこどもの日を祝う食べ物が存在しています。
また、出世魚のぶりや「勝つ男」という意味を込めたかつお、真っ直ぐに成長してほしいという願いを込めた「たけのこ」などもこどもの日の縁起ものとしてよく食べられています。
こどもの日に込められた思いはさまざまですが、子ども自身にとっては「家族で楽しく過ごせる日=こどもの日」なのかもしれません。今年のこどもの日は、子どもとこいのぼりを飾ったり折り紙で兜を折ったり、一緒に柏餅やちまきを食べたりと「子どもと楽しむ日」にすることを意識してみるのもおすすめです。
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