「気づいたら缶詰の賞味期限が過ぎていた!」......このような経験はありませんか?商品によっては、賞味期限がどこに記載されているのかわかりにくいものもありますよね。賞味期限が切れてしまった缶詰はもう食べられないのでしょうか。この記事では缶詰の賞味期限の確認方法や、切れてしまったものが食べられるか判断する方法など、缶詰の保存についてわかりやすく解説します。

缶詰の賞味期限・消費期限と保存方法をチェック!

パイナップル、豆、オリーブ、ツナ、オイルサーディンの缶詰が並んでいる

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缶詰はそのまま食べたり、調理に使ったりできる便利な食品です。常温で長期の保存が可能なため、気づくいたら賞味期限が過ぎてしまった経験がある人も多いでしょう。

賞味期限が過ぎてしまった缶詰をすぐに処分してしまったり、不安を感じながら食べていたりしていた方もいるかもしれません。本記事では、そんな方に役立つ "缶詰の保存に関する情報" をご紹介します。

賞味期限と消費期限。缶詰はどっちが記載されている?

一般的に加工食品には「賞味期限」または「消費期限」のどちらかが表示されています。この2つの期限の違いや、缶詰にはどちらの期限が表示されているかをご紹介します。

賞味期限と消費期限の違い

賞味期限は、製造日から未開封の状態で正しい保存方法を守っている場合に、記載されている「年月日」まで "品質が保たれ、おいしく食べられる期限" のことです。缶詰やスナック菓子、牛乳など比較的劣化が遅い食品に表示されていています。期限を過ぎてもすぐに安全性に問題が発生するとは限りません。

消費期限は、製造日から未開封の状態で正しい保存方法を守っている場合に、記載されている「年月日」まで "安全に食べられる期限" のことです。弁当や生菓子、食肉などおよそ5日以内に劣化する食品に表示されています。安全のためにも、消費期限が過ぎたら食べるのは控えましょう。

缶詰には賞味期限が表示されていることがほとんど

缶詰は一般的に常温で長期保存ができる食品です。そのため保存期間の目安として、多くの場合賞味期限が表示されています。

【種類別】缶詰の賞味期限・消費期限の目安

賞味期限と書かれた缶詰

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缶詰の一般的な賞味期限

  • はごろも「果物紀行みかん」......3年
  • いなば「ライトツナ スーパーノンオイル」......3年
  • キョクヨー「さば味噌煮」......3年
  • ノザキ「ポーク(ランチョンミート)」......3年
  • いなば食品「チキンとタイカレー(グリーン)」......3年
  • キャンベル「クラムチャウダー」......2年
  • パン・アキモト「パンの缶詰(ストロベリー)」......3年
  • 野村「保存用ミレービスケット缶」......5年

市販の缶詰の多くには製造日より2~3年の賞味期限が設定されています。災害用の備蓄を目的とした缶詰のなかには5年ほどの賞味期限のものもあります。

開封後の缶詰の賞味期限

開封した缶詰の食品は、空気に触れることで劣化がはじまります。開封後は冷蔵庫で保存し、生の食品と同じように2〜3日以内に食べ切りましょう。また、缶の内部や開口部が腐食する可能性があるため、清潔な保存容器などに中身を移してから保存してください。

缶詰の賞味期限が長いワケ

缶詰は中身の空気を抜いて密封してから、食品の腐敗の元となる微生物や細菌を加熱殺菌して作ります。そのため、保存料や殺菌料などの食品添加物を使わずに常温での長期保存が可能になるのです。

また真空状態で加熱することで、普通に調理するよりもビタミンなどの栄養素が抜けにくいというメリットもあります。

缶詰の賞味期限の確認方法

賞味期限が書かれた缶詰

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缶詰の賞味期限はどのように確認すればいいのでしょうか。目立たないところに数字やアルファベットが書いてあり、読み方がわかりづらい場合もありますよね。ここでは表示の見つけ方や読み方を解説します。

缶詰の賞味期限の確認方法

缶詰の賞味期限はフタに印字されています。基本的には「西暦・月・日」の8桁で表記されているため「20250225」と記載があれば、2025年2月25日が賞味期限となります。古い缶詰には「西暦下2桁・月・日」の6桁表記のものもあります。

海外製の缶詰の場合、アメリカ式では「月・日・西暦」、イギリス式では「日・月・西暦」の順に表記されていることも多いので注意が必要です。

賞味期限切れの缶詰はいつまで食べられる?

賞味期限は "食品をおいしく食べられる期限" なので、未開封で正しい方法で保存していれば賞味期限が切れていても安全に食べられる場合があります。ここでは、賞味期限切れからどのくらいの期間缶詰を食べられるかについて解説しますよ。

賞味期限の設定方法

加工食品の賞味期限や消費期限は、検査によって決められた "この期間までは安全に食べられる" という「可食期間」に、0.8〜0.7程度の「安全係数」とよばれる数をかけて設定されます。こうすることでさらに安全性を高めるというわけです。

例えば、賞味期限が3年(1095日)の缶詰の場合は、安全係数を0.7とすると、可食期間はおよそ1564日という計算に。この場合、もし賞味期限を過ぎてしまっても、そこからあと469日間なら安全に食べられるということになります。

賞味期限切れ半年の缶詰

正しい方法で保存していた場合、賞味期限が3年の缶詰は、賞味期限を半年過ぎても食べられる可能性が高いです。缶に傷や腐食がなく、中身にも異常がないことを確認してから食べるようにしましょう。

賞味期限切れ1年の缶詰

賞味期限が切れて1年経過したものは、賞味期限が3年の缶詰の場合、計算上はまだ食べられる可能性が高いです。中身だけでなく、缶自体も保存状態によっては劣化が進むので、安全性をしっかりと確認してください。

賞味期限切れ2年~3年の缶詰

賞味期限が2年〜3年過ぎてしまったものは、食べることを控えたほうがよいでしょう。計算上でも可食期間を過ぎてしまっています。

しかし、缶詰は加熱殺菌されて真空になっていることから、理論上は食品を腐らせる微生物や細菌がいない状態です。そのため正しい方法で保管し、缶に腐食がなければ半永久的に腐ることはないといえます。

製造元が設定した賞味期限を過ぎた食品を食べるかどうかはあくまで自己責任です。時間の経過とともに風味も落ちていくので、おいしく食べるには賞味期限内に食べるのがおすすめです。

消費期限・賞味期限切れで傷んだ缶詰の見分け方

真俯瞰でみた缶詰の集合

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缶詰が傷んでいないか開封前に確認する方法

  • 缶にさびがある
  • フタが膨張している
  • 指で押すと凹みがある

開封前の缶詰に上記のような状態が見られた場合には、中身が腐っている可能性があるため、未開封であっても食べるのを控えましょう。

期限切れの缶詰を開ける際の注意点

フタが膨張している場合、腐敗によるガスが内部に発生している可能性があります。そのような缶詰に外部から刺激を与えると爆発する危険があるため注意が必要です。バケツに水を張って缶詰を沈め、缶切りで穴を開けてガスを抜いてから処分してください。

期限切れで食べられない缶詰の捨て方

未開封の缶詰を捨てる場合は、必ず缶と中身を分けて処分しましょう。腐敗の可能性がある場合は、換気をしながら作業すると安心です。中身は生ゴミや可燃ゴミとして捨て、缶はよく洗って指定の方法で捨ててください。

缶詰の賞味期限を意識しておいしく食べましょう

缶詰は長期保存が可能なため、災害用の備蓄としてストックしている方も多いでしょう。状態がよければ賞味期限が切れても食べることはできますが、おいしく食べるには、定期的に賞味期限をチェックすることが大切です。あとひと品欲しい時などに、缶詰を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

※商品情報や販売状況は2023年01月23日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。