ワインとひと言でいっても、種類はさまざまです。赤、白、ロゼなどのタイプの違い、発泡、非発泡、アルコール添加しているかしていないか、種類によって味わいや好みも変わってきます。この記事では、ワインの種類を一覧として詳しくご紹介していきますよ。

醸造法によるワインの種類・名前一覧

テーブルの上に並べられたワイングラス

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ワインは、大きく「スティルワイン」、「スパークリングワイン」、「フォーティファイドワイン」、「フレーバードワイン」の4つに分けられます。これは、醸造法による分類になりますよ。以下では、各種類がどのようなワインなのかご説明していきます。

スティルワイン

スティルワインとは、私たちが一般的に飲んでいる非発泡性のワインのこと。

スパークリングワイン

スパークリングワインとは、発泡性のワインのこと。しかし、微発泡タイプのワインは、対象にはなりません。

フォーティファイドワイン

ワイン醸造中にアルコールを添加し、アルコール度数を高くし、ワイン自体の保存性も高めて造られたワインのこと。

フレーバードワイン

ワインに、薬草や果実、スパイスなどを加えた独特な風味を楽しめるワインのこと。

スティルワインとは

ブドウ畑の外の古い樽に白ワインと赤ワイン

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スティルワインとは、非発泡性のワインのこと。ワインのなかでは、購入しやすく、一番親しみやすい種類です。

ブドウを収穫後、ブドウ果汁または粉砕したブドウを発酵させて、樽やステンレスタンクなどで熟成させ、澱引きし、清澄・濾過のあと、瓶詰めをして完成させます。造り手によっては、樽で熟成させないところや、清澄・濾過をせずに瓶詰めするワイナリーもありますよ。

ワインのタイプは、赤、白、ロゼなど、味わいは辛口から極甘口までさまざまレパートリーがあります。

スパークリングワインとは

二つのグラスに注がれたスパークリングワイン

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スパークリングワインとは、発泡性ワインのこと。スパークリングワインのカテゴリーのなかには、発泡性ワインで有名な「シャンパーニュ」や「カヴァ」、「プロセッコ」なども入ります。

醸造方法は、各スパークリングワインごとに規制があり、造り方が違う場合があります。たとえば、「シャンパーニュ」はスティルワインと酵母、糖分を瓶に一本ずつ瓶詰めし、二次発酵させるトラディショナル方式です。また、タンクにワイン、酵母、糖分を入れ密閉し、大容量を一気に二次発酵させるシャルマ方式なども有名です。

醸造方法によって味わいや、香り、泡の強弱などが変わってきます。タイプは、赤、白、ロゼ、味わいも甘口から辛口までさまざま。購入時、醸造方法からスパークリングワインを選ぶのも面白いですよ。

フォーティファイドワインとは

グラスに注がれるデザートワイン

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フォーティファイドワインとは、醸造中にアルコール添加をすることでアルコール添加度数を上げ、保存性を高めたワインのこと。

アルコールを添加して度数を高くするので、「酒精強化ワイン」とも呼ばれていますよ。醸造工程中に、40%以上のブランデーやアルコールを添加することで、完成するワインのアルコール度数を15〜22%程度に高めます(スティルワインは、9〜15%程度)。

旨味・コクを強く感じられる味わいが特徴で、アルコール度数が高いため抜栓後も長くおいしい状態で飲むことができますよ。タイプは、赤、白、甘口〜辛口までさまざまです。

有名な銘柄は、スペインの「シェリー」、ポルトガルの「マデイラ」、「ポートワイン」、イタリアの「マルサラ」などがあります。

フレーバードワインとは

ネイビーの布の上に置かれたフレーバードワインが注がれたワイングラス

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フレーバードワインとは、ワインにハーブ、果実、香味料、エッセンス、スパイス、などを加えて造り上げたワインのこと。

ワインにさまざまなものを加えているので、ブドウの味わいだけではなく、独特な風味を楽しめますよ。そのままロックで飲む方もいらっしゃいますが、カクテルにしたり、氷やソーダで割ったりと、さまざまな飲み方で味わえます。

有名な銘柄は、白ワインをベースにしニガヨモギや香草、スパイスなどを加えた「ヴェルモット」、白ワインをベースに松脂を加えた「レッチーナ」、赤や白ワインに果物やスパイス、はちみつなどを加えた「サングリア」、冬に果物、香辛料やスパイスなどを加えて温めて飲む「グリューワイン」などがあります。

【赤・白・ロゼ】色合いによるワインの種類・違い

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ワインは、赤、白、ロゼなどタイプがいろいろあります。それぞれブドウ品種の違いや、醸造方法のちょっとした違いで、味わいや色合いなどが変わってきますよ。以下では、代表的なワインのタイプである、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインの特徴や違いをご紹介していきます。

赤ワイン

赤ワインには、主に黒ブドウといわれる表皮が紫色や黒みがかったものを使います。有名なブドウ品種だとカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワール、シラー、サンジョベーゼ、テンプラニーリョなどがありますよ。

醸造方法の特徴は、ブドウの果皮や種なども一緒に主発酵させること。これによって、赤ワインの特徴でもある赤い色合いになり、渋味や深みなどの味わいが加わりますよ。

また、白ワインやロゼワインよりも熟成期間が長いワインが多いのも特徴です。

白ワイン

白ワイン用のブドウ品種は、主にマスカットのような表皮が黄緑色や淡い黄色の白ブドウを使用します。有名なブドウ品種には、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、甲州などがありますよ。

赤ワインとの醸造方法の大きな違いは、主発酵をするときに、きれいなブドウ果汁を使用することです。一部特殊な醸造方法では、種や表皮などを一緒に醸造する場合もありますが、基本的にはブドウ果汁を発酵させるのが特徴です。

種や表皮の渋味、苦味を抽出しないので、飲みやすくフルーティーなワインが多く造られます。

ロゼワイン

ロゼワインは、醸造方法により赤ワイン用のブドウ品種も、白ワイン用のブドウ品種も使用しています。ロゼワインを購入する際は、どんなブドウ品種を使っているかよく確認してみてみるといいですよ。

ロゼワインの醸造方法は、赤ワインの製法、白ワインの製法、どちらも使われています。有名な醸造方法は、セニエ法。黒ブドウを使用し、ブドウを入れた発酵前のタンクの下部に、ブドウの重さで押し出された果汁を溜めます。それを別のタンクで発酵させ、ロゼワインにする方法です。

ほかにも、黒ブドウと白ブドウを同時に圧縮して発酵させる方法が認められている生産国もあります。このようにしてかわいらしいピンク色のロゼワインが完成するのです。

産地・醸造地区によるワインの種類分け

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ワインは世界各国で生産されています。また、同じ国のなかでも、地域や畑によって味わいが大きく変わるのが特徴的です。以下では、ワインが有名な国や、そのなかでも名の知れた生産地区などをご紹介していきます。

フランス

フランスは、ワインの生産量も多く、世界各国に輸入されています。またフランスの各地方ごとで生産されているワインのタイプが違いますよ。特に有名な地域は、ボルドー地方、ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方。以下で詳しく見ていきましょう。

ボルドー地方

ボルドー地方では、重厚で濃厚な赤ワインが多く、白ワインは極甘口な貴腐ワインが有名です。また格付けされたワインは高級で、10万円以上する商品もあります。

ブルゴーニュ地方

ブルゴーニュ地方は、赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネの栽培量が多く、赤・白ともに繊細でエレガントなワインが造られます。有名なボジョレー・ヌーボーは、ブルゴーニュ地方のボジョレー地区で生産されているワインですよ。

ロマネ・コンティやモンラッシェなどもブルゴーニュ地方で生産され、ヴィンテージワインのなかには1本100万円以上する高級品もあります。

シャンパーニュ地方

シャンパーニュ地方は、日本でも馴染みのある「シャンパン」が生産されている地方。赤ワインや白ワインも生産されていますが、有名なのはスパークリングワインであるシャンパーニュです。

白、ロゼタイプが造られていて、きれいな泡立ちと、旨味やコク、気品がある味わいが魅力的。唯一無二のスパークリングワインを造り上げる産地ですよ。

イタリア

イタリアは全州でワインを生産し、生産量でフランスと1、2位を常に争っている国です。特に有名な州は、「バローロ」や「バルバレスコ」、「アスティ」などが造られているピエモンテ州、「キャンティ・クラシコ」や「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」などが造られているトスカーナ州。またシチリア島やサルデーニャ島などでもワインが造られています。

イタリアは、土着品種が多く、イタリアでしか聞き慣れないブドウ品種も多く栽培してますよ。その点もイタリアワインの魅力です。

アメリカ

近年では、アメリカワインも有名になり、人気が高まっています。アメリカでは主にカルフォルニア州、ワシントン州、オレゴン州、ヴァージニア州、ニューヨーク州などでワインが造られています。

特に有名な産地は、カルフォルニア州。カルフォルニア州のなかでも、ノース・コースト、セントラル・コースト、シエラ・フットヒルズ、セントラル・ヴァレー、サウス・コーストと、細かく産地が分かれています。日本でも有名な地域であるナパ・ヴァレーがあるのは、ノース・コーストですよ。

アメリカワインは濃厚でパワフルなワイン、繊細でエレガントな果実味豊かなワインなど、産地によって異なる味わいを楽しめるのが魅力です。

ワインの代表的なブドウ品種

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ワインの味わいは、ブドウ品種によっても大きく変化します。渋味が強いワインか、フルーティーで飲みやすい甘味のあるワインかなど、自分好みのワインを見つけるためにも、ブドウ品種の特徴を押さえるのが重要です。以下では、有名なブドウ品種をご紹介しています。

シャルドネ

シャルドネは白ワイン用のブドウ品種。この品種を使ったワインは、クセがなくて飲みやすく、フルーティーな点が特徴的です。生産地や造り手によって味わいが変化するので、土壌や造り手の味わいを楽しみたい方や、飲みやすい白ワインがお好きな方へおすすめのブドウ品種ですよ。

主な生産地はフランス・ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方、イタリア、アメリカ、チリなど。世界各国で栽培されています。

ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランは、白ワイン用のブドウ品種。ハーブのようなさわやかさと、グレープフルーツやレモンのような柑橘系の風味が楽しめるワインが造られます。産地や造り手で風味は変化し、冷涼な地域のものはすっきり系に、温暖な地域のものは芳醇な味わいを感じられますよ。

主な生産地はフランス・ボルドー地方、ロワール地方、ニュージーランドなどです。

リースリング

リースリングは、白ワイン用のブドウ品種。極甘口〜辛口まで、さまざまなタイプのワインに用いられるブドウ品種ですよ。はちみつのような濃密な風味と、キリッとした酸味が特徴的です。

主な産地はフランス・アルザス地方、ドイツなどです。

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンは、赤ワイン用のブドウ品種。濃厚で重厚、奥深く渋味もある味わいの赤ワインができあがるブドウ品種です。特に、長期熟成できるワインに多くブレンドされているので、時間経過による変化を味わえるのが特徴ですよ。

主な生産地はフランス・ボルドー地方、イタリア・トスカーナ地方、アメリカ、チリ、アルゼンチンなどです。

メルロ

メルロは、赤ワイン用のブドウ品種。カベルネ・ソーヴィニヨンよりまろやかでやさしい味わいですが、重厚感のある濃厚な赤ワインができあがります。メルロのみの単一品種で造られるワインも多く、長期熟成にも耐えられる素晴らしいブドウ品種です。

主な生産地はフランス・ボルドー地方、アメリカ、イタリア、チリなどです。

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールは、主に赤ワインに用いられるブドウ品種。フランス・シャンパーニュ地方では、白・ロゼのシャンパーニュのブドウ品種としても使用されていますよ。ピノ・ノワールは果実味豊かで華やか、繊細でエレガントな風味が特徴的。ほどよい酸味とやさしい渋味で、きれいな赤ワインが造られます。

主な生産地はフランス・ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方、アメリカなどです。

ワインの種類をいろいろ試してみよう!

ひと言でワインといっても、醸造方法やブドウ品種によって味わいは大きく変わってきます。一般的に飲まれている「スティルワイン」や「スパークリングワイン」だけはなく、「フォーティファイドワイン」や「フレーバードワイン」も飲んでみると、奥深さを味わえ、新しい発見もあるはずです。ぜひ、いろいろなワインのタイプや種類を楽しんでみてくださいね。

※商品情報や販売状況は2023年11月04日時点でのものです。
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