食材の収穫時期を迎える秋は、さまざまな行事食が展開されます。実りの秋と呼ばれるように、行事食の種類も豊富です。では、一体どのようなものがあるのでしょうか?この記事では、9月の行事食やその楽しみ方、おすすめレシピなどをご紹介します。

9月の代表的な行事と行事食

黒いお盆にのった月見団子とすすき、どんぐり、秋の葉っぱ

iStock.com/gyro

重陽の節句(9月9日)

9月9日は重陽の節句があります。重陽の節句とは、陽の日の最大値である9が重なる日のこと。家族の無病息災や子孫繁栄、不老長寿などを願う行事です。平安時代の初期に、中国から伝わったことが由来とされています。菊の花が咲く時期なので、鑑賞することも多いようです。

重陽の節句の行事食は、主に栗ごはんや焼きなす、なすの煮びたしなど。なかには、菊の花びらをモチーフにしたスイーツも展開されています。日本酒に菊の花を漬け込んだ、菊酒という酒も親しまれていますよ。菊酒には、不老長寿を願う意味が込められています。

敬老の日(9月第3月曜)

敬老の日は、毎年9月の第3月曜日に迎える祝日です。これまで家族を支えてきたお年寄り・高齢者の方を敬い、感謝する行事となっています。

敬老の日には、季節の食材を使った縁起の良い行事食がおすすめです。例えば、赤飯や鯛、えび、ちらし寿司、煮物などを食べることが多いでしょう。特に鯛は、「めでたい」という言葉にかけて、お祝いの席でよく使われる食材です。お年寄り・高齢者の方の健康長寿を願った料理が基本となっています。

秋のお彼岸(9月中旬〜下旬)

お彼岸とは、ご先祖様への感謝の気持ちを込めて、供養する行事のこと。主に墓参りや供え物、線香を手向けるなどをするのが一般的です。

秋のお彼岸の行事食には、おはぎや小豆飯、そば、うどん、団子などがあります。なかでも、おはぎは秋に実る「萩(はぎ)」からきており、春のお彼岸とは呼び方が異なります。もち米とうるち米をついて、こしあんで包むのが一般的。もちもちとした食感がクセになります。

月見(十五夜)

月見(十五夜)とは、美しい月が見られる「中秋の名月」として親しまれる行事です。平安時代に中国から伝わった「望月」という月を見る風習が、現代の月見のルーツとなっています。

月見の日によく食べられる行事食は、月見団子や月見つくね、肉団子、うさぎまんじゅう、炊き込みごはん、豚汁、さつまいも煮など。特に「月見団子は、地域ごとに形や味に違いがあります。例えば、関西の月見団子は白い丸状ではなく、サトイモのような形の餅にこしあんを巻き付けるものです。また名古屋の月見団子は、しずく型となっています。

行事食の楽しみ方

白と青の茶碗に入った栗ごはん

iStock.com/GI15702993

家族で囲む秋の食卓に

行事食は、家族で囲むいつもの食卓にプラスするだけで、秋の訪れを感じられます。お子さんがいる家庭では、行事の由来について話したり、食べ物にどんな意味があるのかを伝えたりするのも良いかもしれません。月見の日は、団子を食べながら一緒に月を眺めるのも良いでしょう。行事ごとのレシピも多く投稿されているので、探してみてくださいね。

贈り物として

普段お世話になっている方へ感謝を伝える際にも、行事食は便利です。例えば、おはぎやうさぎまんじゅうなどの和菓子ギフトは、ちょっとしたお礼を伝えるのにぴったり。栗ごはんのような惣菜ギフトも、食卓を彩るおすすめの品です。9月は、お中元やお歳暮の時期ではないため、挨拶する際には行事食を活用しても良いでしょう。

手軽に準備できるセット商品

「行事食をいちから作るのは大変...」という方には、手軽に準備できるセット商品がおすすめ。行事食の具材が入ったセットなら、簡単調理だけですぐにお召し上がりいただけます。セット商品なら、子どもと一緒に作っても楽しいかもしれません。毎日忙しいけれど、行事食を楽しみたいという方はぜひご活用ください。

行事食を楽しむ+αの工夫

黒い皿にのった3色のおはぎと茶

iStock.com/Promo_Link

子どもへの食育

行事食を通じて、子どもへの食育を実施するのも良いでしょう。行事に対する理解が深まることで、より行事食をさまざまな角度から楽しめるようになります。子どもが興味を持っている場合は、ぜひ一緒に調べたり考えたりしてみてください。食事の大切さが伝わるかもしれません。

祖父母や親世代との会話のきっかけ

行事食は、祖父母や親世代との会話のきっかけ作りにも役立ちます。節句や行事は、昔の人たちの知恵が詰まったものです。そのため、祖父母や親世代はさまざまな知識を持っていることでしょう。食卓を一緒に囲みながら、いつもとはひと味違った会話を楽しんでみてください。

季節の飾りや器と合わせた演出

季節の飾りや器を合わせて、行事食をさらに華やかに見せるのもおすすめ。最近ではSNSに写真を投稿する方も多いため、行事食をおしゃれに見せる工夫も大切です。見ているだけで、気分を高めてくれること間違いなし。例えば、月見ならススキと月見団子、月モチーフの食器、うさぎのインテリアなどを飾ったりすると一気に行事感が出せますよ。

9月の行事食レシピ5選

9月は重陽の節句や秋のお彼岸、月見など、さまざまな行事があります。行事食も団子やおはぎ、栗ごはんなど、食べ応えのあるものばかりです。なかには、行事食をご自宅でも楽しみたいという方もいるでしょう。ここでは、9月の行事食レシピを5つご紹介。レシピのポイントやコツなどをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

1.栗ごはん

ホクホクの食感がたまらない、栗ごはん。栗の皮をむくときは、鬼皮の底を切り落とさずに切り込みを入れるのがコツです。栗は変色しやすいため、皮をむいた後はすぐに水に浸します。塩と昆布だしで、シンプルかつ繊細な風味に仕上げるのがポイント。栗本来の持つおいしさを、そのままお楽しみいただけます。

レシピはこちら|macaroni

2.もちもちおはぎ

秋のお彼岸には欠かせないおはぎも、ご自宅で簡単に作れます。切り餅とごはんを合わせて、もち米風に仕上げるのがポイント。しっかりとした粘り気と、歯ごたえを感じられます。手や調理器具に水をつけると、作業がスムーズになりますよ。こしあんときな粉の2種類を用意。すりごまをまぶしてもおいしいので、アレンジしてみてください。

レシピはこちら|macaroni

3.鯛のカルパッチョ

おめでたい雰囲気の鯛を使って、食卓を華やかに彩ります。レモン果汁とオリーブオイルを使うソースは、さっぱりとした清々しい後味です。鯛の自然なおいしさを堪能したい方にいち押し。塩はハーブソルトで代用しても良いでしょう。鯛のカルパッチョと一緒に、ベビーリーフや玉ねぎスライスを盛り付けてもおいしくお召し上がりいただけます。

レシピはこちら|macaroni

4.鶏むね月見つくね

まるで本物の月のような見た目が特徴の、鶏むね月見つくね。きらりと光る卵黄が、月見の行事にぴったりです。鶏むね肉はジューシーな肉汁が、しっかり感じられます。しょうがでアクセントをプラス。鶏むね肉の厚みを出す場合は、裏返した後にフタして蒸し焼きにするのがおすすめ。これにより内側まで、しっかり火が通ります。

レシピはこちら|macaroni

5.月見団子

月見の和スイーツといえば、月見団子ですよね。だんご粉や砂糖、水といったシンプルな具材を、くるくると丸めてゆでるだけの簡単調理です。ピンポン玉のような球体にしてしまうと、死者の枕元に供える「枕だんご」となってしまうため、少し潰した形にするのがポイント。だんご粉は上新粉でも代用可能です。きな粉や黒みつをかけて、お召し上がりください♪

レシピはこちら|macaroni

9月の行事食には月見団子やおはぎなどがある!

9月は少しずつ暑さが和らぎ、涼しい季節へと進む時期。食材も豊富に取れる時期なので、栗ごはんや十五夜の月見団子、おはぎなど、さまざまな種類の行事食があります。気になるレシピを見つけた方は、ぜひご自宅で作って食べてみてくださいね。

※商品情報や販売状況は2025年05月14日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。