はちみつは栄養が豊富で、美容・健康への作用が期待されています。この記事では、はちみつの栄養価や成分をはじめ、効能、上手に摂るコツなどを管理栄養士が分かりやすく解説します。

「はちみつ」にはどんな栄養が含まれている?

瓶入りのはつみつをハニーディッパーですくう様子

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はちみつは、ミツバチによって集められる花蜜です。「天然甘味料」「パーフェクトフード」「神の恵み」ともいわれ、昔から親しまれています。

はちみつは非常に栄養価の高い食品。甘いはちみつの主成分はやはり糖類ですが、そのほかにビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、ポリフェノールなどを豊富に含みます。(※1)

はちみつ100gあたりの栄養成分・カロリー

・カロリー:329kcal
・糖質量:81.9g
・ビタミンB6:0.02mg
・ナイアシン:0.4mg
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.1mg
・バリン:8.4mg
・ロイシン:9.3mg
・イソロイシン:7.4mg
(※2,3)

はちみつは砂糖の1/3の量でほぼ同じ甘さに

はちみつは砂糖の1/3の容量でほぼ同じ甘さになります。つまり、はちみつ小さじ1杯と砂糖大さじ1杯がほとんど同じ甘さということ。はちみつ小さじ1杯(7g)は23kcal、砂糖大さじ1杯(9g)は35kcalなので、同じ甘さでありながらはちみつのほうがカロリーを低く抑えられます。

また、砂糖よりもはちみつを選ぶことで、ビタミンB1、ビタミンB6、鉄、亜鉛などを摂取できます。(※2,4,5,6,7,)

はちみつの種類

瓶入りのはちみつとドライフラワー

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食品表示法に基づく「はちみつ類品質表示基準」によると、はちみつは主に5つに分類されています。

・はちみつ:天然の甘味物質。ミツバチが植物の花蜜を集めて巣房に貯蔵し、熟成したもの。

・精製はちみつ:臭い、色などを除去したはちみつ。

・加糖はちみつ:糖類を加えたはちみつ。はちみつの含有量は60%以上(重量百分比で換算)。

・巣はちみつ:幼虫のいない新しい巣房にミツバチが貯めたはちみつのこと。巣の全体または一部を封入して販売される。

・巣はちみつ入りはちみつ:その名の通り、はちみつに巣はちみつを加えたもの。

天然の栄養成分を摂りたいという方には、加工された「精製はちみつ」や「加糖はちみつ」よりも「はちみつ」や「巣はちみつ」がおすすめですよ。(※9)

はちみつの美容効果・健康効果

木製のスプーンではちみつを注ぐ様子

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ポリフェノールの抗酸化作用

はちみつには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。抗酸化作用は、生活するうえで発生する活性酸素を取り除くはたらきのことです。

活性酸素によって体が酸化してしまうと、病気、老化、肌トラブルの原因になります。酸化から体を守るために、はちみつのポリフェノールが役立つと考えられますよ。(※1)

亜鉛とビタミンB群で肌を美しく健康に

はちみつに豊富な亜鉛とビタミンB群。亜鉛は新陳代謝を活発にする作用が期待でき、肌の細胞の生まれ変わりを促して、美しい肌の維持につながるといわれています。

ビタミンB群であるビタミンB6、ナイアシンはどちらも皮膚・粘膜の健康をサポートしてくれますよ。またビタミンB6は、たんぱく質の合成・分解を助けたいときにおすすめです。(※1,10)

ブドウ糖や果糖による疲労回復

はちみつの約80%を構成するのが、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、オリゴ糖といった糖分です。ブドウ糖や果糖は体内に入ると短時間で吸収され、エネルギーに変わります。そのため、はちみつは疲れているときや弱っているとき、胃腸に負担をかけたくないときにぴったりの栄養源です。

ブドウ糖や果糖は速やかにエネルギーに利用されます。また、脂肪になりにくいことも分かっており、はちみつはダイエット中にも取り入れやすい食品といえます。(※1)

オリゴ糖・グルコン酸で便秘対策

はちみつは、オリゴ糖とグルコン酸が豊富です。オリゴ糖は腸内の善玉菌を増やす作用があり、腸内環境がよくなると便秘対策に役立ちます。また、グルコン酸も腸内環境を整える作用が期待できますよ。

ヨーグルトに使用される乳酸菌は善玉菌のひとつです。生きて腸まで運ばれる乳酸菌は「プロバイオティクス」といいます。一方、オリゴ糖は「プレバイオティクス」といい、プロバイオティクスの栄養源としての役割がありますよ。(※1,11)

はちみつを摂取する際の注意点

ガラス製の器に入ったはちみつを子どもの手で持つ様子

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腸内環境が整っていない1歳未満の子どもが食べることはリスクが高く、はちみつに含まれるボツリヌス菌の毒素によってさまざまな症状を引き起こすおそれがあります。1歳未満の子どもにはちみつは与えないよう注意してください。

また、はちみつの主成分は糖質なので、過剰に摂取すると太るおそれがあります。日ごろから血糖値が高いというような持病をお持ちの方は、医師の指示に従い糖質の摂取量に気をつけましょう。

はちみつは、ほかの糖類と合わせて一日25gまでを目安に摂るといいですよ。これは、WHO(世界保健機関)のガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」を参考にした場合の値です。(※2,12,13,14,15)

はちみつの栄養を上手にとるコツ

ヨーグルトにはちみつをかける様子

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ヨーグルトと合わせる

乳酸菌の多いヨーグルトに、オリゴ糖を含むはちみつを合わせると、腸内環境にいい食べ方ができます。

生きたまま腸に届きはたらく乳酸菌を「プロバイオティクス」、その栄養源となるオリゴ糖を「プレバイオティクス」といいます。両者を組み合わせて摂る方法は健康によく「シンバイオティクス」と呼ばれていますよ。(※1,11,16)

砂糖の代わりにする

砂糖の代わりにはちみつを使うと、1/3の容量でほぼ同じ甘さを得られます。はちみつのほうがカロリーを抑えられるうえに、ミネラルやビタミンなども豊富です。

ドレッシングや飲み物を作るとき、砂糖の代わりにはちみつを使用してみるのがおすすめ。とても手軽なので、ぜひお試しください。(※2,4,6)

栄養バランスを意識する

はちみつは栄養豊富ですが、健康によさそうと思って摂り過ぎると糖質が過剰になってしまいます。過剰な糖質は中性脂肪として蓄えられ、肥満や病気につながるおそれも。

健康のために、食事は栄養バランスが大切です。はちみつは適度に、栄養バランスを考えたうえで取り入れてくださいね。(※2,13,17)

管理栄養士が選ぶ。人気のはちみつ商品5選

1. 藤原養蜂場「藤原黄金蜂蜜「ゆりの木」500g」

ボトル入りのはちみつ
4,504円

明治34年創業の老舗「藤原養蜂場」のはちみつです。すっきりとした甘さがおいしく、くせがないので、どんな料理にもマッチしますよ。砂糖代わりに煮物や酢の物、ドレッシングなどに使ってみてくださいね。

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2. マヌカヘルス「マヌカハニーMGO115+/UMF6+ 250g」

瓶入りのマヌカハニー
3,240円

濃厚な色合いと、クリーミーな甘さが特徴の「マヌカハニー」。こちらはニュージーランドに本社を置く「マヌカヘルス」の商品です。毎日スプーン1~2杯を目安にして、紅茶やコーヒーに入れる以外に、そのままでもおいしく味わえますよ。

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3. ミールミィ「国産蜂蜜3種食べ比べセット」

4,806円

蜂の巣をイメージしたかわいい瓶に蜂蜜たっぷり。定番の蜂蜜3種類を食べ比べできるセットです。蜂蜜専門店「ミールミィ」。ハニーハンターが養蜂家を直接訪ね、選んできた蜂蜜だけを販売しています。それぞれ個性のある風味を楽しめるので、ぜひ食べ比べしてみてくださいね。

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4. ハッチ1912「メキシコ産オレンジはちみつ」

瓶入りのオレンジはちみつ
1,026円

カリフォルニア産のオレンジから採蜜された「オレンジはちみつ」です。さんさんと降り注ぐ太陽を彷彿とさせるような、ほどよい酸味が楽しめます。女性にとくに人気の商品なので、女性へのギフトにいかがでしょうか。

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5. ハッチ1912「はちみつゆずドリンク」

瓶入りはちみつゆずドリンクの素
3,024円

ゆずならではの清涼感あふれる風味を堪能できる「はちみつゆずドリンク」です。配合されているのは国産はちみつと国産ゆず果汁。飲み方は、冷水、お湯、炭酸水などで5倍以上に薄めるだけなので、簡単です。

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阪急百貨店オンラインストアで人気のはちみつをチェック

はちみつの商品をお求めの方は、阪急でのお取り寄せも便利です。先に紹介したほかにも季節限定品の取り扱いがありますよ。最新の品揃えはぜひ、下記リンクからチェックしてくださいね。

はちみつの人気商品はこちら|阪急フード

はちみつの栄養を健康・美容に活かそう!

はちみつは糖質のほかに、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなどを含み栄養豊富。はちみつの栄養を手軽に摂りたい方は、砂糖代わりに使う方法がおすすめですよ。はちみつは健康・美容への作用も期待できます。適量を意識して活用してくださいね。

【参考文献】

※1 はちみつ | 成分情報 | わかさの秘密

※2 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」砂糖及び甘味類/(その他)/はちみつ

※3 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」砂糖及び甘味類/(その他)/はちみつ

※4 広報つるがしま「みんなの健康」坂戸保健所(2017.08)

※5 はちみつ(小さじ)のカロリー|あすけん簡単カロリー計算

※6 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」砂糖及び甘味類/(砂糖類)/車糖/上白糖

※7 白砂糖(大さじ)のカロリー|あすけん簡単カロリー計算

※8 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」砂糖及び甘味類/(砂糖類)/車糖/上白糖

※9 はちみつ類品質表示基準実施要領|東京都保健医療局

※10 ビタミンB群 | 成分情報 | わかさの秘密

※11 乳酸菌 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

※12 ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。|厚生労働省

※13 炭水化物 / 糖質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

※14 糖尿病内科|中村内科医院

※15 世界保健機関(WHO)、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」を発表|食品安全関係情報詳細

※16 健康食品の素材情報データーベース|シンバイオティクス [英]Synbiotics [学名]-

※17 ちょうどよいバランスの食生活 - 農林水産省

(2024/03/10参照)

※商品情報や販売状況は2024年03月07日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。