一年中スーパーの店頭に並んでいる「きのこ」。秋が旬の食材とされていますが実際はどうなのでしょう。この記事ではきのこの種類別に特徴や主な産地、旬の時期、おすすめの食べ方についてまとめました。おいしく食べるための保存方法や調理法、おすすめレシピもあわせてご紹介します。

天然きのこの旬は「秋」

竹籠に盛り付けたさまざまな種類のきのこ

iStock.com/ahirao_photo

きのこは煮ても焼いてもおいしく、手軽に買える身近な食材。一年中お店に並んでいるのは、ほとんどが施設内で人工栽培されているためです。

日本には多種多様なきのこが自生しており、松茸やぶなしめじなど食用天然きのこの多くは秋に旬を迎えます。そのことから、きのこの旬は秋とされていますよ。

秋に食べたい!きのこの種類一覧

1. しいたけ

網の上で焼いているしいたけ

iStock.com/kazoka30

日本で流通するしいたけのほとんどは、ハウスや施設内での人工栽培です。主な産地は徳島県、岩手県、北海道。路地栽培や天然ものの旬は、春の4~5月と秋の10~11月です。

肉厚でジューシー、旨味の濃い味わいが特徴。素焼きや肉詰め焼き、天ぷら、煮物や鍋物の具材などさまざまな料理に適しています。

2. まいたけ

まいたけもほとんどが人工栽培で、新潟県、静岡県、福岡県などが主な産地です。天然ものは秋の10月頃が旬の時期

香りが強く歯切れのよい食感が特徴で、炊き込みごはんや汁物・煮物の具材、天ぷら、炒め物などに適しています。煮汁に色が付きやすいため、淡い色合いの煮汁に仕上げたい場合は、湯通ししてから使うのがおすすめです。

3. ぶなしめじ

ぶなしめじもほとんどが施設内で人工栽培されており、「しめじ」の呼び名で一年中出荷されています。主な産地は長野県、新潟県、福岡県天然ものは9~11月が旬です。

クセのない淡白な味わいとぷりっとした弾力のある食感が特徴。さまざまな料理と相性がよく、汁物や煮物、炒め物、和え物、マリネと使い勝手が抜群です。

4. 松茸

竹籠にのせた松茸とすだち

iStock.com/Promo_Link

秋の味覚を代表する松茸。人工栽培ができず天然ものも収穫量が少ないため、希少価値が高いきのこです。そのため国内産はとても高価。主な産地は長野県、岩手県、宮城県で、旬の時期は9~10月頃です。

芳醇な香りと歯切れのよい食感が特徴で、松茸ごはんやお吸い物、土瓶蒸し、すき焼きが定番の食べ方です。中国産や韓国産も輸入されており、国産よりも安価ですよ。

5. ひらたけ

ひらたけはその名の通り、平たいかさが重なるように大きな株を作るきのこ。人工栽培されているため一年中出回っていますが、天然ものは晩秋から春先が旬です。

主な産地は、新潟県、福岡県、長野県。香りと歯触りのよさが特徴で、鍋物や汁物などの和食はもちろん、ソテーやパスタなど洋食とも好相性です。

6. なめこ

器に入れたなめこの株

iStock.com/Promo_Link

なめこもほとんどが施設内で菌床栽培されていますが、天然ものや屋外で原木栽培されているものの旬は10月~11月中頃です。主な産地は長野県、新潟県、山形県

かさは黄土色をした半球形で、全体に独特のぬめりがあります。みそ汁の具材や麺類のトッピング、さっとゆでて和えものにするなどがおすすめの食べ方。つるんとした食感が魅力です。

7. エリンギ

エリンギはヨーロッパ原産のきのこです。日本で天然ものはなく、1990年代以降に人工栽培が普及したことで流通するようになりました。

主な産地は長野県と新潟県。弾力のある食感とクセのない香りと味わいが特徴で、ガーリックソテーや炒め物、汁物の具材に適しています。ヨーロッパでは11~12月が旬の時期です。

8. えのきだけ

まな板の上のえのきだけ

iStock.com/CreatiVegan

えのきだけは日本でもっとも多く施設内栽培されているきのこ。軸が細長く白い色をしています。主な産地は長野県と新潟県冬が旬で「ユキノシタ」とも呼ばれています。

焼くとシャキシャキ、煮るとトロミのある食感で、ソテーから鍋物まで、幅広い料理に適していますよ。天然ものは形が全く違い、かさが大きく茶色で軸も短いです。

9. マッシュルーム

マッシュルームの原産地もヨーロッパです。日本では自生しおらず、出回っているものはすべて人工栽培です。主な産地は千葉県、岡山県、茨城県

丸く肉厚なかさが特徴で、ホワイト種やブラウン種などがあります。旨味があり歯触りがよく、シチューや炒め物、アヒージョなどにぴったり。新鮮なホワイト種は生食できるため、薄切りにしてサラダにトッピングするのもおすすめです。

10. きくらげ

ざるの上にのせたきくらげ

iStock.com/karimitsu

日本のきくらげはほとんどが人工栽培で、「あらげきくらげ」という種類が大半です。主な産地は熊本県、福島県、岐阜県など。天然ものは6~9月の夏が旬です。

褐色で耳のような形をしており、裏側にビロード状の白く細い毛が生えています。生きくらげはプリプリとした食感が特徴。ひと口大に切り炒め物に、湯通ししてから細切りにして和え物にするとおいしいですよ。

きのこをおいしく食べるためのコツ・ポイント

角皿にきのこのソテーを盛り付けた様子

iStoc.kcom/Yuki KONDO

基本は水洗い不要

市販のきのこのほとんどは、施設内で衛生的に人工栽培されているため、洗う必要はありません。水で洗うと風味や食感が落ちてしまうので、汚れが付いているときは水で湿らせたキッチンペーパーでそっと拭き取りましょう。

天然きのこは水洗いする 

一方、きのこ狩り等で入手した天然きのこの場合、種類によっては水洗いの下処理が必要です。目に見えるごみを取り除いてから、塩水に数時間つけて虫出しをします。

また、松茸は市販でも天然ものなので、ほこりや土を落とすため軽く水洗いするのがおすすめ。水を張ったボウルに浸けてさっと洗い、水気をキッチンペーパーで拭き取ります。そっと丁寧に扱い、短時間でおこなうのがポイントです。

上手な保存でおいしさアップ

冷蔵庫の扉を開ける様子

iStock.com/Siewwy84

きのこは湿気に弱い食材です。冷蔵保存する際、ムレによる傷みを防ぐためキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れます。

また、新鮮なうちに冷凍保存するのもおすすめ。使いやすい大きさに切り、保存用袋に入れて冷凍します。1か月ほど日持ちするうえ、冷凍によって旨味がアップしますよ。解凍時にきのこからだしが溶け出るため、凍ったままみそ汁や煮物の具材に使いましょう。

短時間加熱で風味と食感をキープ

きのこを炒め物にするときは加熱時間を短くすること、菜箸やしゃもじで動かし過ぎないことが大切です。

きのこのみをソテーするときは強火で焼くように、肉や魚と合わせて炒めるときはきのこを最後に加えてさっと炒めます。そうすることで、きのこの水分や旨味が流れ出にくく、香りと食感が生かされますよ。

秋が旬のきのこを使うおすすめレシピ5選

1. 松茸ごはん

お茶碗に盛り付けた松茸ごはん

炊飯器で炊く簡単な松茸ごはんのレシピです。ほかの具材は加えず昆布だしや薄口しょうゆなどでシンプルに味付けすることで、松茸の香りや食感が生かされますよ。松茸2本で2合分が作れます。贅沢な秋の味覚を楽しめる、おもてなしにもぴったりなひと品です。

レシピはこちら|macaroni 

2. 鮭としめじのガーリックしょうゆ炒め

楕円形のお皿に盛り付けた鮭としめじのガーリックしょうゆ炒め

バターしょうゆとガーリックの味付けがごはんによく合う、鮭としめじの炒め物です。鮭をこんがりと焼いたあとに、しめじを加えてさっと炒め合わせるのが食感よく仕上がるポイント。秋が旬の秋鮭はあっさりとしているので、バターを炒めにすることでほどよいコクを楽しめますよ。

レシピはこちら|macaroni

和皿に盛り付けたまいたけの天ぷら

サクサク食感と風味が絶品のまいたけの天ぷらです。小麦粉・卵・水で作る衣とまいたけのお手軽食材が、ごちそうに変身するお役立ちレシピ。衣を冷水で作りさっくりと混ぜる、まいたけに小麦粉をまぶしておくなどのちょっとしたコツで、衣がサクサクのおいしさに仕上がりますよ。揚げたてに塩を振って召し上がれ。

レシピはこちら|macaroni 

保存容器に入れた3種きのこのオイル蒸し

しめじ・しいたけ・マッシュルームのオイル蒸しは、作り置きができる便利なおかずです。にんにくと塩こしょうのシンプルな味付けなので、そのまま副菜に、サラダのトッピングやパスタの具材に、トーストにのせるなど、さまざまな食べ方で楽しめます。エリンギやまいたけなど、お好みのきのこでアレンジもできますよ。

レシピはこちら|macaroni 

楕円形のお皿に盛り付けたしいたけのチーズ焼き

ジューシーなしいたけと香ばしいしょうゆ、とろけるチーズがベストマッチのひと品。しいたけのかさにスライスした軸としょうゆ、チーズをトッピングしてトースターで焼くだけの、時短・簡単レシピです。急ぎでおつまみや副菜が欲しいときはもちろん、旬の新鮮なしいたけを余すことなく味わうのにぴったりなメニューですよ。

レシピはこちら|macaroni 

きのこ料理で秋を満喫!

人工栽培によって一年中手に入りやすいきのこですが、食用とされる天然きのこの多くは秋が旬です。贅沢な松茸はもちろん、身近なしめじやまいたけなどでも季節感を楽しめます。ぜひレシピを参考に、きのこ料理で秋を満喫してくださいね。

※商品情報や販売状況は2024年09月09日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。