「賀寿(がじゅ)」とはなにかご存知ですか?「還暦」は知っていても、賀寿は聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。この記事では、長寿のお祝い「賀寿」について詳しくご紹介します。賀寿の種類やそれぞれの年齢・祝い方も解説するので、最後までぜひご覧くださいね。

「賀寿」とは

ピンクの和紙の上に置かれた金色の扇子と桜の小枝

iStock.com/Hana-Photo

「賀寿(がじゅ)」とは、「還暦」や「古希(こき)」、「米寿(べいじゅ)」など、長寿祝いの総称です。ほかに「算賀(さんが)」「年祝(としいわい)」「賀の祝い」とも言います。

賀寿の風習は奈良時代に中国から日本へ伝わり、貴族の間で広まったと考えられています。やがて江戸時代に、庶民に少しずつ浸透。当時は「人生50年」と言うほど平均寿命が短かったため、40歳から10年ごとに祝っていたようです。時代と共に寿命が延びると、60歳の「還暦」から祝うのが主流になりました。

ちなみに、77歳の「喜寿(きじゅ)」以降のお祝いはすべて、室町時代頃に日本で作られたと言われています。

長寿祝い「賀寿」の種類

賀寿の表

賀寿にはいくつかの種類があり、年齢ごとにそれぞれ呼び名が異なります。こちらの表では、60歳の「還暦」から100歳の「百寿」までを一覧にまとめました。何歳でお祝いするかや、プレゼント選びに役立つテーマカラーがわかるので、家族の長寿祝い時にぜひ参考にしてみてくださいね。

それぞれの名前の由来

・還暦......十二支と十干の組み合わせ(干支)が60通りあることに由来。人が生まれて60年目でこの干支が一巡するため、「生まれたときと同じ暦に還る」という意味を表す

・緑寿......「66」の数字が「ロクロク」と読めることに由来。77歳・88歳・99歳の賀寿があるのに66歳のお祝いがなかったため、平成14年に日本百貨店協会により誕生

・古希......唐の詩人・杜甫の詩「人生七十年古来稀なり」に由来。「古来より70歳まで生きる人はまれである」という意味

・喜寿......「喜」の字を草書体で書くと「七十七」に見えることに由来

・傘寿......「傘」の略字「仐」が「八十」に見えることに由来

・米寿......「米」の字を分解すると、「八」「十」「八」になることに由来

・卒寿......「卒」の略字「卆」が、「九十」に見えることに由来

・白寿......「百」の字から「一」を取ると、「白」になることに由来

・百寿......「百歳を迎えためでたい歳」という意味。「100年=1世紀」のため、「紀寿(きじゅ)」とも呼ぶ

「数え年」と「満年齢」どちらで祝うべき?

赤と金の和紙の上に置かれた2膳の祝い箸

iStock.com/Hana-Photo

賀寿はもともと数え年で祝うのが習わしでした。しかし現代では、満年齢でお祝いをする家庭が増えてきています。数え年と満年齢、どちらでも問題はありませんので、家族・親族間で話し合って決めるとよいでしょう。

ただし高齢者のなかには、ご自身の年齢を数え年でおっしゃる方が多くいらっしゃいます。祝う側と祝われる側で認識にズレのないよう、事前に確認してみてくださいね。

「数え年」「満年齢」のカウント方法

数え年

生まれた日を1歳とし、元旦(11日)を迎えるたびに、皆が一斉に年をひとつずつ加算するカウント法です。これは正月に「歳神様(としがみさま)」が訪れ、一年を生き抜く力を授けてくださることに由来しているのだとか。

また、人は世に生まれる前から胎内ですでに命を宿しているため、その期間(十月十日)を年齢に加えるべきだという思想にも基づいています。

満年齢

生まれた日を0歳とし、その後誕生日を迎えるごとにひとつずつ年を足していく数え方です。

今や当たり前のように使われている満年齢ですが、日本に入ってきたのは明治維新の頃。文明開化により西洋の慣習に合わせようとしたのが始まりです。しかし国民にはなかなか受け入れられず、一般に普及したのは第二次世界大戦後少し経ってからと言われています。

賀寿の祝い方

お祝いをする(お祝いを贈る)時期

パラパラとめくられたカレンダー

iStock.com/Kwangmoozaa

日取りに決まりはないので、家族がそろいやすいタイミングでお祝いをしてください。誕生日当日に限らず、正月・お盆・敬老の日・ゴールデンウィークなどでもOKです。

ただし主役の健康状態によっては、時期に配慮をする必要があります。状況に応じて、暑すぎず寒すぎない、過ごしやすい季節を選ぶようにしましょう。

贈り物の選び方・金額の目安

赤い風呂敷で包まれたギフトボックス

iStock.com/taa22

目上の方に現金を渡すのは無礼とされているため、なるべく品物を贈るのがベター。各テーマカラーにちなんだプレゼントを渡すのが定番ですが、食べ物にしたり、一緒に旅行に出かけたりするのもおすすめです。

金額は、贈る相手が親なら23万円、兄弟姉妹は13万円、祖父母は12万円が目安です。親戚・友人・恩師などは5千~1万円が妥当とされています。

表書き(のし)の書き方

紅白の水引が蝶結びに印刷されたのし紙

iStock.com/laymul

紅白または金銀の水引が蝶結びになっているのし紙を使います。表書きは、水引の上段に「祝○○」や「御祝」と書くのが一般的。(○○には「還暦」や「古希」など、お祝いの名称を入れます。)「○○御祝」としても構いませんが、4文字を「死文字」といって気にされる方がいらっしゃるので、避けたほうが無難です。

水引の下段には、贈る側の名前をフルネームで書きます。連名にする場合は、地位や年齢の高い順に、右側から記載してください。兄弟同士や孫全員で贈る場合は、「子供一同」「孫一同」としましょう。

大切な人の賀寿をお祝いをしよう

日本人の平均寿命が延びた昨今、「白寿」や「百寿」に比べ、「還暦」や「古希」は昔ほど珍しいものではなくなりました。とは言え、やはりおめでたいことに変わりはありません。大切な人の賀寿は、節目ごとにきちんとお祝いをしましょう。プレゼントを渡す際は、「これからも元気でいてほしい」という想いを必ず伝えてくださいね。

長寿祝いにおすすめの商品

※商品情報や販売状況は2022年03月11日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。