1.大切な根がすくすく。いちごの肥料に“馬糞”!?
ハウスのとなりは、乗馬クラブ。
馬糞をいつも提供いただいている
いちご作りは、定植1ヵ月後の根の量がその年の生産量を左右すると言っても過言ではない。そこで長友さんがこだわったのは、土に混ぜる肥料と、そのアミノ酸バランス。もっとおいしくしたいという思いから、“菌”について猛勉強した結果、馬糞の良さに気がついた。偶然いちごハウスの隣にあった乗馬クラブで、馬がいかに健康に配慮して飼育されているかを知り、馬糞の肥料としての素晴らしさを確認。これを、発酵させる技術を農家の方から学び、臭いのない馬糞肥料が完成。この馬糞肥料は、“馬力矢”の会を作り、他の作物を作っている人たちとも連携している。
2.糖度をあげる光合成の促進にも、エコな視点を
「ひなたいちご園」は、宮崎空港から約5分。“日本のひなた”と言われ、日本有数の日射量と晴天日数、自然林が天然記念物に指定されている双石山(ぼろいしやま)からの清らかな水にも恵まれている。長友さんは、その恵まれた自然条件だけに甘んじず、糖度をもっと上げて、甘いいちごにしたいという思いから、試行錯誤。8年の歳月をかけて光合成機器を開発した。自然の太陽の恵みに加えて、工場などから排出されたガスを洗浄して再利用した無臭の液化炭酸ガスを吸収させることで、光合成を盛んにし、糖度15〜20度の甘さを実現したのだ。
3.いちごの健康状態はQRコードでチェック!?
立って収穫できる高設栽培。
地植えの約1.5倍のスピードで収穫できる
例年、いちご狩りで賑わう「ひなたいちご園」。こどもたちに安心して食べてほしいという思いは、その笑顔を見るたびに強くなるという長友さん。馬糞をはじめとする有機肥料を使い、化学肥料を使う回数を最小限に。それが見てわかるよう、いちごの健康状態をQRコードで読み取るシステムも導入。スマート農業の推進にも余念がない。今は、粒が大きく、甘みと酸味のバランスがいい“夢ノ叶(ゆめのか)”が中心だが、新品種を作るのが夢。いちごに夢中の長友さんが生み出す新品種が楽しみだ。