ライフスタイル&ヘルス2025/4/25 更新
落雁(らくがん)は、茶菓子やお供えなど改まった場で使われることが多いお菓子です。この記事では、落雁の由来やお供えに選ばれる理由、食べ方のアレンジや作り方など、落雁の魅力について解説します。お取り寄せ情報もぜひチェックしてくださいね。
落雁とは米や麦、豆など穀類から作った粉に砂糖や水飴などを混ぜ、型に入れて押し固めたものです。日本で古くから愛されてきた伝統的な和菓子のひとつ。口に入れると最初はカリッと硬く、すぐにほろほろと崩れるように溶け、繊細な甘さと優雅な余韻が広がります。
和菓子は水分量によって「生菓子」「半生菓子」「干菓子」の3種類に分類されます。落雁は水分量が10%以下の干菓子に該当し、水分量が非常に少ないため日持ちするのが特徴です。
また、落雁は形や色合いといった見た目の美しさも特徴的。草花をモチーフにしたものや鯛や松などの縁起物、季節の行事にちなんだ落雁などもあります。仏事のお供え物や茶道の茶菓子のほか、お祝い事や季節のご挨拶、贈答品など幅広い用途に使われるお菓子です。
和三盆も落雁同様、干菓子の一種です。和三盆の見た目や上品な甘さ、ほろりとした食感は落雁と似ていますが、違いは材料にあります。
落雁が穀物由来の粉と砂糖を混ぜて作るのに対し、和三盆の材料は和三盆糖のみです。和三盆糖とは四国の限られた地域で栽培される「竹糖」と呼ばれるサトウキビを原料とし、伝統製法で作られる希少価値の高い砂糖のこと。和菓子のほか、洋菓子や和食などにも使われます。
落雁の由来は諸説ありますが、ここではふたつの説をご紹介します。ひとつめは、中国のお菓子「軟落甘(なんらくかん)」に由来するというもの。室町時代の頃、軟落甘が日本に伝わった際に「落甘」と略され、その後「落雁」という漢字があてられたという説です。
ふたつめは、近江八景の「堅田落雁(かたたのらくがん)」にかかわります。堅田は滋賀・大津市の琵琶湖畔の地名で、落雁とは「降りてくる雁(かり)」のこと。白地に黒ごまを散らした菓子が堅田落雁の風景に似ていたことから、落雁と名付けられたという説があります。
落雁はお葬式やお盆、お彼岸など、仏事のお供え物によく使われます。では、なぜ落雁が供えられるようになったのでしょう。日持ちが長いこと、砂糖の白色が白装束の色と同じなど、理由はいくつか考えられます。
なかでも、お釈迦様の弟子である目連(もくれん)の逸話に由来するという説が有力です。目連は亡き母を供養したい一心で、お釈迦様にどうしたらよいか教えを請います。「多くの人々に食べ物を施すことで供養しなさい」という教えに従い、たくさんの僧侶に食事を振る舞いました。
その際、特に喜ばれた食べ物が甘いもの。当時、白砂糖は非常に貴重であり、高価なものでした。そのことから、大切な仏様を供養するために、貴重な白砂糖を使った落雁をお供えする習慣が根付いたと考えられています。
落雁はそのまま食べるだけではなく、上品な甘さを活かしていろいろアレンジすることも可能です。落雁がたくさんある場合は、ぜひ新しい食べ方を試してみてください。
落雁を電子レンジで軽く加熱すると、新たなおいしさに出会えます。落雁の大きさにもよりますが、10秒程度ずつ、様子を見ながら加熱するのがおすすめです。温めることで粉っぽさがなくなり、口当たりがなめらかになったりします。また、素材の風味がより引き立つのもポイントです。
温かいコーヒーや紅茶に落雁を入れて、甘味として使う方法もあります。ホットドリンクであれば、事前に落雁を砕いたりしなくてもOK。スプーンでかき混ぜるだけで、ほろほろと溶けていきます。ホットミルクや生姜湯などに甘味をプラスしたいときにもぴったりです。
落雁の甘さを活かして、ホットドリンクとして楽しむ方法もあります。マグカップやお椀に落雁を入れ、お湯を注いでかき混ぜれば、まるで葛湯のようなとろりとした一杯に。お好みでしょうがやゆずの皮を添えると爽やかなアクセントが加わり、味も引き締まります。
落雁を細かく砕くか、すりおろして粉状にすると、トッピングとして大活躍。ヨーグルトにかけたり、飲み物に混ぜたり、自分好みで甘味をプラスできます。また、食パンにバターを塗り、落雁パウダーを振りかければ、おしゃれなシュガートーストの完成です。
粉状にした落雁はお菓子作りでも重宝します。レシピの砂糖を落雁パウダーに置き換えるだけ。落雁はすりおろしたあと、さらにふるいにかけると舌触りがなめらかになります。クッキーやプリンなどに使って、和洋折衷のスイーツを楽しんではいかがでしょう。
自宅で落雁作りに挑戦してみませんか。ここでは、和三盆糖だけで簡単に作れるレシピをご紹介します。
・和三盆糖......100g
・水飴......小さじ1杯
・水......小さじ1杯
1. 水と水飴を混ぜる
2. ボウルに和三盆糖をふるい入れ、真ん中に作ったくぼみに1を入れる
3. 指でまんべんなくすり混ぜてさらさらにする
4. ざるでふるいにかける
5. 型に入れ強く押し固めて乾燥させる
6. まな板の上に置き、型の裏側をトントンとたたいて抜く
水と水飴を混ぜる際、常温の水かぬるま湯を使うと混ざりやすくなります。型は落雁用の木型のほか、チョコレート用のモールドの型や製氷機でも代用可能です。
万葉の歌人たちに愛された野の花をモチーフに、生落雁で粒あんを包んだ上品な和菓子。和三盆糖、寒梅粉、小豆の風味を活かした味わいや、生落雁ならではのしっとりとした食感が魅力です。1849年に金沢で創業した、歴史ある落雁専門店の味をお楽しみください。
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丁寧に仕立てた落雁の皮の中に、北海道・十勝産の小豆を使ったなめらかなこしあんがぎっしり。兵庫・赤穂産の塩を効かせ、上品な甘味を引き立てています。やさしい甘さの「白」と香り高い「抹茶」の2種入り。抹茶やコーヒーとも好相性です。
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赤えんどう粉に栗蜜を練り込んで仕上げた楽雁は、栗菓子の名店ならではの自信作。甘さは控えめで、口に含むとほろりとほどけ、栗のほのかな風味と香ばしさが広がります。文字が浮き彫りにされたシンプルな見た目も印象的。贈り物やお茶請けにもおすすめです。
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落雁は伝統ある和菓子です。近年ではモダンにアレンジされた落雁も登場し、華やかな色使いや愛らしいデザインにも注目。落雁の奥深さや新たな魅力が広まりつつあります。この機会に、落雁の上品な甘さや独特の食感を体感してみませんか。
※商品情報や販売状況は2025年04月25日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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