「そもそもお中元って誰に贈ればいいの?」。そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、お中元を贈る相手や相手別のポイント、贈り方や渡し方のマナーについてわかりやすく解説します。お中元を贈る際はぜひ参考にしてくださいね。

お中元は誰に贈るべき?

濃い紫色の風呂敷包に両手を添えている様子

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お中元とは、お世話になった方に感謝の気持ちを伝える夏ギフトのこと。夏のご挨拶としての意味合いもあります。

お中元はもともと中国の風習に由来し、日本に伝わったあと、時代とともに形を変えながら発展。今では、お世話になった方へ感謝を伝える夏の習慣として定着しています。

お中元を贈る相手に決まりはない。一般的な例は?

お中元を贈る相手に決まりはありません。一般的な例としては、個人の場合なら両親や義理の両親、関わりのある親戚、恩師、仲人、会社の上司などが挙げられます。ビジネスシーンでは取引先の会社や関係者などが対象となるでしょう。

お中元は立場が目下の人からお世話になっている目上の人へ贈るのが基本です。最近では親しい友人同士でお中元を贈り合うケースもあり、形式にとらわれ過ぎる必要はありません。マナーは押さえつつ、感謝の気持ちを伝えたい相手に心を込めて贈ることが大切です。

お中元を贈る相手別のポイント

お中元の品物の横にうちわと麦茶が置かれている様子

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お中元は、誰に贈るかによって気を付けたいポイントが異なります。ここでは、相手別に品物の選び方や注意点をまとめました。

両親

結婚を機に、両親へお中元を贈るケースもあります。両親が遠方に住んでいる場合は、自分が住んでいる地域の特産品やお菓子などを贈り、近況報告もするのがおすすめです。近くで暮らしている場合は、配送ではなく、実家を訪れて手渡ししたほうが喜ばれます。

義理の両親

結婚後、義理の両親へお中元を贈るべきか悩む方も多いかもしれません。地域や家族の慣習によっても異なるため、できれば先に確認したほうが安心です。迷う場合はお中元を贈るというのも一案。「今後は気遣い不要」といった連絡がなければ、継続してOKです。

仲人

仲人をたてて結婚した場合、結婚後もなにかとお世話になることが多いもの。そのため、結婚後3年間は仲人へお中元を贈るのが一般的です。4年目からはお中元を贈らなくてもマナー違反ではありませんが、やめる際は挨拶状を送り、これまでの感謝を伝えましょう。

親戚

就職や結婚の相談にのってもらったなど、関わりの深い親戚へお中元を贈るケースもあります。その際気を付けたいのが、お中元は「御礼」の品を贈るのとは異なり、基本的に毎年贈るものだということ。相手との関係性や経済的な負担も考慮して決めるとよいでしょう。

上司

お世話になっている上司へお中元を贈りたいときは、まず社内のルールを確認することが先決。会社によってはお中元や年賀状等のやり取りを禁止しているケースもあるためです。贈ってもよい場合は、相手の好みや家族構成に見合った品を選びましょう。

取引先や関係者

取引先や関係者へお中元を贈る場合は、常温で日持ちしやすく、職場でシェアしやすい個包装のお菓子やスイーツなどが喜ばれます。職場の人数より少し多めの数のものを選ぶのもポイント。ただし、取引先との贈答を禁止している会社もあるため、事前に確認が必要です。

お中元を贈ってはいけない相手はいる?

白いテーブルに置かれた黒いリボン付きの白菊の花

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感謝の気持ちを伝えたくても、お中元を贈ってはいけない相手もいます。うっかり贈ってしまうことのないよう事前にチェックしましょう。

忌中(きちゅう)の相手

忌中とは、仏式では四十九日法要まで、神式の場合は五十日祭までの期間のことです。相手が忌中の場合はお中元を贈るのは避け、忌中が明けてから贈るようにしましょう。お中元はお祝い事ではないため喪中でも贈れますが、のし紙は使わずに白いかけ紙を用います。

国家公務員や地方公務員

公務員の場合、利害関係者から金銭や物品を受け取ることは禁止されています。利害関係のない家族や知人から贈られたお中元に関しては問題ないと考えられますが、トラブルは避けたいもの。念のため本人にお中元を贈ってもよいか確認をするのがおすすめです。

贈答禁止の会社

贈答禁止を方針に掲げている会社へは、お中元を贈ることはできません。万が一、方針を知らずに贈ってしまうと、受け取りを拒否されてしまいます。そのため、お中元を贈る前にまず先方の会社の状況をリサーチし、贈ってよいかを判断をすることが肝心です。

お中元を渡す・贈るときのマナーやポイントとは?

青い台紙の卓上カレンダーがめくられている様子

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お中元は一年の上半期が終わった時期に、夏のご挨拶として感謝の気持ちを届ける大切な習慣です。失礼のないようにマナーやポイントを押さえておきましょう。

お中元を贈る時期

お中元を贈る時期は地域によっても異なります。関東や東北地方では7月上旬から7月15日関西をはじめ西日本では7月中旬から8月15日までとするのが一般的です。

<地域別お中元を贈る時期>

・関東・東北地方......7月上旬〜7月15日
・関西・東海・関西・中国・四国地方......7月中旬〜8月15日
・北海道......7月15日~8月15日
・九州......8月1日~8月15日
・沖縄......旧暦の7月13日~7月15日(毎年新暦での日付は変動)

相手が住む地域のお中元の時期に合わせて贈るのが望ましいですが、最近では地域に関係なく、7月上旬から7月中旬までに贈る傾向が高くなっています。

お中元の相場

お中元の相場は3千~5千円とするのが一般的ですが、相手との関係性によっても変わってきます。両親や義理の両親、親戚などの場合は3千~5千円仲人や上司へは5千円程度が相場です。ビジネス上のお中元の場合は5千~1万円程度が目安になります。

品物の選び方

食べ物・飲み物といった消え物がお中元の定番です。目上の方に対して、現金や商品券など金額がわかるものを贈ることはNGです。また、縁を切ることを連想させる刃物、手切れをイメージさせるハンカチ、「苦」や「死」を思わせる櫛なども避けたほうがよいでしょう。

のし紙の選び方

朱色の風呂敷の上に置かれたお中元の品物

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お中元には「紅白花結び」の水引とのし飾りが付いたのし紙を用います。表書きの上段に「お中元」または「御中元」と書き、下段には贈り主のフルネームか名字を入れましょう。相手が喪中の場合はのし紙ではなく、白い奉書紙をかけ紙として用います。

お中元を手渡しする場合

お中元を持参する場合は、突然訪問せず、相手の都合を聞いて訪問日時を決めましょう。当日は風呂敷や紙袋に包んで持参し、相手先では部屋に通されて挨拶を済ませてから手渡します。その際、風呂敷や紙袋から品物を出し、相手に対して正面になる向きで渡しましょう。

お中元を配送する場合

お中元を配送する際は、先に送り状をはがきか手紙で送るとよいでしょう。送り状にはお中元を贈ったことや到着予定日などを伝える役割があり、より丁寧な印象を与えられます。両親や親戚など親しい間柄であれば電話やメールで連絡しても問題ありません。

お中元の時期に贈りそびれた場合

お中元を贈りそびれてしまったり、忌が明けるのを待っていたために時期を過ぎてしまったりした場合でも、対処法があります。贈るタイミングに合わせ、表書きを「お中元」ではなく、「暑中御見舞」や「残暑御見舞」として贈れば大丈夫です。

・暑中見舞いとして贈る時期......7月下旬~立秋(8月7日頃)まで
・残暑見舞いとして贈る時期......立秋(8月7日頃)~8月下旬まで

感謝の気持ちを込めてお中元を贈ろう

夏の風物詩でもあるお中元は、感謝の気持ちを形にして伝えられる大切な習慣です。長くお付き合いをしていきたい相手に贈るものだからこそ、基本的なマナーは押さえておきたいもの。よりよい人間関係を構築するためにも、お中元デビューしてみませんか。

※商品情報や販売状況は2025年04月01日時点でのものです。
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