ライフスタイル&ヘルス2022/3/28 更新
今回ご紹介するのは、山林が96%を占める和歌山県の古座川町で10種類以上の野菜や米、食用のバラを育てる「あがらと」のローズジャムです。こちらの野菜や米、食用バラは、"ぼかし"と呼ばれるもみ殻や米ぬか、油粕などを混ぜて微生物の力を借りて発酵させる昔ながらの植物性肥料で育てられています。
「あがらと」は2016年、代表取締役の土井新悟さんがお父様の実家がある和歌山県の古座川町で耕作放棄地となっていた土地の開墾を始め、2017年に竹を骨組みにしたハウス造りに着手し創業しました。
「あがらと」という名称は和歌山県紀南地方の方言"あがら=わたしたち"と、一緒にの"と"を組み合わせたもので、地域の人々や植物、動物といったすべての命とともに、豊かな未来を拓いていきたいという土井さんの思いが込められています。
竹ハウスを造ったのは、荒れた竹林の竹を資源活用するためです。竹には防腐防虫のため柿渋を塗り、朽ちたらその部分だけを取り替え、使い終わったものは燃やして炭にし、肥料として使っています。一方、ハウスのネットは建設現場の足場用のメッシュシートを使用。風が通り抜けて虫よけにもなるので、バラの栽培に適しているのです。このように、自分たちが使うものはリユースと土に還ることにこだわっています。
「あがらと」では、"ぼかし"と呼ばれる昔ながらの植物性肥料を使って野菜やバラを育てています。"ぼかし"は作物を育てていない冬の間に作り、できあがったら乾燥させて保存。4ヵ月から半年かけて一年分を作っています。
食用バラの栽培を率いる久山秋星さんが2017年、古座川町に移住したのは、ぼかしだけを使う農法や、土井さんの考え方に共感したからです。「移住前はフローリストとして京都の生花店に勤めていました。そのとき農薬アレルギーで好きな花を手にできないお客様と出会い、農薬について考えるようになったんです」。そんな折、出会ったのが「あがらと」の土井さんでした。収獲したバラは、自社ブランド「Dew Rose」で香料やゲル化剤を使わずに、ジャムやバター、ビネガーなどに加工しています。
バラ本来の香りと花びらの食感を生かし、香料やゲル化剤を使わないシンプルなレシピで仕上げました。ふたを開けた瞬間に満ちあふれる、朝摘みバラの自然で豊かな香り。そして、口に含むとバラの香りとフルーティーな味わいが。シャキシャキとした花びらの食感もポイントです。
おすすめは、炭酸水で割ることです。ふわーっとバラの香りが口の中に広がり、至福な時間が味わえます。
「あがらと」がバラを加工品にして販売するのは、地域に産業を生み出したかったことと、農業で食べていけることを伝えたかったからと土井さんは言います。また、「食用バラやその商品を通して、こんな地域があることを広く知っていただきたいですね。将来的には世界に通用する農法を確立し、世界各地から多くの人が学びに来てくれるような場所にしたいです」と話します。
※商品情報や販売状況は2022年03月28日時点でのものです。
現在の情報と異なる場合がございますが、ご了承ください。
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