ウイスキーの正しい保存方法や保管場所を知っておくと、開栓後も風味が飛ばずに長い間おいしさをキープできます。本記事では、開栓前後の正しい保存方法をご紹介。さらに保管に適した場所やおいしく飲める期間、味が落ちたウイスキーの活用法を解説します。

ウイスキーに賞味期限はある?

グラスにウイスキーを注いでいる様子

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食品表示法では、ウイスキーを含む酒類に賞味期限の表示義務はありません。そのためウイスキーには、賞味期限の表示がないのが一般的です。

ウイスキーはアルコール度数が高いため、正しい保存状態かつ開栓前であれば、長期間安定的に品質を保てます。ただし保存の仕方によっては、香りや味わい、色合いに大きな影響を及ぼすことも。極力劣化をおさえて出荷時の味わいを楽しむためにも、適切な保存方法を覚えておくことが大切です。

ウイスキーを保存するときのポイント

何も置かれていないバーカウンター

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ウイスキーを保存するときには、「温度変化」「空気」「日光」の3大劣化要因を避けるのがポイント。保存条件を確認して極端な酸化を抑えられると、奥深いまろやかな経年変化を楽しめますよ。

極端な温度変化は避ける

極端な温度変化は、ウイスキーの香りや味を変化させます。年間を通して、室温が1020度程度の場所で保管しましょう。冷蔵庫は冷えすぎて香りが損なわれてしまうため、避けるのがベター。冷暗所のほか、ワインセラーで保管するのもおすすめです。

たとえ未開栓でも室温が高いとコルク栓が劣化して、中身が変化することがあるので要注意。高温多湿や熱を発する家電の近くは避けて保管しましょう。

日光を避けた冷暗所で保存する

紫外線に当たると、ウイスキー成分の変質や劣化の原因になります。大切なウイスキーを化学反応から守るためにも、直射日光や紫外線があたる場所での保管は避けてください。

冷暗所に置くほか、ウイスキーの外箱を保管箱として活用する方法も。外箱がない場合は、ボトルをアルミホイルで巻いて保管するのも有効です。

空気にふれさせない

長期間ウイスキーを保管する場合、できる限り酸素にふれさせないことが大切。徐々に酸化が進行して、味の劣化につながるためです。横に寝かせることで空気に触れる面積が増えてしまうので、ウイスキーは縦置きで保管しましょう。

長い間お酒を飲まないときや長期旅行の予定がある方は、パラフィルムと呼ばれるテープの活用がおすすめ。コルク栓の上から、密閉性を高めるパラフィルムをぐるぐる巻くことで、酸素や匂いをシャットアウトできます。開栓状況を問わず、保存状況が格段に向上しますよ。

ウイスキーの保存方法

いろいろな形状のウイスキー瓶が並んでいる

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ウイスキーの保存方法は、開栓前後で大きく異なります。それぞれに合った保管方法を押さえて、おいしさを長持ちさせましょう。

開栓前の場合

ウイスキーは冷暗所での保存が基本ルールです。室内でもっとも涼しい部屋を探して、直射日光のあたる場所や、家電近くの温度が高くなりやすい場所は避けて保管しましょう。冷蔵庫のでの保存は、ウイスキーの変質やにおい移りの原因となるためおすすめしません。

また保管場所にかかわらず、ウイスキーは「容器を立てた状態」での保存が理想的。天然素材のコルクで蓋をした瓶を横に寝かせて保存すると、時間の経過とともに収縮して、隙間から中身が漏れる場合があります。また、アルコール度数の高いウイスキーがコルク栓に長時間ふれることで、コルクの匂いが移ってしまうことも。空気に触れる面積を減らすためにも、縦置きが適しているのです。

おいしく飲める期間の目安

上記の適温適所で保存した場合、未開栓の状態であれば長期間安定した品質を維持できます。時間が経った古いウイスキーは、色合いや香り、沈殿物の有無を確認したうえで、問題がなければ一度味見をして飲用を判断してください。

なお、瓶詰め後のウイスキーを寝かせても熟成が進むことはありません。もっともおいしい状態で瓶詰めされているので、早めに消費するのがおすすめです。

開栓後の場合

開栓後のウイスキーの劣化を防ぐには、いかに空気をシャットアウトできるかがポイントです。一度開封すると、徐々にアルコール分が抜けて、少しずつ樽詰め後の香りが失われやすくなります。先ほどご紹介したパラフィルムを巻く方法や、プライベート・プリザーブ(※)を使って保存することで、酸化を緩やかにして長くウイスキーを楽しめます。

また、開栓前と同じく、開栓後のウイスキーも冷暗所での保存が鉄則です。直射日光があたる場所や高温多湿な環境、臭気が強い場所は避けて保管しましょう。適所が見つからない場合は、外箱にウイスキーを入れて冷暗所に置くかたちでも大丈夫。冷蔵庫での保存は、そのお酒本来の香りが失われるのでおすすめしません。

※プライベート・プリザーブ......ワインを保存する際に使用されるガスのこと。ウイスキーにも同様に使うことができます

おいしく飲める期間の目安

上記の方法で正しく保存した場合、開封後6ヶ月以内の消費であれば風味を損なうことなくおいしく飲めるでしょう。ただし、開栓後は中身が空気にふれて酸化しやすい状態となり、日が経つに連れて味が劣化しやすくなります。できる限り早めにお召しあがりください。

風味が落ちてしまったウイスキーの活用法

最後に、時間の経過とともに風味が変化したウイスキー活用法をご紹介します。少しアレンジを加えることで、おいしく飲めるようになりますよ。

ハイボールやカクテルにする

グラスに入ったハイボールが2つ並んでいる

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まずおすすめなのが、ハイボールやカクテルなどにする方法です。ストレートやロックはウイスキー本来の味がはっきりわかる飲み方ですが、炭酸水やノンアルコールドリンクで割ると違った印象が楽しめます。

ハイボールならウイスキーに炭酸を加えて、カクテルならコーラやジンジャーエール、りんごジュースをお好きな割合で加えてみてください。ウイスキーの個性によってできあがりの味わいが変わるので、自分好みの割合を探しましょう。

料理やお菓子に使う

木のトレーにスペアリブやサラダ、ソースが盛り付けられている

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半端に余ったウイスキーの活用方法として、料理やお菓子作りで消費するアイデアも。料理の風味を引き立てるほか、食材の臭み消し、アルコールの保水効果で肉や魚をしっとりさせる効果があります。

肉が抜群にやわらかくなる角煮や、スペアリブのウイスキー煮込み、ウイスキーの芳醇な香りを楽しむなら牛ステーキやソーセージのフランベがおすすめ。デザート作りなら、ビスコッティーやガトーショコラといった定番メニューに少量加えるだけで、ぐっと大人の味わいになりますよ。

長く楽しめるのがウイスキーの魅力

開栓直後の状態が最高においしいウイスキーですが、開栓後の変化を堪能するのも楽しみ方のひとつ。ウイスキーの正しい保存方法や保管場所を知っておくと、長い間ウイスキーの香りを飛ばすことなくおいしく楽しめますよ。味が落ちてしまっても、飲み方を工夫したり料理やデザート作りに活用したりして、最後まで余さず利用してくださいね。

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※商品情報や販売状況は2022年03月15日時点でのものです。
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