近年ニーズが高まってきているプラントベースフード。食品業界も注目をしており、さまざまな商品の開発がすすめられています。本記事ではその利点や代表的な商品を解説します。

プラントベースフードとは?

レタスラップ、ブッダボウル、サンドイッチなどが並んでいる

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環境問題の深刻化や健康意識の高まりなどから、近年世界的に注目を集めている「プラントベースフード」。言葉は聞いたことがあっても、具体的にどのようなものなのかわからない人も多いことでしょう。

「プラントベース」とは、「プラント(植物)」と「ベース(土台、主成分)」を組み合わせてできた造語。直訳すると「植物由来」や「植物を主成分とした」という意味です。

よって「プラントベースフード」とは、植物由来の原材料が使われた食べ物のこと。植物性の食品そのものだけでなく、植物性素材を使って肉や卵、チーズなどの動物性食品に似せたものも指します。

完全な菜食主義ではないのがポイント

「プラントベース」は、植物性食品を積極的に取り入れる考え方や食事スタイル。完全な菜食主義ではなく、必要であれば動物性食品もほどよく取り入れるのが特徴です。

実際プラントベースフードのなかには、原材料の一部に動物性のものが含まれているケースもしばしば。ベジタリアンやヴィーガンがプラントベースフードを取り入れる場合は、避けるべき素材が含まれていないか確認をする必要があります。

プラントベースフードの利点

植物由来の食材でできたワンプレート料理

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生活習慣病の予防が期待できる

食事の一部をプラントベースフードに置き換えると、一般的にカロリーやコレステロールの摂取量が少なくなるとされています。カロリーの過剰摂取は、生活習慣病につながると言われているので、プラントベースフードを上手に取り入れることで、生活習慣病の予防が期待できるでしょう。(※1,2)

将来的なタンパク質不足の一解決策に

肉や魚は有限な資源であり、将来的に供給不足が懸念されています。動物性食品の代わりにプラントベースフードを選択することは、タンパク質不足(プロテインクライシス)の一解決策として有効と言えるでしょう。(※3)

環境負荷を減らせる

食肉の生産には自然環境への負荷が大きくかかります。水や飼料、肥料などを多く使うほか、牛のゲップに含まれるメタンガスが地球の温暖化につながるのも重大な問題です。

プラントベースフードを積極的に取り入れることは、環境負荷を減らせる選択肢としても注目されています。(※4)

食の選択肢が広がる

世界には宗教上や健康上の理由で食事を制限されている人がたくさん。プラントベースフードが普及することにより、食の選択肢を大幅に広げることができます。食習慣の異なる人同士が同じメニューで食事を楽しめるのも利点です。

プラントベースフードの代表的な商品

ひよこ豆のパティが入ったハンバーガー

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プラントベースミート

原材料に大豆やえんどう豆、じゃがいもなどを使用し、肉に似せてつくられた食品のこと。「代替肉」や「フェイクミート」とも呼ばれています。

本物の肉に近い食感をしているため、食べごたえをしっかりと得られるのが魅力。ハンバーグに役立つミンチタイプや唐揚げに重宝するブロックタイプなど、バリエーションもさまざまです。

プラントベースミルク

プラントベースミルクの代表的なものといえば豆乳。近年ではオーツミルク・アーモンドミルク・ココナッツミルク・ライスミルクなどもメジャーになってきています。

比較的低カロリーかつ栄養価の高いものが多く、乳アレルギーの人でも飲めることがプラントベースミルクの利点です。味わいは種類ごとに異なり、素材本来の風味を楽しめるものもあれば、クセがなくて飲みやすいものも多々。(※5)

プラントベースチーズ

チーズは一般的に、牛や山羊、羊などの乳からつくられます。それに対しプラントベースチーズは、カシューナッツ・大豆・ココナッツなどの植物性原料でできているのが特徴です。

プロセスチーズ・カッテージチーズ・カマンベールチーズ......と、バリエーションもさまざまにラインアップしていますよ。

プラントベースエッグ

緑豆・白いんげん豆・にんじん・キャノーラ油・ターメリックなどを使用し、卵そっくりの味と見た目が再現された食品。「植物性卵」や「代替卵」とも呼ばれています。

スクランブルエッグのように加工されたものもあれば、液体状やパウダー状のものもあり、用途に合わせて選べるのも利点です。

プラントベースのマヨネーズ

一般的なマヨネーズの主原料は卵・油・酢。一方プラントベースのマヨネーズには卵が使われておりません。

こうしたものは「ヴィーガンマヨネーズ」と呼ばれており、ヴィーガンはもちろん、ベジタリアンや卵アレルギーの人、ヘルシー志向の人たちからも支持を集めています。普通のマヨネーズと同じように、サラダからサンドイッチまであらゆる料理に万能です。

プラントベースのレトルト食品

プラントベースフードの開発は年々進んでおり、いまやさまざまなレトルト食品が発売されています。野菜と豆でできたスープやカレー、豆乳や大豆ミートでつくられたパスタソースなど、バリエーションも実に豊富です。

温めるだけで食べられるため、日々の食事に取り入れやすいのが魅力。プラントベース初心者の人にぴったりなアイテムと言えるでしょう。

プラントベースはハードルが高くない。積極的に選択してみては?

プラントベースは完全菜食ではないため、無理なく取り入れやすいのが魅力。健康やダイエットへの意識が高い人は、積極的に選択してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】

※1 プラントベースフードのメリット・デメリット:健康、環境、味覚の観点から|Grinoオンラインストア

※2 カロリー過多が生活習慣病を つくりだす|Kao

※3 プロテインクライシスの真実と、たんぱく質の安定供給への取り組み① |日本ハム

※4 知っておきたい。大豆ミートが環境にやさしい選択肢だと言われる理由(前編)|大塚食品

※5 世界で拡大を続けるプラントベースとプラントベースミルクについて|一般社団法人日本乳業協会

(2025/02/19参照)


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