りんごは秋から冬にかけて旬を迎えるイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。じつは収穫時期によりりんごの旬の時期は異なります。この記事では、4種類に分けられる旬の時期と代表的な品種、産地別のりんごの旬を紹介しますよ。

りんごの一般的な旬の季節は「冬」

カゴに入ったりんご

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りんごのシーズンは、少しずつ肌寒くなる10月から寒さの厳しい2月ごろにかけて。秋から冬に旬の時期を迎え、とれたてならではのフレッシュな味わいを楽しめます。りんごは10月ごろがもっとも収穫量が多くなりますが、品種によっても収穫時期が異なります。

収穫時期によって4つの種類に分けられる

りんごにはさまざまな品種があり、果実が熟する期間によって旬の時期が異なります。早い順に、8月上旬以降に収穫される「極早生種」、9月上旬から収穫される「早生種」、9月下旬から10月にかけて収穫される「中生種」、11月上旬以降に収穫される「晩生種」の4つに分けられます。

【極早生種・早生種】品種別のりんごの旬

極早生種と早生種について、それぞれの旬の時期と代表的な品種を紹介します。まだ暑さの残る時期の極早生種ならではの味わいと、りんごのシーズンを迎えるにふさわしい早生種のフレッシュな味わい、それぞれの品種ごとの特徴をまとめました。

極早生種(8月上旬~下旬)

木のボウルに入った青りんご

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8月上旬から下旬に収穫される極早生種。「ごくわせしゅ」と読み、さわやかな酸味が特徴で、夏の暑い時期にさっぱりと食べられるりんごです。極早生種は栽培されている量が少ないため、希少品種が多いのが特徴。以下で品種ごとの違いを紹介します。

夏緑

夏緑はつやのある緑色の果皮が特徴で、「夏に収穫される緑色のりんご」が名前の由来です。お盆のお供えものにもよく使われます。果汁が多く、甘酸っぱいさわやかな味わいは暑い夏にぴったり。流通量が少なく日持ちしにくいため、希少な品種とされています。

ブラムリー

ブラムリーはイギリス発祥の料理用りんごで「クッキングアップル」と呼ばれています。国内では長野県や北海道、岩手県などで栽培されています。甘さ控えめで酸味が強く、渋みもあるのが特徴。加熱すると果肉が柔らかくなるのでジャムやアップルパイ、肉料理のソースに適しています。

早生種(8月下旬~9月中旬)

テーブルの上のカットしたりんご

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早生種は「わせしゅ」と読み、8月下旬から9月中旬にかけて収穫されます。果肉は硬めでシャキシャキとした食感を楽しめるほか、酸味は穏やかで甘みが強いのが特徴です。果汁がたっぷりで生食やジュースにするとおいしく食べられます。

つがる

つがるは青森県で多く栽培されています。赤色の果皮に鮮やかな縞模様が入っているのが特徴です。果汁が多く含まれており、穏やかな酸味と豊かな甘みを楽しめます。果肉は硬めでシャキシャキとした食感が特徴。そのまま食べたりジュースにしたりするのがおいしい食べ方です。

きおう

主に岩手県で栽培されているきおうは、つやのある黄色い果皮が特徴です。濃厚な甘みがありながらも適度に酸味もあるため、後味はさっぱりとしてジューシーな味わいです。完熟したものは梨のようなサクサクとした食感があります。生食やジュースにするのがおすすめです。

【中生種・晩生種】品種別のりんごの旬

中生種と晩生種について、それぞれの旬の時期と代表的な品種を紹介します。旬の時期を迎える10月以降のりんごは種類が豊富。そのまま食べるだけでなく、ジュースやお菓子作りにも活用できます。それぞれの品種によって違う味わいや食感を楽しみましょう。

中生種(9月下旬~10月下旬)

赤色のりんごがぎっしりと並んでいる

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9月下旬から10月下旬にかけて収穫される中生種は、「なかてしゅ」と読みます。甘みと酸味のバランスがよく、食感もよいのが特徴です。りんごの旬のピークにあたるため、生食用からジュース、料理などの加工用までたくさんの種類のりんごが出回ります。

シナノスイート

シナノスイートは、おもに長野県で栽培されています。果皮は光沢のある赤色でシャキシャキした食感が特徴。シナノスイートという名前の通り、濃厚な甘みと芳醇な香り、ジューシーな味わいが楽しめます。生食が一番おすすめの食べ方です。

秋映

秋映はおもに長野県で栽培されています。完熟すると、果皮が深みのある濃い赤色になるのが特徴です。パリパリとした食感で、甘酸っぱい風味のりんごらしいおいしさ。たっぷりと果汁が含まれており、そのまま食べるのがおすすめです。

紅玉

明治期から栽培されている紅玉は、青森県が主な産地です。真っ赤な果皮と小ぶりなサイズが特徴で、ほかの品種と比較すると酸味が強く、加熱することで香りがより豊かになります。アップルパイやジャムなどお菓子作りにおすすめのりんごです。

むつ

むつは、主に青森県で栽培されている品種。袋がけして育てたものは果皮が赤色になります。袋をかけずに育てたものは果皮が黄緑色になり、「サンむつ」と呼ばれ区別されます。香りが豊かで果肉がやや硬めなのが特徴です。

トキ

青森県が主な産地であるトキは、ほかのりんごと比べると旬の時期が短めです。果汁がとても多く、ジューシーな味わい強い甘みと穏やかな酸味が特徴です。そのままでもおいしく食べられますが、ジュースやお菓子の材料にも適しています。

晩生種(10月下旬~11月中旬)

ケースに入ったたくさんのりんご

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晩生種は、10月下旬から11月中旬にかけて収穫されるりんごで「おくてしゅ」と読みます。晩生種は、甘みが豊かで香りも強く、貯蔵性が高いのが特徴。国産りんごの代表的な品種である「ふじ」もこの時期に旬を迎えます。

ふじ

ふじは東北地方や長野県などで広く栽培されています。果汁が豊富に含まれており、酸味と甘みのバランスがよく、日本のみならず海外でも人気の高いりんごです。蜜が入りやすく食感もよいので、そのまま食べるのに適しています。

シナノゴールド

主に長野県で栽培されているシナノゴールドは、きれいな黄色い果皮が特徴です。果肉は硬めで食感がサクサクとしており、甘みと酸味がしっかりしています。生食でもおいしく食べられますが、タルトやアップルパイなどの焼き菓子にも最適です。

王林

王林は、ふじや、つがるに次ぐ収穫量を誇る人気の高いりんご。王林の名前は「りんごの中の王様」という意味が由来です。果皮はきれいな黄緑色で、軽い食感と豊かな甘み、芳醇な香りが特徴。生食がおすすめの食べ方です。

【主要産地別】りんごの旬の時期

キッチンでりんごを食べる女性

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りんごの主要産地である青森県、長野県、山形県は、それぞれ独自の気候条件や栽培方法により旬の時期が異なります。各産地ごとに味わいや食感も微妙に違い、それぞれの特徴がありますよ。これらの違いを楽しみながらりんごをおいしく味わいましょう。

青森県

青森県はりんごの生産量が全国の約6割を占めており、品種別では「ふじ」が県内の生産量の50%を占めています。8月ごろから収穫される極早生種から11月末まで収穫される晩生種まで、栽培品種も多岐にわたるのが特徴です。代表的な品種であるふじは、青森県では10月末から11月上旬に収穫されます。

長野県

長野県はりんごの生産量が青森県に次いで全国2位の産地です。旬の時期は8月下旬から12月中旬にかけてとされます。長野県では、ふじは11月上旬から12月上旬ごろに旬を迎え、青森県より収穫時期が遅いのが特徴。日照時間が多く、昼夜の気温差が大きいため、色づきがよく甘みの強いりんごが栽培されています。

山形県

山形県もりんごの代表的な産地として有名です。ほかの地域で生産されているりんごを含む、多くの品種が栽培されており、9月から12月上旬ごろに旬を迎えます。山形県のふじの収穫時期は10月下旬から12月中旬にかけて。青森県や長野県と比べて長い期間収穫されます。

りんごが一年中楽しめるのはなぜ?

テーブルの上の赤いりんご

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りんごが一年中楽しめる理由は貯蔵方法にあります。りんごは収穫したあとも呼吸を続けており、そのままにしておくと味や鮮度が落ちてしまいます。

低温・低酸素濃度で貯蔵する「CA貯蔵法」の普及により、りんごの鮮度を保ったまま長期保存できるようになりました。6~9ヶ月間ほど保存できるため、秋に収穫したりんごを翌年の夏までおいしく食べられます。

品種ごとの旬をチェックして味わいを楽しもう

りんごは収穫時期や産地によって旬の時期が異なります。貯蔵技術の向上や海外りんごの輸入により、一年中りんごを楽しめるようになりました。お気に入りの品種の旬をチェックし、りんごの味わいを楽しみましょう。

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