1.“すっぱい梅干し”を若い世代に伝えたい
完熟した梅は痛みやすいので、
その日のうちに塩漬けされる
「学生時代、スーパーの梅干しコーナーを見て、こどもの頃から食べている“すっぱい梅干し”がないことに気付いたんです。誰でも食べやすいように味付けされた調味梅干しもニーズがあるかもしれませんが、梅本来の味を楽しめる塩と紫蘇だけで漬けた梅干しを広めたいと思うようになりました」。それが山本さんの梅干し作りのきっかけだ。
また、「調味梅干ししか食べたことがない」という10~20代の方も少なくないという。昔ながらの製法で作られた梅干しを若い世代にも知ってもらうため、山本さんはSNSで梅干し作りの様子やレシピなどを発信している。
2.材料は塩と紫蘇だけ。この2つが梅の味を引き立てる
塩漬けされた梅を、
1年間熟成させるのが「うめひかり」流
「梅の味を引き立てるため、自社農園で育てた梅の中でも最高ランクのものを選別して使っています。そして、漬ける前に梅を塩漬けしてから1年間寝かせています。そうすることで、実と塩がよくなじみ、旨みが増すんです」。
1年間熟成させた梅は、古くから受け継がれてきた塩と紫蘇だけで漬ける製法で梅干しに仕上げる。原材料が少ない分、素材が変わると味わいが変わるのも梅干し作りの面白いところだという。
「現在はメキシコ産の天日干し塩を使っています。他の塩も試して、相性のいい塩をたくさん見つけていきたいですね」。
3.梅干しの魅力を伝えるために。新しい楽しみ方を開発中
山本さんが厳選した徳島産の赤紫蘇で漬けることにより、
きれいな赤色に
昔ながらの製法を大切にする「うめひかり」の梅干しは、ご高齢のお客様からも好評で「小さい頃に食べていた梅干しと同じ味がする」と言われることもあるという。
「昔は家族が梅干しを漬けていたけど、今はもうやめてしまったという方にも喜んでいただいています。そのようなご家庭の梅干しを『うめひかり』が引き継いだような気がして、嬉しいです」。
梅干しの新たな可能性を広げるため、梅干しを加工品にした後の種の活用法や、紫蘇梅の紫蘇のアレンジ方法を模索している山本さん。
「これからも『うめひかり』の商品を通して、昔ながらの梅干しを伝えていきたいと思います」。